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Archive: 北京での日常

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香港にて #2

2008.04.13 23:24 CST

ということで、本日無事に香港より帰還。二泊三日なんてあっという間のことよ。

八年ぶりの香港でいろいろ目新しいことがあったのだが、気がついたことを簡単に箇条書き。

・街が綺麗
香港というと、狭い島に摩天楼がやたらと建ち並び、その下に人も建物も何もかもがゴチャゴチャとごった煮のように集まっているという印象がある。それはその通りなのだが、しかし混沌の中にも秩序があるというか、ゴチャゴチャしていながらも何か目に見えない規律が存在しているような気がする。そもそも街が綺麗である。ゴミが落ちていない。香港は公共の場所は禁煙なのだが、街中でも結構な割合で路上喫煙をしている人を見かける。それでも道路にはほとんど吸い殻が落ちていない。街のいたるところにゴミ箱があって、タバコはきちんとそこに捨てているようだ。また街ゆく人も車もきちんと信号を守る。列にはきちんと並び、割り込みもない。北京の人たちに香港人の爪の垢でも飲ませてやりたい。

・日本製品大人気
とにかくどこもかしこも日本製品が多い。スーパーに入れば日本の食品やお菓子が大量に置かれていたり(直輸入なのに値段はほぼ日本と同じ:北京では日本の値段の倍以上はする)、道路を走る乗用車の 99% は日本車。テレビでは日本の番組が中文翻訳されて放送され、街中の若者は PSP に夢中である(何故か DS 所持者はほとんど見かけなかった)。二階建てバスと中文の看板がなければ、ここは日本かと見まがうばかりである。しかし普段北京に暮らしている身からするとこうした「日本ぽさ」が大変新鮮に見えるが、日本から旅行に来た人にとっては、もしかしてあまり面白くないのでは。
どうでもいいが、この二泊三日の滞在期間中に新型 GT-R を何台か見かけた。初めて見る実車の強烈なオーラには圧倒されたが、それにしても香港には金持ちが多いのか。

・眼鏡っ子多し
中国本土でももちろん眼鏡をかけている人は多い。しかし日本と比較すると割合的にはかなり少ないように思われる。だが香港では日本と同じかそれ以上に眼鏡装着率が高いように感じる。見た限りでは老若男女万遍なくという感じなので、世代によってではなく、環境的あるいは人種的に近眼率が高くなる何かの要因があるのかも。

・エスカレータのスピード早し
デパートやホテル、地下鉄などで何度もエスカレータに乗ったのだが、その上り下りするスピードが異常に速いのに驚く。もしかしたら、やたらとのんびりした北京のエスカレータに慣れすぎてしまったのかもしれない。しかしそれでも香港のエスカレータは速い。思わず乗るのに躊躇するほどである。お年寄りとかは危ないのじゃないかと思って見ていたら、皆平気でひょいひょい乗っていた。
ちなみに香港ではエレベータを乗る際は右側に立つ。確かこれは関西風で関東では右側だったような気がするが定かで無し。なんだかもうすっかり東京での生活様式を忘れつつある。

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聖火リレー

2008.04.08 23:12 CST

あと四ヶ月に迫った北京オリンピック。ギリシャから始まった聖火リレーは、そのギリシャはもとよりトルコ、イギリス、そしてフランスで強烈な抗議行動を受けて大混乱に陥っている。これらの様子は中国国内にももちろん伝えられている。しかし当然ながらその論調は「極少数のチベット独立推進派による暴力行為」という名目である。

これらを受け、中国では民族主義意識が激しく刺激されているようだ。中国ローカルのポータルサイト「捜狐」をのぞいてみると、そこは正に反欧米一色の世界。掲示板には「聖火を守れなかったのは警備上の問題だ」「イギリスとフランスの五輪参加資格を剥奪しろ」やらの書き込みが目立つ。当然ながら抗議行動に理解を示したり、チベット人を擁護するような書き込みは、私が見た限りでは皆無である。

中国は近年の急激な経済発展に伴い、物価上昇や環境問題、食の安全、政治の腐敗など様々な問題が噴出している。普段はこれらをネタに中国政府の政策を批判する意見もたまに見られる。しかしこと「台湾」や「チベット」など民族や国家統一の問題になると、瞬時に愛国主義一色となる。

中国には全部で五十六の民族が暮らしているが、人口比のうち 90% を占めるのは漢族である。彼らはその歴史上、古から他の民族に対する根強い優越感がある。いわゆるところの「中華思想」というもので、世界で最も優秀な民族である自分たちが他の民族を征服し同化できるのは当然、それが唯一無二の秩序確立方法であると考えられてきた。逆に自分たちの秩序や優越感に謀反を起こす者がいれば、いたく自尊心が傷つけられる。「面子がつぶされる」わけである。するとどうなるか。徹底的に否定する。弾圧する。叩きつぶす。逆らう者は虐殺する。もちろん相手の立場を慮るとか、自分の行いを省みるということはしない。なぜなら自分たちは優越者であり、世界でただ一つの正義だからだ。

中華思想から生まれた中国の民族主義は、最近過激さを増しているように思える。1989 年の天安門事件以来、中国共産党の求心力を取り戻すため、江沢民が指示して強化された愛国主義教育の結果といわれる。実際、その「愛国主義教育」ど真ん中である会社の若い連中に、先頃のチベット暴動や今度の聖火リレー抗議行動のことを聞いてみると、中国国内の新聞やテレビ報道(チベット暴動は一部独立派が企てた悪事であり、聖火リレーの混乱は『抗議』ではなく『悪質な妨害』である)が全て正しいとは思わないけれども、しかし今の中国のやっていることが間違っているとは全く思わない、という答えであった。そうなのか。教育の大切さと恐ろしさを、改めて垣間見た思いである。

聖火リレーは明日にはアメリカに行く。恐らくはイギリスやフランス以上に激しい抗議行動が行われるに違いない。日本は 4/26 だったか。さすがに日本では欧米のような激しい行動は起きないと思うが、ネットでは聖火リレーに合わせて沿道をチベット国旗で埋め尽くす計画があるらしい。個人的には是非ともやってくれと思うが、しかしもし本当にそれをやったとしたらどうなるか。中華思想は強者の論理であり、そして強者はとりあえず一番弱い相手に噛みつく。今の欧米に対する反発や怒りの矛先が、どういうわけだか日本だけに集中していく予感がもの凄くする。オリンピックを前にもう一悶着ありそうで、中国で暮らす日本人としても警戒は忘れてはいけないと思う。

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董事会ウィークが終了

2008.04.05 14:34 CST

今年もまた董事会ウィークがやって来た。

中国では会社(「有限責任公司」)の経営権は「董事会」(とうじかい)と呼ばれる経営会議が持つことになっている。董事会は日本で言う「取締役会」と「株主総会」が一緒くたになったようなもので、会社の最高意志決定の場である。通常は年一回、中国での年度替わりである一月から三月に行われるが、日中合資企業の場合は日本の年度替わりに合わせて四月頃に開催されることが多い。私を雇用する北京の会社も毎年四月に行われることが慣例になっている。

で、この董事会で何をやるかと言うと、基本的には日本の取締役会と株主総会とほぼ同じである。前年度の決算、利益処分、今年度の事業計画、会社定款の変更があればその審議、等々多岐にわたる。ただ内容については事前に日中双方の董事(日中それぞれの社長など)とネゴシエーションを取ってあるので、実際の董事会は限りなくセレモニーに近い雰囲気となる。もちろんそこにまで到達するには大量の資料の整理やらお偉いさんとのネゴやら、さらに会場のセッティングやらお昼のお弁当や夜の宴会の手配に至るまで、綿密かつ周到な事前準備が不可欠で、董事会自体よりもその前の準備の方が何倍も大変なのは言うまでもない。

ところでこれら董事会の準備を行うのは董事長や董事ではなく、一般的には総経理や副総経理の役目である。ちなみに中国企業の役職で良く聞く「総経理」とは、英語では「General manager」のこと。よく「総経理=社長」と誤解されることも多いが、あくまでも「マネージャーの親玉」という位置づけである。実際の日常的な会社運営について責任を持ってはいるものの、会社を経営するための最終執行権は持っていない(企業によっては持っている場合もある)。実際の社長は「董事長」、つまりは「董事会」の長であり、中国方、もしくは日本方親会社の社長が「董事長」を兼任している例が一般的である。

そんなこんなで董事会の準備から日本からやって来るお偉いさんのアテンド、董事会の開催、その後の宴会やら数多の行事、その他数々が怒濤のように執り行われた董事会ウィークが、今年もまた今週執り行われたのだった。とは言え私が担当した実務的なところと言えば、董事会の議事録作成とか簡単な通訳、毎晩の宴会要員、それと偉い人達のカバン持ちぐらいなもの。それでも何かと気は使うし連日の宴会で肝臓に結構なダメージを喰らうわで、それなりに疲れる。またともあれ、これで董事会ウィークは終了である。

しかし気がつくと早四月。董事会ウィークの後、来週はちょっと旅行に行き、再来週は深センに出張予定である。なんだか自分の仕事をやる時間が全然無い気がするのは気のせいか。

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差不多

2008.03.31 23:00 CST

中国人と中国語で会話をしていると、頻繁に出てくるのが「差不多」と「没办法」という単語である。それぞれ発音をカタカナで書くと「チャァ・ブ・ドゥォ」「メイ・バン・ファ」という感じか。「没办法」はいずれまた機会があれば取り上げるとして、今回は「差不多」の方である。

「差不多」を日本語に直訳すると、漢字を読んでほぼそのままの「差は多くない」という意味になる。要するに「似たようなもの」とか「だいたい同じ」、「ほぼそんなもん」と言いたい時に使う。大方の意味はこんなニュアンスだが、実は「差不多」は非常に深い言葉だそうで、前後の文脈や言い方によって肯定的にも否定的な意味にもなるらしい。中国人同僚に言わせると「『差不多』だけで一冊の本が書ける」そうである。それが本当かどうかは知らないが、中国語歴の浅い私なぞは、この言葉の真髄を恐らく完全には理解していないのだろう。言葉は文化である。そしてその文化と背景を理解しなければ、言葉の持つ本当の意味を理解できないのではなかろうか。

で「差不多」である。具体的にはこのような時に使う。

「この料理、以前来た時の方が美味しかった気がするけど?」
「差不多(似たようなもんだ)」

「(タクシーにて)どうしてこっちの道を行くんだよ。あっちを通った方が近いでしょうが」
「差不多(そんなに変わらないよ)」

「なんでこの回路にこんなトランジスタを使うんだよ。ちゃんと型番指定してあっただろ?」
「差不多(特性だいたい同じじゃん)」

中国はとにかく広い。そして大きい。人口も世界一である。さらに五十以上の民族が暮らす多民族国家でもある。広大な大地、世界一の人口を抱え、細かいことにいちいち構っていたら物事が前に進まない。大枠で物事をとらえ、詳細についてはその枠の中に納まっていればとりあえずそれで没問題、まずはだいたいそこそこから事を進め、途中何か問題が出ても、最終的には適当なところにゴールすればそれでいいじゃんか。そこから生まれた言葉が「差不多」。ある意味、中国と中国人の気質を言い表す最適な言葉ではないか。

しかし「差不多」の意味する最も重要なところは、「ほとんど同じ」であってもあくまでも「違う」ということである。

先日もこんなことがあった。とある中国ローカルの板金製造加工業者に仕事を頼んだ。責任者と技術者を呼び、面と向かって図面や加工方法の細かい説明をし、まずは試作を作ってもらった。評価したところ、特に問題はない。寸法もきっちり出ているし、加工や表面処理も十分綺麗である。値段も日本で作ったものを輸入するよりも三分の一以下と安い。満足した私は量産のゴーサインを出した。

しかし量産開始して半年ほど経った頃、不良品が多発したのである。それはとある製品に使う棒状の金属部品だった。長尺方向の寸法は 100mm で、加工誤差やら公差やらを全て合わせて ±2% を合格基準としてあった。つまりは 98〜102mm の範囲であれば合格なのだが、入荷された部品はほとんどが 98mm ギリギリ。検査落ちしているのは当然ながら寸法が足りないものばかりである。恐らくは、と言うかほぼ間違いないのだが、偶然ではなくて故意である。少しでも長さを切り詰め、材料を節約しているのだ。

電話やメールで改善して貰うように依頼し、「金型を少し変更した」とか「次のロットからは没問題だ」と回答はくるが、検査落ちは一向に減らない。業を煮やした私は責任者と技術者を呼びつけた。

「ほれ見ろ、どれもこれも合格基準から短い不良ばかりじゃないか」
「いや〜、差不多じゃないですかね」
「どこが差不多だよ。合格しないのはそっちの責任だ」
「じゃあこれを組み付ける受け側の寸法を変えたらどうですか?」

うぬぬ。言うに事欠いてそう来るか。しかし不良品が頻発して生産や経営計画に穴が開きつつある。非常にまずい状態である。だがこれ以上業者を責め立てても多分改善なんかするはずはない。叱責され続けて、彼らの面子も立たないのかもしれない。仕方ない。ここはこちらも改善方法を提案でもしてみる。

「ならこれからは寸法を 101mm として作ってくれ。これなら多少短くても合格基準に入るはずだろう」
「わかりました。金型を変更します。ただ」
「ただ、何?」
「長さが長くなるので、その分価格が上がります」

差不多だろうが馬鹿野郎!
今ここにちゃぶ台があれば、私は間違いなくひっくり返していた。

中国で仕事をするのは本当に疲れる。まあしかし郷に入ればなんとやら。没办法なのかもねえ ← こうやって使います

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今朝も二日酔い

2008.03.26 09:43 CST

昨日は取引先の人と飲み。立場的には私が顧客で相手が接待する側という立ち位置なのだが、年齢が近いせいか、そうした縛りはあまり感じることなく飲む。

日本人駐在員は会社の中でマネージャクラスなどそれなりの地位にある場合が多い。しかも日本とは違い、人員構成などの関係上、時に膨大かつ様々な業務をたった一人でこなさなければならないケースがほとんどである。現在在籍している中国の会社の業績だけでなく、日本の本社からの要求にも応えなければならない。各方面から押し寄せるプレッシャーは、正直言ってかなりでかい。なのに周りにいる中国人は、どいつもこいつも何事につけいい加減で、口を開けば言い訳ばかり。何かことが起きれば人のせいにし、肝心の所の責任はこちらに押しつけてくる。いかに温厚かつ柔和、菩薩的慈悲心を持つ私でも、時として憤怒の阿修羅に変化したくなる。

日本を離れ、外国、それも人外魔境の中国でこうして仕事や生活をしていると、ほぼ誰もがこのような環境に置かれる。となれば同じ立場の人との間で言わば「戦友」のような意識が生じるのは自然な流れである。おお同士よ同輩よ。酒でも飲まなきゃやってられるか戦友よ。たまにこうして集い、痛飲鯨飲したところで、誰が我々を責められようか。おらおら、酒だ酒だ、酒もってこーい。

結果、飲み過ぎっす。猛烈な二日酔いっす。気持ち悪いっす。死にそうっす。もうしませんごめんなさい。だからこの胃のムカムカを誰かどうにかして。

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大黄砂にご用心

2008.03.19 13:55 CST

昨日、朝起きて身支度をととのえて家を出ると、なにやら空が暗い。空一面が灰色がかった黄色い雲で覆われている。視界も目視で 500m あるかどうか。我が家からすぐ近くにあるビル群も霞んでよく見えない。黄砂である。それもかなり大規模な。ネットを調べてみるとやはりそうだった。

■ 强沙尘昨袭京(北京青年報)

昨日北京上空を通過したということは、明日か明後日には日本に届くものと思われる。洗濯などは控えた方がいいかもしれない。

昨日の夕方頃にはだいぶ収まったようだが、それでも街並みはなんとなく黄色く染まり、おもてを歩くと髪の毛が砂でジャラジャラする。気のせいか目がチカチカし、痰がやたらとからむ。喉から気管支にかけて息苦しいような気もする。大規模な黄砂は今年に入って二回目だが、今年はさらに八回から十回の大規模発生が予報されている。困ったものである。

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歴史はこうして作られる

2008.03.18 23:22 CST

チベットでの大規模な暴動が発生してから三日。様々な憶測や未確定情報が飛び交っているが、未だにその確定的な様子は全く分からない。それはひとえに中国が強力な情報統制をしいているからである。これまでに中国政府からの声明の他は、新華社通信による暴動の様子を撮影したいくつかのビデオが公開されているだけ。政府からの発表はともかく、新華社は中国共産党の機関誌なので、言ってみれば「大本営発表」である。大本営て、いやこんなことを書くと私の blog も公安に目をつけられるかもしれないからヤバイのだが、まあいいか。大本営大本営だーいーほーんーえーいー。

ともかく、今、我々が得られる情報は全て中国政府からのみのものである。なにせチベット自治区に対する外国からの査察はもちろん、外国人の流入を含め海外メディアの取材は全て拒否、電話も通じない状態だという。こんな一方的な状態で、ただ中国側から垂れ流される情報だけで何を判断せよと言うのか。

外向きはもちろんのこと、中国国内に対してもがっちり情報管制されている。新聞、テレビなどは先日閉幕した全人代(中国の国会)とオリンピックの話題ばかりで、チベット関連のニュースはほんのわずかしか報道されていない。流されている記事はたとえばこんな感じだ。

■ 拉萨打砸抢烧事件不是“和平示威”(北京青年報)

上記の内容は、産経新聞の福島記者の blog で翻訳されているのでリンクをはっておく。

会社で中国人同僚に話を聞いてみても、彼らが持ちうる情報はだいたい上記の新聞記事と変わらない。なにせ公にはこういう報道しかされず、ネットも例の「金の盾」によりチベット関連の情報は厳しく制限されている状況では仕方ないのかもしれない。もちろん世界中で発生しているチベット弾圧に対する抗議行動の様子や、下手をするとオリンピック参加をボイコットする動きがあることなぞ、全く知らない。彼らが知るのは「チベットで暴動が発生、家や商店が焼き討ち、略奪され、一般市民が何人も殺された。今は武装警察や公安が完全に鎮圧したので正常に戻った」ということだけである。そして恐らく今後も中国人民に対してこれ以上の情報が提供されることは無いだろう。

そういえば先の毒餃子事件も中国国内では結局は有耶無耶に、それも日本側に非があることを強く匂わせる形で終わってしまった。彼らの頭の隅に残るのは、餃子に農薬が混入されたのは日本側の問題であり、そして遙か遠くの山の中で起きた反乱分子による単なる暴動の顛末の記憶だけである。こうして歴史は作られる。ある意味、非常に貴重な事例を、それも内部からリアルタイムで体験しているのかもしれない。

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ついにやっちまった

2008.03.15 22:08 CST

燻り続けていた火種がついに爆発した。

3 月 10 日にチベット・ラサで発生した僧侶に対する公安、武装警察(ちなみに武装警察とは、中国共産党中央軍事委員会の指導下にある準軍備部隊であり、ようするに軍隊)の武力鎮圧に反発する形で、昨日 14 日、ついに大規模な暴動に発展してしまった。正に今、ラサが炎上している。

11 日にも発生した抗議デモは催涙弾で制圧されたようだが、その後に起きた数千人規模のデモ隊と武装警察が衝突。国営の新華社通信は死者が 10 人でいずれも市民が巻き添えになり焼死したと伝えた。死亡した 10 人には、ホテル従業員 2 人、商店経営者 2 人が含まれているという。このほか、暴動で多数の警察官が重傷を負い、放火などにより 40 カ所で大規模な火災がおきるなど、計 160 カ所で炎が上がった。さらに、各所で略奪が発生。同自治区公安によると、「無実の市民が殺害された」と当局による鎮圧の正当性をアピール。アメリカやヨーロッパ各国をはじめとした国際社会の懸念が一気に強まる中、自治区司法当局は騒乱に関与した者に対し、自首するよう通告した。

日本のメディアでどういうように報道されているか私はわからないが、とりあえず我が家のマンションで見ることの出来る NHK ワールドプレミアムでのニュース報道では、ほとんど上記の新華社通信そのままの内容、および映像で報じられている。

しかしこれらはあくまでも「国営」の新華社通信が発表した情報を、そのまま垂れ流しているだけということに注意しなければならない。賢明な皆さんはすでにお気づきだと思うが、この国の報道機関同様、日本のマスコミも猛烈にバイアスがかかっている(とくに一部アジア方面)からそのまま鵜呑みには出来ない。

ダラムサラに本拠を置くチベット亡命政府は Web を通して未確認情報として、ラサ暴動での死者数が 100 人以上に達したとする声明を発表したらしい。その多くはデモに参加していた人々で、中国の武装警察による無差別発砲による死亡者だとし、負傷者数も多数にのぼっているという。

ちなみに「らしい」とか「という」というのは、中国からはチベット亡命政府の Web サイトにアクセス出来ないからで、その他ニュースサイトなど二次情報の伝聞によるからである。当然ながら例の「金の盾」で厳しく情報統制されている中国では、チベットや台湾関連の情報の多くに規制がかかっている。海外の「串」を通せばたぶんいけると思うが、善良な在中外国人の手前、あまり変なことをして公安の目にひっかかるのも面白くない。日本にいる方は是非とも私の代わりにご自分の目で確かめてみていただきたい。

ともあれ、大規模な暴動が勃発し、そしてそれを武力による強硬手段で対抗してしまった。「国営」の新華社によれば、暴徒化した人々が放火、略奪の暴虐無人の限りを尽くしているとの印象だが、そもそもは中国によるチベットに対する長年にわたる弾圧と、統一化という名の民族浄化(中国人との混血による民族消滅政策)に対する抗議活動が本質である。だいたい、中国政府が目の敵にしているダライ・ラマ 14 世も、求めるのはチベット独立でなく「高度な自治」だと譲歩を見せている(こうした戦略は生ぬるい、という血気盛んな若い僧が「自治ではなく独立だ」と突っ走ってはいるという側面もあるのだが)。チベットの人たちだって馬鹿ではない(と思う)。独立が現実的に無理なのは、多くの僧侶やチベットの人たちも認識しているはず。中国がほんの少しでも譲歩して、自治と宗教の自由、さらにはチベット文化を尊重する余裕があれば、もう少し別の展開が生まれるに違いない。

しかしついにやってしまった。今までも非公式ながら虐殺の事実は漏れ聞こえてきたながらも、今回は暴力による介入がついに公然のものとなってしまった。国家の意地と誇りをかけた五輪を前のこの大事な時に、絶対にやってはいけないことをやってしまったのである。すでにアメリカ、EU、フランス、イタリアが公式に中国政府に対して抗議を行っている。特にフランスは北京オリンピックへの影響について明言している。いやこれ、ほんとに洒落にならないっすよ。

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北京のスモッグは無くなるのか

2008.03.11 23:47 CST

ここのところの北京は急激に暖かくなっている。特に今週月曜日なぞは日中の最高気温が 22.3℃ まで上がり、春と言うより初夏に近い感覚であった。つい一ヶ月前まで猛烈な寒さに凍えていたのが嘘のようである。

ただし、今年に入ってからほとんど雨の降らない日が続いており、空気はカラカラに乾いている。実際におもてで測ったことはないが、私を雇用する北京の会社内の湿度計は 10% の目盛りから上に針が動くことはない。ここまで湿度が低いと、カラカラと言うよりもパキパキである。何がパキパキか。肌がだ。少し油断すると、顔と言わず手と言わず足と言わず腹と言わず、肌の表面がパキパキに乾燥する。白い粉を吹き、地割れのようなひび割れが生じる。風呂上がりなぞ顕著である。ほとんどタオルいらずで、ほっとけばいつの間にか髪も体も乾いているから水気を拭く手間がいらないのはいいけれど、余計な水分まで蒸発するから質が悪い。化粧水や保湿クリームをたっぷり塗っておかないと、乾燥からくる体のかゆみで眠れぬ夜を過ごすことになる。

乾燥して風が吹かない日が続くと、どこからともなく現れるのがスモッグである。近年の経済発展に伴い、爆発的なモータリゼイションによる大量の排気ガスに加え、工場や発電所(中国では石炭による火力発電所が非常に多い)から排出される排煙などが渾然一体となって大気中に滞留するわけである。

最近日本でも北京の空気の悪さはいろいろ報道されているようだが、あれは誇張でも何でもなく、実際洒落にならないほど半端ではない。以前より格段に多くなったと北京政府は胸を張るが、すっきり青空が広がることはあまりない。どんよりと灰色の空に光を失った黄色い太陽が浮かび、濃霧と見まがうスモッグが街を覆うというのが北京の典型的な天候である。いつも遠くの街並みはガスの向こうに隠れて見えないが、酷い時には視界が 100m に満たないこともある。東京にも「環八雲」というのがあるが、あれの濃度を十倍にし、それが市内の全域を覆い、なおかつ地上にまで降りてきたものを想像していただければよかろうか。

この状態で長年暮らしていれば、体のどこかがおかしくなるのも当然である。実際、中国人の呼吸器系疾患罹患率は非常に高い。中国人のマナーの悪さの一つにどこででも痰を吐くという行為があるが、あれは別にやりたくてやっているわけではない。こんな環境であれば痰も溜まれば喉や肺の一つもおかしくなるのは必定。痰ぐらい吐かなければ、喉がイガイガしてやっていけない。仕方ないのだ。大目に見てやってほしい。汚いけど。

人間の体というのはよくしたもので、こうした過酷な環境から防御しようとする力が内部から働く。鼻毛である。伸びるのである。異常なスピードである。油断するとボーボーである。私は体毛はそれほど濃い方ではない。日本にいた時は鼻毛の処理など、たまに思い出した時にでもすれば十分だった。それがこちらに来てからもの凄いスピードで伸びる。週に何度かきちんと処理しないと、あっという間にバカボンパパである。

どうでもいいが、こちらの人は鼻毛にあまり頓着しないらしい。普通のおっちゃん、おばちゃん(女性でも鼻毛が伸びていることが多い)はともかくとして、な