2005年03月02日

「怪しいシンドバッド」

怪しいシンドバッド
高野 秀行

集英社 2004-11
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「幻獣ムベンベを追え」を読んで以来、個人的ブームである著者の、世界各地の辺境秘境を旅したエッセイ集。

初出はちょっと古く、本書で登場する旅の数々は著者が二十代の頃のものが主だそうだが、相変わらず無茶なことばかりしている。インドのカルカッタで詐欺にあって全財産を失い、あやうく命を落としそうになりながらも無一文で逃げ延びたり、何人もの人を殺したゲリラと友達になったり、中国では野人を捜し、南米まで幻の幻覚剤を探しに行ってコカインでトリップしたりと、よくもまあこれだけ無謀かつ懲りない旅を次々と続けられるものだと感心してしまう。また無茶極まりない冒険話自体ももちろん面白いが、どことなくのほほんとした雰囲気が行間から感じられるのも著者の魅力だろうか。こういう冒険旅行を書くと意識せずともある意味「冒険自慢譚」になりそうなところなのに、飲み屋で一杯やりながら友達のバカ話を聞いているような、妙な親近感がわくのが不思議だ。

それにしても著者の作品を読んで印象に残るのは、世界各地で著者が喰らった珍しい食べ物のエピソードである。「ムベンベ」ではチンパンジー(もの凄く美味いらしい)、ゴリラにカワウソ、「巨流アマゾンを遡れ」ではピラニアにワニ、そして本書ではついに中国の奥地で人間の赤ん坊の胎盤を喰う。中国では万病に効くとされ、喰ったり薬にしたりするらしい。それでも喰いますか胎盤を。しかも胎盤を喰ったからには、今度は正真正銘の人肉を喰ってみたいとのたまう著者。懲りない人である。ちなみに著者は私と同い年。人生いろいろ、という言葉を改めて噛みしめてみる。

そういえば著者の blog がいつの間にやら始まっていた。著作同様に blog での語り口も大変面白いので、興味のある方はリンクを辿ってどうぞ。

Posted by hamada at 2005年03月02日 23:59 | TrackBack
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