みくだり日記    2000年05月前半
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05月15日(月)
  そして予定通りの眠い月曜日の朝。ここ数日続いたはっきりしない天候は今日も引き続き、である。どんよりと重々しい鉛色の空が、寝不足(というより体内時計の乱れか)で湿った心をさらに鬱にする。眠い眠い、ああ眠い。

  それにしても車が汚いのである。ここのところの悪天候でまさに泥だらけ。と言うか、この汚れはここ最近の話ではない。そういえばいったいいつから洗車してなかったか。ううむ、少なくとも今年に入ってやっただろうか。記憶にない。もっとも最近は週末というと休日出勤ばかりでろくに洗車をする暇なぞなかったから仕方がないといえば仕方がないが、それにしたってこの汚れぶりはどうだ。埃や泥にまみれて、黒のはずの車体が光の加減によっては薄茶色に見えるぐらいである。しかしそうはいってもこれから先もなかなか洗車する機会はなさそうだしなあ。いっそのこと豪雨でも降れば泥が洗い流されていいのに。

  などという俺の願いが天に通じたか、雷を伴った強烈な雨が今日の夕方頃降り注いだのである。まさにバケツをひっくり返したような物凄い勢いの雨。まるでコイン洗車場のシャワーホースのようである。おおっ、これで泥が洗い流されてきれいになったか。

  ってなるわけがない。雨は空気中のチリや埃を核として、そのまわりに水蒸気が集まって水滴となっているから(確かそうだったと思う)、雨に打たれてもきれいになるどころか、むしろより汚くなるのである。しかも今日は会社の駐車場ではなんとかの木(名称失念)に置いておいたものだから、雨と風で葉っぱが落下してよりいっそう汚くなってしまった。ううっ、甘かったか。

  せめて今度給油するときにでも洗車してもらおう。


05月14日(日)
  今日は完全オフの日。こういうときこそ洗車やら読書やら普段出来ないことをやったらいいのにと自分でも思う。やろうかなとは少しだけ思う。が、それよりそんなことより優先されるのは睡眠である。ということで今日も昼過ぎまでひたすら寝る。
  しかしまあ確かにいつも睡眠不足とかなんとか言っているわりに、昨日だってWebを見たりPCをいじくったりして、結局寝たのは明け方の七時だもんなあ。休前日は概して生活リズムが乱れがちではあるが、いくらなんでもこれはないだろう。完全に昼夜逆転である。こんなことをしているから週明けが辛いんだって。

  先週に引き続き今日も秋葉原である。今日の目的の一つは外付けモデムの購入。これは別にモデムが壊れたとかそういうことではなく、自宅のPCをLinux環境に移行するのに必要に迫られてのこと。と言うのも普段Windows環境で使用している内蔵モデムはいわゆる「Winmodem」と呼ばれる「Windows環境下でしか動作しないモデム」で、したがって残念ながらLinux環境では使えないのである。いろいろ調べてみると、シリアルポートに接続する外付けモデムであれば大丈夫のようなので、出来るだけ安いものを購入する。一応の目星は先週のアキバ巡回でだいたいつけてある。
  もう一つがかみさんの誕生日祝いの品。こちらはかみさんの希望で「MP3プレーヤー(ソリッドステートプレーヤーと言う方が正しいか)」である。通勤のお供として使うらしい。こちらはあまり予備知識がないので店頭で物色しながら選択する予定だ。

  ということでモデムはすぐにほぼ希望の価格で買うことができたのだが、MP3プレーヤーの方はなかなかこれといってめぼしいものがない。ダイヤモンド・マルチメディアやIOデータといった中堅どころの製品は価格こそそれなりに安いが、しかし肝心の機能、音質が今一つショボイのである。一方最近出始めたソニー、富士通、三洋、東芝あたりの大手家電メーカのものはさすがにそこそこの性能ではあるが、価格的にまだこなれていない感じである。だいたい三万〜四万円前半というところか。うーむ、どうせ買うなら音質に優れる大手家電メーカものを買いたいところだが、この値段ではちょっと手が出しにくい。おそらくもう少ししたら他のメーカからも製品がたくさん出て価格帯が下がってくるのだろうけどなあ。

  アキバの量販店やパーツショップをぐるっとまわってみても、どこもだいたい値段は一緒に高値安定である。ううむ仕方ない、今回は見送ることにしてボーナス商戦が始まったらまた来てみようか、と思いかけたとある店頭で、ふと見ると型落ちの「ペルソナ」が激安価格で置いてあった。そういえばかみさん、「自分専用のモバイルマシンが欲しい」って前から言ってたよなあ。

  と、ここで突如として記憶がなくなり、気がついたら帰りの電車の中である。おおっ、いつの間に俺はこんなところに。しかもなんとしたことか、横に座っているかみさんの手には「ペルソナ(Postpet入り)」が入った紙袋が。ううむ、一体いつMP3マシンからすり変わってしまったのだろうか。不思議なこともあるものである。


05月13日(土)
  どんよりとグレイ一色の空模様。モノトーンの土曜日は、今日も今日とて休日出勤。

  のつもりで目覚まし時計をセットしたはずだったのだが、何故か起きたらすでに昼過ぎである。ううむ、またやってしまった。最近このパターンがあまりに多いんだよなあ。せっかく目覚ましが己が使命に忠実に仕事をこなしているというのに、人間の方がそれを無視していたらどうにもならん。
  まあ本来は土曜日だから休みであって、あくまでも自由意思による休日出勤の為の早起きだから、平日とは違ってどうしても緊張感が欠如してしまうのは致し方ないとしても、いつもいつもこれじゃそもそも目覚ましをかけている意味が全然ない。どうしたものか。って、前日の夜に朝方まで起きてないでとっとと早く寝ればいいだけのことのような気もするが。

  俺を雇用する会社の就業規則では、休日出勤する場合は原則として九時に出社することになっているのだが、フレックス扱いの午前十時、そして昼過ぎからの出社も一応は認められている。しかし今日はすでに午後一時近く。このまま会社に行って仕事をしてもタダ働きである。だが仕方がないのである。来週末休む分を今のうちにこなしておかなければならないのである。全ては明るい未来のため。そして福建炒飯のために。ということで、予定よりだいぶ遅れてニ時過ぎに会社へ。もうすでにやる気はないが、しかしやらねばならない。

  晩飯はカレー。やはりカレーはタイ米に限る。


05月12日(金)
  金曜日。あっという間に一週間が過ぎていく。
  俺は大概の寝起き時は非常に機嫌が悪いのだが、今朝は特に目覚めが悪い。とにかく猛烈に眠いのである。一瞬、このまま午前中休んじゃおうかな、なんて不埒な考えが頭をよぎる。しかし今休むわけにはいかないのだ。全ては明るい未来のため。そして福建炒飯のため。気力を振り絞って起きあがって会社へ向かう。ううむ、やはりさすがに日頃の疲れと睡眠不足がたたっているのだろうか。♪スイミン スイミン スイミン スイミン スイミンぶそくっ と朦朧としながらキテレツ大百科のテーマソングを歌ってみたり。なんだか余計腹が立つ。

  全世界のWWW構造解明する新理論
  「WWWサイトは四つの領域に別れており、これら位置関係の形状が蝶ネクタイに似ていることから「Bow Tie」(蝶ネクタイ)理論と呼んでいる」そうで。なるほど、蝶ネクタイねえ。
  って言われても今一つ上手く想像できないが、どうもWebの世界の連結っていうと「World Wide Web(世界中に張り巡らされた蜘蛛の巣)」という言葉本来の意味から感覚的には「ちょっとほつれ気味の蜘蛛の巣」や「適当に盛ったスパゲティ」のようにイメージしていた。だがエンドユーザのミクロな視界から離れ、俯瞰したマクロな視点で全体を眺めてみると、一見無秩序かつ複雑に絡まった形状も実は全体を成すもののほんの一部であり、ここで唱えられているようにそれはあたかも「蝶ネクタイ」のようになる、ということか。なかなか興味深い。それにしてもこういう「不可視なものを(無理やりにでも?)可視化してみる」というのは、時として普通の感覚や想像を超えた意外な結果をもたらしてくれてとても楽しい。
  でもこれ、「5億ページにおよぶWWWサイトを分析した結果」ということだけど、サーチエンジンサイトの「AltaVista」が一枚噛んでいることから、ロボット型サーチエンジンで片っ端から調べていったのか。うちのページも入ってるかなあ。端っこあたりに。

  今日はかみさんの誕生日。お祝いメール受付中。


05月11日(木)
  声優の塩沢兼人氏死去
  マ・クベ死す、か。数少ない耽美派の声優だったのになあ。それにしても自宅の階段から転落して死んじゃうなんて。山田康夫や富山敬など、小さい頃からその声をよく耳にした人たちがだんだんと亡くなっていく様を見ていると、自分がいかに歳を取ったかをいやでも思い知らされる。

  日付が変わろうとしている深夜、仕事を終えて会社の玄関を出ると外は一面霧に覆われていた。今はなんとかあがっているが、天気予報通りに午後から夕方過ぎまで雨がふったから大気がたっぷりと湿っているからだろうか。あまりに霧が濃いため、有視界距離は十メートルあまり。省エネのためか、はたまたただ単にケチだからかは知らないが、夜遅くなると全て消灯してしまう役立たずの街路灯に当たらないように気を付けながら、霧が立ち込める駐車場までの道を慎重に歩く。

  それにしたって霧というのはなんと不気味なことか。しかも今は深夜である。出来すぎのシチュエーションである。この霧の向こうから「何か」が突然現われたとしても、なんら不思議ではない。こういう時は意識を殺してひたすら無心になるに限るのだが、しかしこういう時だからこそ余計なことを考えてしまう。思い出したのは昨日見た悪夢。ううっ、こんなことならうたた寝なんかしなけりゃよかった。三十路を超えた大の男が、何を情けない。でも怖いものは怖いのだ。歩くスピードが自然と早くなる。見かけによらず小心者なのだ私は。

  ようやく車まで辿りついた。ふう。ここまで来れば大丈夫。早いとこ車に乗りこんで、とっとと帰ろうそうしよう。と、ポケットから車のキーを取り出して無線式ロックのボタンを押そうとした瞬間ぎょっとした。車のボンネットに何かが乗っているのである。

  声にならない悲鳴をあげ、驚きのあまりたじろいでニ三歩後退したあとは体が凍って動けなくなった俺に気づいたのか、謎の物体はゆっくりと立ちあがるとすばやく身を起こしてボンネットからジャンプし、林の方向に消えてしまった。ひいいいぃっ。なんだなんだなんだ今のは。なんだったんだあの黒い影は。

  まあ多分猫か犬かの類だろう。そうだと思いたい。そうだと言って。


05月10日(水)
  アンチ・ウィンドウズ派は『I LOVE YOU』ワームに歓声
  ま、俺も(俄か)Linuxユーザですから。と言いつつ、今この日記を書いている環境は未だにWindows環境なのが情けない。いやほら、Linuxだとモデムの設定とかがいろいろと…。

  今日は水曜日なので定時で帰宅。こんなに早く家に帰るのはものすごく久しぶりのような気がする。帰り際表に出ると、まだ外はずいぶん明るい。もう午後七時前なのにこんなに明るいなんて。いつの間にか日がのびてるんだよなあと、ナチュラルに驚いたり。いかにここ最近陽に当たらない生活を送っているかがわかる。これが近頃話題のいわゆる引き篭もりってやつですか。え、違うの?

  晩飯後ウトウトとしていたら、もの凄く怖い夢を見た気がして飛び起きた。うひゃあっ、なんて情けない声を上げたかもしれない。おおっ夢か、ああ夢でよかった。しかし今見たばかりなのに何故か細かいところは全然覚えていないのだ。微かに記憶しているのは、何か得体の知れない物体が首の後からキリキリと体の中に入っていく、そんな感じなのだが、とにかくとてつもない恐怖を感じた。首筋になんとなく妙な感触が残っているような気がして思わずさすってみたりした。ううむ、「Matrix」の見すぎだろうかこれは。

  ということで、怖いから今日の日記はおしまい。今日は早く寝よう。Die or sleep.


05月09日(火)
  MicrosoftにI Love You
  「Outlookは、電子メールクライアントの形をしたセキュリティホールだ」だそうで。けだし、ごもっともな話である。

  今回のウィルスもいつぞやの「Melissa」と同様、主に「Outlook」のメールに添付された実行ファイルの取り扱い機能を利用した悪質なものだったわけだが、「Melissa」よりもはるかに早く、そして多くの感染メールがネットを飛び交ったためか、ネットだけでなくテレビ、新聞など一般メディアをも巻きこんでの一大社会現象となってしまった。

  それにしても相変わらず間抜けなのが各マスコミの報道内容である。「Melissa」の時もそうだったが、あたかもメールを受け取っただけ(あるいは『開けた』だけで<なんだよ開けたって)でどんなメーラ、OSでも件のウィルスに感染するかのような、無闇にパニック心を煽る中途半端な報道ばかり。いい加減うんざりである。

  そりゃまあ全メールユーザに対するOutlookユーザの割合は相当数にのぼるだろうから(恐らく最大数だろう)、視聴者ニーズに合わせた数の論理から言えばこうした報道体制もある程度は正しいのかもしれない。しかし本来やるべきはそんな上っ面だけの話ではなく、もっと根源的なこと、つまりは「Outlookを使用することの危険性」をきちんと検証し、正しい情報を視聴者に提示することが真のジャーナリズムたるものではないか。まさかそんなことも知らないでニュース記事を書いているとは思えないが、しかし一向にそうした報道がなされないところをみると、もしかしたらMicrosoftから袖の下でももらっているか、あるいは広告収入減を恐れてさわらぬ神に祟りなしを決め込んでいるのかと変な勘繰りでもしたくなる。
  それはともかく、とにかく猛省するべしマスコミ諸氏。まともなアプリ作ったれよMicrosoft。

  いえね、なんでまた珍しくこんなかたい話をするかってえと、こういうことがある度に俺のところには友人・知人からこんな質問がいっぱいやって来るわけなのである。
  「こんなメールをもらったんだけどさあ、これって例のウィルスって奴?」
  知るかそんなの。Microsoftに聞けMicrosoftに。


05月08日(月)
  俺には全然関係のなかったゴールデンウィークも終了し、今日から通常勤務のスタートである。はずだったのだが、今朝起きてみると時計の針が指し示す時間は午後一時半。そりゃまあ確かに昨日の夜も遅くまで起きてはいたが、それにしたってちゃんと目覚ましをセットしたはずなのに。かみさんも今日は休みだからって油断したのか。こうなっては仕方がないので会社はサボりである。ま、連休中にイヤってほど出勤したからここで一日ぐらい休んだって罰は当たらんだろうが、これでいいのか人として、そして社会人として。いや、これでいいのだ、と自らを納得させる。この世の全ての迷い事をいとも簡単に解決する魔法の言葉、これでいいのだ。バカボンパパはやはり偉大だったのである。

  突然休みになってしまったので、とりあえず車で買い物にでも、と最近新しい建物が完成してさらに巨大になった「ららぽーと」へ。平日の昼間は道路も駐車場も空いていて大変よろしい

  で、新しくできたのはその名も「ららぽーと3」。いままであったのが「ららぽーと1」と「ららぽーと2」だったのでひねりも何もないそのまんまのネーミングだが、それはともかくとしても確かに噂にたがわず巨大な建物である。かみさんは二週間ほど前のオープニングの時に来ているので中の様子をわかっているようだが、ううむ、これだけ広いと迷子になってしまいそうだ。探検がてらブラブラとウィンドウショッピングをしながら「ABCマート」で会社で履くサンダルを買ったり「KIHACHI」の特濃アイスを食べたりして、その後食料品を買いこんで帰宅。

  明日はちゃんと出勤するつもりである。さすがにバカボンパパ戦法も二度連続では使えまい。


05月07日(日)
  今日は確か昼の十二時に目覚ましをかけたつもりだったのだが、起きてみるとなぜか午後三時。無意識のうちに止めていたのだろうか。全然おぼえていない。多分死んだように眠っていたのだろう。

  かみさんは親戚の結婚式に出席するために早朝から舞浜の某ホテルに出かけている。かみさんのいとこにあたる新婦は看護婦さんなのだが、当然というかありがちというかやっぱりというか、お相手の新郎は某大学系列の病院に勤務している外科医師だそうだ。まあいわゆる職場結婚ってやつか。

  とりあえず腹が減ったので近所のマックへ。ううむ、いい加減チキンカツバーガーも食い飽きたが、しかしかといってダブルチーズバーガーにいたってはもっと食傷気味だし、起き抜けにビッグマックはつら過ぎる。
  そういえば我が家の最寄駅の真前ではこの秋竣工に向けて八階建てのマンションの建設が進んでいるのだけど、そこの一階部分には店舗が入る予定らしい。今のところ本屋やコンビニは間に合っているので、出来れば「フレッシュネスバーガー」か「モスバーガー」、もしくは「SUBWAY」あたりのファーストフード系飲食店が入ってくれると、こうして毎週末の食生活に多少の選択肢が生まれるのだがなあ。あとは「スターバックス」か、それが無理なら「ドトール」でもいい。でもなあ、そうやって期待していると、実際入るのは仏壇屋とかになるんだよな。

  その後はLinux関係の書籍を求めて秋葉原へ。アキバに到着して電気街口の改札を抜け、とりあえずどこから回ろうかと考えていると中央通りの方が何やら騒がしい。何事かと近づいてみると、今日はちょうど「神田御輿祭り」の日であった。歩行者天国となった中央通りをお囃子やらお御輿やらが練り歩いて大賑わいである。それにしてもこんなのがやっていると知っていたらデジカメを持ってきたのになあ。残念。

  ということで、今日の収穫

  いや、ビデオのリモコン壊れちゃったもんで。ちなみに値段は七百円。ちょい傷+手垢付きだけどちゃんと使えました。
05月06日(土)
  連日の休日出勤中、出社するのはだいたい通常の勤務と同じ午前十時か、どうしてもだるくて起きられないときは昼からというサイクルであった。しかし今日は俺以外の出社する人の都合上、どうしても俺が最初に会社の鍵を開けなければならなかったのだった。したがって久しぶりの朝九時出社である。といっても家から会社まで車で二十分ほどしかかからないから、八時半に家を出れば楽勝で間に合う。普通に都内あたりに通っている人に比べれば十分ゆっくりなのだが。それでやはり眠いのは眠い。

  今日はちょっと早めに仕事を終えて、伸びきった髪の毛を切りに家の近所の床屋へ行ってきた。カットを担当したあんちゃんはおそらくまだ二十台前半の若者なのだが、この店に来るまでの間何店かで修行を積んだそうで、なかなか腕が良い。
  ところでこのあんちゃん、まるで渋谷あたりを徘徊しているガングロ高校生のようにまっ黒に日焼けしているのである。いったいそれはどうしたんだと聞くと、なんでもサーフィンが趣味らしく、ここ何日か天気が良いものだから毎日海に行っているそうだ。でも連休中だって店は休みじゃないでしょというと、夜中に茨城の海岸まで車を飛ばして早朝にサーフィンを楽しみ、数本滑って(と言うのか)からすかさず取って返し仕事に入るのだという。そんな強行軍でほとんど寝る暇ないのによくまあ一日立ち仕事が出来るものだが、「ま、若いですからねえ」だって。嘘つけ。顔の産毛を剃るときに剃刀を持つ手が震えていたのを俺は見逃さなかったぞ。危ないから眠い時に刃物を持つのは止めなさい。

  明日はやっと休みだ。カレンダー上では連休最後の日というよりすでに単なる日曜日という位置付けではあるが、例え一日そうでも俺にとってはやっと訪れたゴールデンウィークなのである。まあ半日寝て過ごすことになりそうだけど。


05月05日(金)
  気がつくともう五月も五日である。今日は端午の節句。我が家の周囲はいわゆる都心郊外の住宅地というやつで、最近あちこちでマンション建設が進んではいるが、昔ながらの一軒家もかなり多い。そんな軒先から今日は多くの鯉のぼりが風を受けて空を泳いでいた。本日も雲一つない見事な快晴。今年のゴールデンウィークは天候に恵まれた。さぞかし絶好の行楽日和だったとこだろう。ふん。うらやましくなんかない。ないったらないっ。

  そういうわけで今日も今日とて休日出勤。これで連休中の出勤は数えて五日目か。というか二日しか休んでいないと言うべきか。しかしまあ連休中だっていうのに毎日毎日朝から晩まで、しかも日付が変わる深夜に至るまで、我ながらよく働くものだと思う。そういえば先ヶ月あたりからほとんど休みなしできたから、確かにそろそろ休みたいところではある。しかしそんなこといったって、俺を雇用している会社とは労働+成果の報償として対価を貰う契約になっている以上、終わるもんが終わらないとどうにもならないのだ。よくあるワーカホリックじゃないと思うんだけど。

  昨日の日記で書いたけど、抱えているタスクのうち最大の難関だった一件は、結局CPUのハードウェア的なバグ(らしい)ということで一応の落着となった。これでだいぶ肩の荷が降りたというかほっとしたというか、ともかく(精神的に)相当楽になったことは確かだ。だがやらねばならないことは山ほどある。トンネルの出口まで、まだまだ先は長い。

  あんまり良い天気だったので、仕事中にちょっと一息しておもてに出てみた。雲一つなく、突き抜けるような青い空。吸い込まれそうな、というのはこういうことだろうか。頭をからっぽにしてボケっと上を見上げながらタバコをふかしていると、なんとなくこのまま体が空に浮かんでしまいそうな、不思議な浮遊感覚がする。本当に吸いこまれたらどんなにいいだろう。

  ふとここで大事なことに気がついた。先週徹夜をしたときに使った寝袋を、ほっぽったまままだ干していなかったのだった。こんな良い天気の日に何故干さんのか俺は。慌てて自分のデスクに戻り、放っておいた寝袋を取って返し太陽に向けて全開に広げる。そういえばこのあいだ使ったとき、なんとなくちょっと湿っぽかったもんなあ。でもこれでバッチリ乾燥である。これでいつまた徹夜仕事があっても、ふっくらした寝袋で快適な睡眠環境が約束されたようなもんだ。これが俗に言う「小さな幸せ」ってやつですか。

  次回の徹夜がいまから楽しみである。わけがない。


05月04日(木)
  バスジャック事件なんとか解決。まあこういう事件は結果はどうあれいつかは解決するものだが、しかしどうしてもっと早く強硬手段に出なかったんだろうかと思う。報道によると犯人は十七歳の少年で、しかも精神病院から一時退院していた身であったというが、そうした「未成年」「心神喪失」というキーワードが躊躇させたのだろうか。
  それにしても老齢の女性の喉笛を切り刻んで殺したり、無抵抗な小さな女の子に刃物を突き立ててたてこもるなぞ、卑劣な犯行には反吐が出る。あの女の子は六歳だったそうだが、そうするとまゆちゃんと大して違わない歳の子だもんな。どれほどの恐怖だったことか。
  しかしまあよくも次から次へと頭の狂った奴が出てくるものである。これは気候のせいばかりではあるまい。

  今日も休日出勤。確か今日は「国民の祝日」なる日だったような気がするが、「国民の休日」じゃないところがミソかもしれない。はいはい、例え「休日」でも休みのわけないんですけどね。

  ここ一週間ほどどうしても正常に動かない回路システムに頭を悩まし続けていたのだが、今日になってようやく原因が判明した。そのシステムは文字や図などを感熱紙へ記録するレコーダブロックで、メインシステムからレコーダブロックへのデータの転送は、メインシステム内のCPUに内蔵されたDMAコントローラがメインメモリ上に展開されたデータをレコーダブロックの記録制御コントローラにDMA転送するという方式になっていて、ハードウェアとソフトウェアが密接に絡み合って諸々を制御し合うちょっと複雑なシステム構成になっている。ちなみにこのブロックのハードウェアは俺が設計を担当した。

  で、約一週間前に連日の残業・休日出勤の成果としてハードとソフトのプロトタイプがようやく完成し、実際にプログラムを走らせてみたのだ。だが、どうにも思惑通りのデータが記録されないのである。そんな。どうして。ああでもないこうでもないとあちこちをつつき回り、ハードのせいなんじゃないの、いや絶対ソフトがタコなんだ、などと原因を追求するもどうしてもわからず途方に暮れかけていたのだった。
  もしこれがハード、つまり俺の設計のせいだとすると大事である。仮に何か不具合があって設計変更するにしても、もうそんな時間的余裕はほとんどない。

  万策尽き果て、もう何も考えられなくなった今日、ダメ元でDMA転送の設定を変えて試してみた。するとこれがまたあっさりと正常に動いたのである。動きやがったのである。なんだよそれ。どういうことだ一体。

  結局原因はCPUに内蔵されているDMAコントローラにあった。メインメモリにはSDRAMを使っているのだが、当初はパフォーマンスを考えて16バイト毎のバースト転送(SDRAMは16バイト毎にデータを読み書きするのが最も効率が良い)でDMA転送を行っていた。設定を変えたのはこのSDRAMからデータを取ってくる時のデータサイズで、これを16バイトバーストからロングワード(32bit)にしてやると、きちんと正常にデータが転送される。ということは、DMAコントローラがSDRAMからバーストでデータを取ってくる部分になんらかの不具合があって、途中でデータが化けているとしか考えられない。

  つまりは本来転送されるべきデータが、発狂したDMAコントローラによってブチ壊されていたのである。そりゃあまともに動くわけがない。これらを制御するソフトウェアやデータを受け取る記録制御ブロック(つまり俺が設計した部分)は、メインメモリからDMAする時のデータサイズが16バイトバーストだろうがロングワードだろうが全然関係ないし、そもそもソフトウェアはきちんとメインメモリにデータを展開し、記録制御ブロックは転送されたデータを忠実に記録していた。最初からちゃんと動いていたのだ、我々が作った部分は。

  ということで、ここまで読んでなんのことやらさっぱり、という人は多いと思う。そういう人のために上記を平たく言うとこういうことだ。

  「CPUが腐っていた」

  ちきしょー。SH-3のばかやろー。日立のばかやろー。俺の一週間を返せー。連休が明けたら電話で死ぬほど文句言ってやるー。


05月03日(水)
  五月三日。世間はゴールデンウィーク真っ最中である。カレンダー通りの休日仕様でいくと今日から七日まで五連休。今日あたりはきっとこの連休を利用して故郷へ帰る人たちと、行楽へ出かける組がごちゃ混ぜになって、きっと今年も相も変わらない帰省ラッシュが発生しているんだろう。ご苦労なことである。何が悲しくて渋滞・大混雑の真っ只中に身を委ねる気になるのか。
  あ、いや、決してこれはゴールデンウィークが仕事でつぶれたからってイヤミを言っているのではない。純粋に同情しているのだ。渋滞、イライラするよね。大混雑、大変じゃあないですか。ちきしょー。ざまーみろ。

  ところで帰省ラッシュならまだいいが、これが奇声ラッシュだったどうかとふと思ったり。「ぐべー」とか「みひょーん」やら「ちゃんぽろすぽーん」なんて叫び声をあげつつ電車や車に乗りこみ故郷を目指す大集団。ちょっとガイキチの薫りがしないでもないが、それはそれで想像するとなかなか楽しい光景のような気がする。あんまり近づきたくないけど。まあ寄生ラッシュよりかはマシだろう。怖いぞ寄生ラッシュ。

  今日も朝から休日出勤。いい加減疲れもたまってきたが、まだまだやることは一杯ある。やはりこの調子で行くとどうやっても連休後半の五日間も休めそうにない。せっかくPCにLinuxをインストールしてから早いところいじり倒したいのに、まだネットへのPPP接続すらやる暇がなく、とりあえずスタンドアロン環境でポチポチ遊んでいるだけである。夜遅く帰ってきて夜中にゴソゴソやる気もしないしなあ。
  なんだかんだで今日も日付が変わるころに帰宅。こうなりゃ奇声ラッシュでもなんでもいいからどこかに行きたいものである。


05月02日(火)
  たった二日間だけの俺のゴールデンウィークはあっという間に終了し、今日からまた休日出勤。さすがに休日出勤で徹夜はないだろうが、しかし今日から少なくとも今週の土曜日までは休みなしである。

  ゴールデンウィークのような長期休暇中に出勤する場合、原則として一ヶ月以内に連続して代休を取らねばならないのだが、そもそもクソ忙しいからこそ休日出勤をするのであって、一ヶ月やそこらで休みを、しかも続けてなんか取れるわけはないのである。まあ今やっている仕事が一段落つけば多少は余裕ができるかもしれないが、それでもやっぱり休めないよなあ。こうなったら休みなんかいらないから金でくれ金で。

  今日は夕方からまゆちゃん一家が来訪するのである。まゆちゃん一家はゴールデンウィークを利用して房総半島半周旅行に行ってきたそうで、千葉に来たついでに我が家に一泊してみようということになったのだ。
  そういうわけでせっかくまゆちゃんが来るのだから適当に仕事をうっちゃって今日は早く帰ろうと思っていたのだが、なんだかんだで結局帰宅は二十三時前になってしまった。ああっ、もうまゆちゃん寝てるだろうなと急いで帰ると、旅行でテンションが上昇したのか元気いっぱいで活動中だった。なんでも昨日は鴨川シーワールド、今日はマザー牧場をまわってきたそうで、アシカや羊と写真を撮ってきたと嬉しそうに教えてくれた。そうかそうか。それは楽しそうだなあ。
  うう、俺も君と一緒に鴨シーに行って、ゆっくりとイルカショーでも見物したいよ、まゆちゃん。


05月01日(月)
  今日はメーデー、労働者の祭典の日である。メーデーの本来的な意味は労働者の権利やを主張する年に一度の特別な日であるはずだが、最近は労働者自体の考え方やライフスタイルが昔と比べて随分と変化したためか、何かを強烈に訴えるための集まりというよりほとんど形骸化・形式化したお祭りと化してしまったようだ。産業の構造も人の生き方もそして仕事のスタイルも、昔とはえらく様変わりしてしまった昨今、仕方がないことではあるのだろう。なんでもせっかくの連休真っ只中なのにメーデーなんぞに参加させられるのは真っ平御免こうむりたいという組合員からの強い要望があって、来年からは五月一日ではなく四月の最終週へ移動することになったらしい。まあそりゃそうだろうなあ。
  ところで俺を雇用する会社も一応メーカの端くれであり、いわゆる連合系と呼ばれる組合組織に加盟している。そのため今日は会社的にお休みの日なのだが、しかし仕事が非常に切迫した状況である私、連休中とはいえ本来なら休んでいる暇なんてあるわけがないのだ。だがやはりそこはメーデー。今日働くのはいくらなんでもまずいとのお達しが出、それじゃあまあ休みましょうかそうしましょうということで、ようやく完全オフの休みらしい休みとなったわけである。

  で、久々の休みである。カレンダー通りの勤務なかみさんはただの平日。久々の休みな上、一人で過ごすオフである。つかの間の休息ではあるが、ここは一発有意義に過ごそう、などと考えて、今日はちょっと早起きでもして床屋に行って伸びまくった髪をさっぱり切って、それから秋葉原にでも行こう、と目覚ましをセットしたのはいいが、案の定というか何というかやっぱり起きたら午後三時だったのだった。一日の予定が出だしから台無しである。

  仕方なく床屋は諦め、とりあえず秋葉原ヘ。今日の獲物は二点である。一つ目は前からちょっと気になっていたぷらっとホーム製のコンパクトキーボード「FKB8579」。今使っているテクノバード製の「ACK-230」というキーボードもフルキーの割りにはコンパクトでそれなりに気に入っていたのだが、いかんせんキーストロークがちょっと浅目なのが珠に瑕というか。それにこれまでかれこれ二年近く使っているため、いい加減キーもかなりヘタってきたということもあって、そろそろ買い換えようかと思ったわけだ。
  それともう一つは「Vine Linux」。ディストリビューションものもだいぶ出揃って、サーバ用途だけではなくクライアントマシンとしても十分に使えるような状況になってきているようで、俺のようなUnix素人もそろそろLinuxにいってみてもいいかな、と考えた次第。実はうちのマンションにもうすぐCATVネット接続環境が入ることになりそうで、そうなったらLinuxマシンで常時接続Webサーバでも立ち上げてみるか、などと遠謀な思惑も少しあったりして。ま、そうなる前に今のうちからUnixに馴れておこうかというわけだ。まあ実のところそんなのは大義名分であり、ただ単に試してみたいだけというのが本当のところではあるのだが。

  そんなわけでパパっと買い物を済ましたあと地下鉄で渋谷へ向かい、楽器屋を抜けた坂の上にある「アユンテラス」なるアジア系レストランで、かみさんとその友人と食事。起き抜けにアキバをさ迷って疲れた体に「バリハイ」が染み渡るようだ。

  帰宅後にさっそく「Vine Linux」のインストールを敢行である。インストール先はWindowsが入っているメインドライブではなく、一台余っていたハードディスクドライブにLinux専用パーティーションを切ってインストールしたので、FDISKでパーティーションを切り直したりなんだりなんて余計なことは一切やることもなく実に簡単だ。GUIベースのインストーラにお任せ状態でポンポンとエンターキーを叩いていくだけで、ほとんど迷うことなく無事インストール完了。LILOのインストールも上手くいって、WindowsとLinuxのデュアルブート環境も完璧だ。Xウィンドウもあっさりと立ちあがって、ログイン時にウィンドウシステムを選択するだけでGNOMEがいきなり使用可能状態である。いやあ、本当に簡単。

  まだまだ環境整備もへったくれもない状態だが、追々デスクトップ環境全てをLinuxに移行する計画である。とりあえずはその第一歩ってわけだ。新しいことを始めるときはいつでも楽しい。


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