みくだり日記    2000年06月前半
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06月15日(木)
  何日か降り続いた雨もようやく小休止である。何年か前はえらい空梅雨で時期が来ても全く雨が降らなかった時もあったように記憶しているが、今年はまあなんとも梅雨らしい梅雨である。連日雨ばかりで鬱陶しいこと甚だだけど、こうまではっきり「梅雨」を主張してくれると、これもある意味小気味良いような気がするから不思議だ。そんな梅雨の晴れ間の一日。

  最近テレビを見ていると、検索エンジン「 goo 」の CM を見かけることが多い。「アノマロカリス」なるみょうちくりんな姿をした古代の海洋生物を検索して見せたりしているあれだ。確かちょっと前に「 Lycos 」でも浜崎あゆみを起用して恐竜(トリケラトプスだったか)を検索する CM を流していたような気がするんだけど、これってパクリじゃないんだろうか。まあ検索エンジンたるもの、こういう一見わけのわからんものをささっと検索して、いかに簡単に、かつ多くの情報を得るかが勝負であって、その「売り」を端的に示す CM 手法が似てしまうのは仕方がないのかもしれないが、やはりそれでも二番煎じの感は拭えない。しかしまあ大手ニ社が同等の手法を取ったおかげで検索エンジン業界ではこの「古代生物を検索してみる」ってのがトレンドになって、そのうち「 Fresh Eye 」や「 Infoseek 」もフタバスズキリュウとかマメンチサウルスなんかを検索する CM を作ったりして。マニアック過ぎるか。

  それはともかく「アノマロカリス」である。さっそく「 goo 」で検索してみる。すると案の定というか何というか、CM 紹介へのリンクが検索ヒットページの冒頭にしっかり張られているのである。ううむ、これもまた「Lycos」とおんなじだよなあ、などと考えながらすかさずリンクをクリックしてみると、CG による「動くアノマロカリス」が RealPlayer で見られるページへと飛ぶのだった。

  おおっ、これが例のそれか。なかなかエグイ形である。別枠の解説ページもついでに読んでみると、『体長は 60cm から 1m にも及び、頭部には巨大なニ本の触手がついており、自在に折り曲げることが可能でここで獲物を捕らえていた。口はその頭部の下面についていてカメラの絞りのような奇妙な形成をし、まわりは鋭いトゲで囲まれている。胴体の側面には十四対のひれを持ち、これを波打たせるように動かして泳いでいた。尻尾には上向きについたひれを持ち、更に胴体の下側には小さな足が並んでいて、歩くことも出来たのではないかとされている』とのこと。まったくもって不思議な生き物であったのだなあ。

  このページには「アノマロカリス」の他、水木しげるの妖怪ものや「カバティ」なるインドの妖しげな格闘スポーツの解説などがあって、思わず読み耽ってしまった私だった。完全に「goo」の思うつぼってわけである。ううむ、CM の威力もなかなかあなどれないものがあるよなあ。って、こんなの俺だけ?


06月14日(水)
  今日のプロ野球、読売−横浜戦は「球音を楽しむ日」でございました。『トランペットや太鼓による応援を自粛し、ボールがミットに収まる音、バットがボールに当たる打球音など野球本来の迫力を肌で感じてほしい』という趣旨のもと、私設応援団による強制的でやかましい応援スタイルから、アメリカのメジャーリーグのいわゆる「メジャースタイル」と呼ばれる、静かなときはできるだけ静かに、盛りあがるときはやおら盛りあがるという自然かつ自由なスタイルで野球を楽しんでいただこうということであります。

  ですがもちろんそれは表向き。本来の目的としては勿論、本試合の主催でありまた横浜大洋銀行の最大顧客であらせられます読売ジャイアンツ球団様の重量ミレニアム打線が、単なるバッティングピッチャーと化した横浜ヘロヘロ投手陣から外野観客席に突き刺さる弾丸ライナーホームランを打ったときに発するジャストミート音や、読売様御自慢の素晴らしい投手が繰り出す豪速球を横浜の打者達が手も足も出ず空振りするときのミット音などを、東京ドームにいらした観客様はもちろんのこと、日本テレビ放送網というインフラを縦横に駆使し、日本全国約一億人の読売ファンの皆様にもテレビの前のお茶の間で骨の髄まで楽しんでいただく、ということであります。
  いやしかしまったく、そういうゲームの相手に横浜を選択するあたりはさすが球界の盟主様。過去の実績を鑑み、こいつら相手なら絶対に大丈夫というナイスで抜け目ない計算には感服させられる思いでございます。

  ということで鳴りもの応援なしで静かにスタートした本日のゲームでありますが、横浜先発の小宮山は「球音を楽しむ日」の趣旨を完全に徹底し初回から絶好調。読売ミレニアム打線各打者様の最も打ちやすいところに正確にボールを投げる様子は、「精密機械」の異名が伊達ではないと思わせる投球ぶりでございました。ヒット、ツーベース、ホームランと次々と連発する小気味良い打球音に、東京ドームの観客の方々はもちろんテレビの前に陣取る読売ファンの皆様も大満足のことでしょう。
  バッティングピッチャーという大役を果たした小宮山の後に登場したのは、小桧山、河原というこれまたニ線級敗戦処理投手陣。彼らも打ちごろの球を次々と投げ込み、読売重量打線様は容赦なく凄まじい当たりのヒットと打球音を連発。もちろん次々と快音を飛ばす読売打線様の御力は素晴らしいことはともかくとして、「球音を楽しむ」という意味を理解し実行した横浜投手陣の、正に期待通りの素晴らしい仕事ぶりを称えるべきでありましょう。

  対して読売様先発の鄭相手に横浜打線はこちらも期待通り三振と凡打の山、山、山。普段聞くことのできないようなボールがミットに収まるビシッと乾いた捕球音や、果ては横浜打者が無様にベースまで走りこむ走塁音など「これぞ野球」という迫力の効果音を、この日のために球場内に設置した特設マイクにて楽しむことができたのであります。

  そしてもちろん試合の結果は読売様が横浜を完膚なきまでに叩き潰し、十一対零の完全勝利。「球音」を楽しみ、かつゲームの結果でも楽しむという読売球団様の目論みは完璧に当たり、実に素晴らしい「野球を楽しむ日」となったのでありました。

  あーちきしょー。


06月13日(火)
  雨の日はなぜか無性に眠い。眠いのはいつものことだが。

  仕事を終え、今日こそはちゃっちゃと早く寝ようと考えながら夜半近くに帰宅。すると、かみさんが先日購入したペルソナの前で渋い顔をして唸っている。メモリ内のデータが全てぶっ飛んでしまったという。

  またきっと何か変な操作でもしたのだろうと聞いてみると、別段何もしていない、電源を入れてなぜか全部消えて無くなっていた、とのこと。ううむ、御立腹である。とりあえずペルソナを手に取り調べてみると確かにデータが消えてしまっている。ここのところほとんどAC電源ではなくバッテリでばかり使っていて、そのためバッテリの残容量はほとんどない状態のようだが、しかしそれでもメモリのデータをバックアップできる程度のエネルギーは残っているはずだ。ううむ、一体どうしてなんだろうか。ハードの不良か、もしくはソフトウェア的なバグなのか。
  まあ原因はともかくとしても、なにせデータが消えてしまったことには変わりはないのである。せっかく入力した各種データや、メールファイルなども全てパー。苦労して設定した携帯電話用のダイヤルアップ接続設定も見事に霧散だ。完全に工場出荷状態に戻ってしまっている。

  落胆するかみさんを横目に、とりあえず何か落ちてないかとデスクトップマシンの中を調べてみると、幸いなことについ最近シンクロしたデータが残っていたのである。おおっ、これぞ天の助け。これさえあればマシンを復活できるぞ。

  いやあ良かった良かった。素晴らしいじゃあないですか。備えあれば憂い無しってね。じゃ、ま、作業はまた明日にしてさ。俺眠いからちょっと替わってもらって日記を書いてさ。え?今やるの?邪魔?いいからどけ?だから俺眠いって、あ、いやちょっとあの、ぐわっ。

  で、結局バックアップしてあったデータを使って、無事ペルソナを復活させることに成功したかみさんなのだった。めでたしめでたし。

  有事の際のハマダ家内の力関係を垣間見た気がする、そんな出来事である。


06月12日(月)
  朝。

  頭。痛。体。怠。酒。残。肝。死。目。不。醒。腰。痛。腹。鈍。肩。重。足。腫。手。赤。散。々。
  外。雨。風。強。湿。高。髪。爆。憂。狂。鬱。叫。憂。凶。鬱。怒。
  出。社。休。考。憶。仕。大。忙。否。体。休。否。責。重。

  観。念。出。社。家。出。歩。車。怠。体。頭。空。注。散。起。悲。劇。
  階。段。登。水。足。滑。脛。激。打。膝。強。撲。叫。大。涙。流。頬。濡。呪。己。

  嗚。呼。葡。萄。酒。毛。懲。懲。


06月11日(日)
  昨日はCATV導入の会合に出た後は、午後からいつものように休日出勤である。こういうときぐらいは休んでもよさそうなもんだが、なかなかそうも言ってられない拠ん所ない事情があるのだ。

  例のカスタムチップの設計はいよいよ佳境である。なにやらずっと佳境のような気もするが、本当に佳境 なんだからしょうがない。昨日だって本当は徹夜覚悟だったのだが、なんとか切り抜けたぐらいなのだ。
  俺はなんとか切り抜けられたのだが、哀れ切り抜けられなかった先輩T氏は一人で徹夜する羽目になったのだった。死にそうな顔である。そういえばT氏は週明けの月曜日に引越しだと言っていたような気がするが、直前の週末にこんなことをやっていて大丈夫なんだろうか。残念ながら俺には何もしてあげられることはないが、せめて頑張れ頑張れと念でも送ってやろう。一心不乱にPCのモニタと対峙するT氏。心なしかますます顔がやつれたような気がする。

  今日は久しぶりに車で買い物に出たあと、買ってきたワインを飲んでいたらまたもや酩酊。確かつい先週も一瓶空けてつぶれたばかりだというのに、ちっとも懲りていないというか全く学習していないというか。しかも今日は日曜日の夜だってのに。明日会社だよ。


06月10日(土)
  俺が住む地域周辺にもずいぶん前にサービスエリアが拡充して以来、今か今かと待ち焦がれていたCATVサービスが、ついに我が家にもやって来ることになりそうなのである。ケーブルテレビ配信はもちろんのこと、ISDNの数倍の高速で、しかも二十四時間常時接続のネット接続環境が、いよいよ手に入ることになるのである。

  集合住宅、特に古い造りの建物の場合、テレビ回線の仕様など諸々の都合上サービスが受けられないことがあるらしいのだが、CATV会社が事前に調査を行った結果、築三年のうちのマンションは幸いにもそうした技術的な問題はなく、共用部分のテレビ配信システムに簡単な工事を行うだけで導入できるらしい。しかも素晴らしいことに現在キャンペーン期間中だとかで、この共有部分の工事はタダでやってくれるとのこと。もちろん各戸毎の工事は有料としても、金絡みのいろいろ七面倒くさい問題が発生しそうな共有部分がタダってのは大変ありがたい。

  なんでもこの共有部分の工事は百万円単位の金がかかるらしいが、まあこれをタダにしたとしても集合住宅なら一挙に数十戸の契約が見込まれるだろうから、長期的に見れば十分ペイできる算段なんだろう。なんにせよタダほどありがたいものはない。こうなれば導入しない手はない。

  ということで今日はCATVサービス導入に関してマンションの管理組合臨時総会が開かれたので出席してみたのである。会議開催は朝の十時から。休日の俺の生活サイクルとしてはとてつもなく早朝にあたる時間だが、CATV会社の人間が出席して細かい説明が行われた後、導入に関する決議を取るとのことなので、これは出席しないわけにはいかない。おそらく問題なく導入に賛成多数となるだろうが、一応賛成票を一票でも多くせねばならん。そのためには早起きだってちっとも苦にならないのだ。眠いけど。

  十時ちょっと前にマンションの一階にある共有ルーム(約二十畳)に行くと、すでに出席者が二十人ほど。もっと少ないかと思っていたが、やはり関心は高いようだ。約八十世帯あるうち三分の一が出席とのことだ。まずまずの出席率だろう。CATV会社の営業マンによる諸々のサービスの説明の後、質疑応答へ。早速手を挙げて、気になっていた複数マシンによるネット接続の是非について聞いてみた。

  普通のダイヤルアップ接続では、例えばWindows98や2000の「接続の共有」機能を使って、プロバイダからDHCPによって与えられた一つのIPアドレスをローカルなLAN環境に接続されている複数マシンで共有することにより同時にネットに接続できるのだが、一般的なCATVのネット接続サービスの場合はあくまでも接続許可されるマシンは基本的に一台のみ。ローカルなLAN内から同時に複数台のマシンがネットに接続することは出来ないのである。せっかく我が家も家庭内LANを引いて俺とかみさんが同時にネットに接続できる環境を整えたのに、これが出来ないとなると大変困る。またもやLANを引く前のようにネット接続権をかけての争奪戦が勃発してしまう。家庭内LANで家庭内乱ってわけである。ベタベタである。

  しかし技術的にはまだ方法がある。IPルータもしくはUNIXマシンのIPマスカレードという機能を使えば、「仮装的」に(だから『マスカレード』だ)IPアドレスを使い回すことによりWindowsの「接続の共有」と同様、複数マシンからネットに繋げることが出来るのだ。ところがCATV会社によってはこのIPマスカレードを許可していないところもあるらしく、これが大変気になっていたところなのだった。で、結果的にはOKとのこと。基本的にはUNIXマシンはサポート外だが、実際にIPマスカレードを使っている事例も既にあるそうで、きちんと設定してくれさえすればCATV会社としては特に問題ない、ということだ。一応は一安心である。

  その後いくつか質問が出た後、いよいよ決議だ。結果は満場一致の全員賛成。もしや反対派もいるかもと危惧していたが、完全に杞憂に終わったようだ。これで正式にめでたく導入決定である。共有部分の工事はさっそく六月の中旬頃から開始して、それが終了後に各戸の工事に入るとのこと。順調に進めば七月のはじめからサービスが受けられそうである。これでこのトロくさいダイヤルアップ接続からおさらばできるのだ。

  ということで、来月からは我が家もついにCATVユーザである。もちろんCATVの本流である各種TV配信も楽しみ(個人的にはUHFのテレビ神奈川が見られるようになるのが大変嬉しい)なのだが、やはり何と言っても高速ネット接続だ。懸念していたIPマスカレードも無事使えるようだし、なにせISDNの約八倍にあたる最大512kbpsの接続スピード、さらに二十四時間常時接続おっけーの、現在日本で最も優れたネット接続環境が月額六千円で手に入るのである。ISDNの常時IP接続?けっ、てな感じである。ざまーみろって感じである。生きていればたまには良いこともあるものだ。

  とにかくCATVネット接続だ。高速接続環境を最大に生かして、これでえっちなストリーミングビデオも見放題。実に実に楽しみである、って、いやその、あの。


06月09日(金)
  嵐の朝。

  まるで台風のような猛烈な強風が吹き荒れている。びゅうびゅうと唸り声を上げて向かってくる風に逆らって、吹き飛ばされそうになりながら駐車場まで歩く。湿気をたっぷりと帯びた空気の壁はとてつもなく重く、時折吹きつける突風に体のバランスが崩れて足が取られそうになる。頼むから俺を前に進めさせてくれ。激流を遡上する鮭も、きっとこんな気持ちで上流を目指しているに違いない。
  予報では昼過ぎまでに結構な降雨量があるらしいが、今のところまだ雨は降っていない。しかし黒雲が低く垂れこめた空には、灰色のちぎれ雲が狂ったようなスピードで北へ向けて飛んでいく。この風が南の海から雨を運んでくるのだろうか。

  それにしても物すごい風だ。立てかけて止めてあった自転車は軒並みなぎ倒され、風に対し斜め四十五度に傾斜した木々から撒き散らされる木の葉。どこからか飛んできたゴミが、風に飛ばされて道路の上を猛スピードで駆け抜けていく。地上にある全ての物体を、無秩序に吹き飛ばさずにはおれない風の意思。正に嵐である。

  いやしかし、こういう光景を眺めていると、頭の中で PINK FLOYD の「吹けよ風呼べよ嵐」が鳴り響き、そして観客を蹴散らしながらリングに向かってノシノシと不敵に歩いていくアブドゥラ・ザ・ブッチャーの姿が思い浮かんでやまないのである。ブッチャーってあんた、古っ。

  ブッチャーってまだプロレスやってるんでしょうか。その前に生きてるのかどうか。誰か教えて。


06月08日(木)
  PsionというPDAマシンをご存知だろうか。英国生まれのこの魅力的なディジタル・ガジェットは、Symbian社の先進的なOSであるEPOC OSを搭載し、ハンドヘルド・コンピュータとしての素晴らしい基本機能、そしてそのあまりに美しくスタイリッシュなデザインも持ってして、本国のみならず世界的にも高く評価されている。
  しかしここ日本では特に肝心のアプリケーションレベルでの日本語ローカライズが完全ではないといった理由から、残念ながら未だマイナーな存在でしかない。だがPsionに魅せられた熱心なユーザ達の手により、Web上のBBSやメーリングリストなどで活発な情報交換がなされ、さらに優秀なハッカーの手によって多くの優れた日本語フリーウェアが生み出されていて、その様子はなんとなく数年前のPalmマシン黎明期を思わせるような、言わば「Psionコミュニティ」とでもいうべき熱い盛り上がりが立ちあがりつつあるのだ。

  が、そんな盛り上がりに水を差すような、唾棄すべき事件が起こってしまった。あるフリーウェアのソースコードがとある企業に無断で盗用され、しかもあろうことかそれを自社開発と偽って売り出しているのである。

  諸般の都合上、俺は残念ながらまだPsionマシンを所有するには至っておらず、ましてや当該ソフトのユーザでもなんでもない。しかしこうしたPsionユーザ達の熱い思いや健全なソフトウェアの発展を土足で踏みにじる卑劣な行為に対し、声を大にして抗議の意を表明したいのである。もっとも俺如きが叫んだところで大した声量にはならないかもしれないが、せめて自分のWebサイトにリンクバナーを張らせていただくことで微力ながらも力添えできたら、と思うのだ。下にバナーを張っておくので、興味がある人は是非ともクリックして事の詳細を読んでいただきたい。   

  本当は香港でPsion 5mxを買うつもりだったんですけどね。売ってるところを見つけられなかったんだよなあ。


06月07日(水)
  うまくすると来週あたりにゴールデンウィークに出勤した分の振り替え休日をまとめて取れるのではないかと勝手に期待し、せっかくの休みに無駄に寝て暮らすのもなんだし、どうせなら一泊二日ぐらいで東北の温泉にでも行ってみようかとふと思い立ち、ああっ温泉温泉、温泉最高、温泉万歳!なんて淡い想いを密かに募らせ、ガイドブックや Web で「秘湯」をキーワードにいろいろ調べていたりしていたのだが、結局のところ諸々のスケジュールの都合上、休みどころかまたもや猛烈な忙しさの日々が眼前に迫っていることが今日判明した。つまりは休みなし。計画頓挫。温泉よさようなら。がちょーん。
  「『最悪の場合』は必ず起こる」というマーフィーの法則を噛み締める思いである。

  しかもだ。スケジュールをざっと眺めてみると、これから八月の夏休みまでの間おそらくロクに休めないであろうという事実も発覚。と言うより夏休みさえも取れるかどうか微妙なような気がする。

  ううっ。いつか死ぬるで、俺。


06月06日(火)
  昨晩は普段よりも少し早く(ほんとに少しだが)家に帰り、そして少しだけ(くどいようだが本当に少しだ)いつもよりも長く睡眠を取ったおかげか、昨日までの駄目人間モードから少しだけ(何度も何度もこうして書くのも心苦しいが本当に、本当に少しなのだけど)脱却(しかしカッコ書きが多くて鬱陶しいですね自分でも思いますわ)し(だから鬱陶しいって言っとろうがってそういう確信犯的な物言いことはおよしなさいおいこらこれのどこが確信犯なのだきちんと状況を説明してるだけではないか説明ってこんなのに説明が必要とは思えないのだがどうなんだそのへんああもういちいちなんでも自分が正しいという貴様のそういう杓子定規な態度が俺は以前から嫌いなのだおおそうか嫌いで結構馬鹿者に何を言っても無駄無駄無駄ぁきいいっ言ったな言ったな馬鹿と言ったな貴様言うに事欠いて馬鹿といったなおおそうじゃ馬鹿に馬鹿と言って何が悪いのかおいおいもうその辺で止めにしなさいいい加減読んでる人だってわけがわからんぞこれじゃおおっ新しい人格の出現か一体俺の中には何人の人格が隠れているのか)た。

  ただいま精神が分裂しております。

  そんなこんなで会社まで出勤した今朝、ちょいと寄り道とふらりコンビニに入ると、何故かレジ脇にペプシが大量に積まれているのである。おおペプシコーラ。何かのキャンペーンだろうか。またスターウォーズ関連か。それは去年だって。で、値段?三十円。っておい、何があったんだペプシ。大丈夫なのかペプシ。怪しい。怪しすぎる。まさかあんた、ペプシじゃなくてベブシなのか。よもやペプツ。もしくはペップシ。小さい「ッ」がポイント。フォントサイズ指定すると プシ 。見えねえよ。虫眼鏡持って来い。

  話のネタに買ってみようかと思ったが、あまりに怪しいので結局買わなかった。って、書いてるじゃん。ネタにしてるじゃん。ペップシ。


06月05日(月)
  「マンデー・ブルー」という言葉があるが、今日は正にその通りの一日である。お腹の調子が悪いというのもあるけど、どうにも気合が入らない。腹を壊すとなんとなく性格が弱気になるような気がする。ううむ、やはり人間、基本は腹である。

  なんて思いながらフラフラとネットをさ迷い、人様のWeb日記をあれこれ読んでみると、今日は俺と同じように「ブルー」な人が多い事に気付く。暑くもなく寒くもなく、梅雨前で湿気もそれほどない、一見過ごしやすい程よい気候が、逆にその中途半端な刺激のなさが人間から緊張感を削ぐのだろうか。あるいは怠け者たちのシンクロニシティか。ただ単に世の中駄目人間ばっかりってことなのかもしれないが。

  晩飯を会社で食べ、いつもなら一日で一番生産性の上がる残業時間になっても一向にテンションが上がる気配はなし。こういう時は何をやっても無駄である。大人しく家に帰るのが一番だ。ということで、久しぶりにちょっと早めに帰宅。まあ早いといってもじゅうぶん遅い。日付が変わらないうちに家に着いただけ、いつもと比べるとマシという程度だが。

  そんなわけでフォントが青いのは設定間違えたりHTMLのタグを閉じ忘れたわけじゃあリません今日の私はブルーなんですそれをこうして文字面で表現してみたんですがああっやっぱり見にくいですかそうですかそれはえらいすいません生まれてすみませんということが唯一言いたかった今日の日記は、こうして青いまま唐突に終わるのだった。ナマステ。


06月04日(日)
  久々にCDを購入。

  「10」 ENUFF ZNUFF
  シカゴ出身、すでに十年選手のベテラン・ハードポップバンドの十枚目のアルバム。「胸にキュンとくる切ないメロディと、四人のキャラクタが織り成す『究極のポップ・ロック』!」という帯びタタキの文句が正に言い得て妙な、時として Beatles や Cheap Trick を彷彿とさせる良質のポップサウンドが満載。いいよなあ。たまにこういうのを聞くと心が洗われるようだ。殺伐とした生活に、一服の清涼剤。

  「FOUR」 FAIR WARNING
  ドイツ産美旋律ハードロックバンドの四枚目。前作までの様式をあくまで踏襲しつつ、さらに美旋律に磨きがかかった HR ナンバーの数々は、ある意味ワンパターンでありながら、しかもそれが予定調和だと判っちゃいるんだけど、やっぱり良いメロディ、良い演奏、良い楽曲には文句のつけようがない。特にいちだんと表現力を増したヘルゲ・エンゲルケの「スカイギター」の旋律は、激しく涙腺を刺激する。ええ、泣くんですよ、こんな私でも。これもいわゆる「癒し系」ってやつですか。

  「CRUSH」 BON JOVI
  一時は世界を手中にしたニュージャージー出身のハードロックバンドの、五年ぶりの新作。雑誌のインタビューなどで本人たちが「"Slippery When Wet" や "New Jersey" に近い」とのたまっていたのでそれなりに期待したが、なんとなくミディアムテンポ主体でアダルトな大陸系ロックのチューンが大半を占める。確かにマイキー主体の昔っぽい哀愁ハード調チューンはあるにはあるものの、昔ほどの元気はない。まあみんな歳をとったということか。とまあそれはそれとして、ティコ・トーレスの「大地のような」ドラミングは相変わらず素晴らしい。正に動かざること山の如し。いや、ちゃんと叩いてますけど。

  「REINVETING THE STEEL」 PANTERA
  テキサス出身激烈轟音バンドの四年ぶりの強力なスタジオ録音アルバム。カミソリの如き切れ味鋭いリフと、ソリッドで硬質な重金属音の塊に、首を振らずにはいられない。ああ気分爽快生きてて良かった。これがメタル。これこそがメタル。グランジ? オルタナ? ハードコア? 流行なんてクソくらえ。Metal up your fxxkin' ass!! って、なんだか知らんけどビルボード初登場四位だそうですぜ。

  音楽ってほんとにいいもんですね。


06月03日(土)
  某半導体系商社のデザインルームに篭ってデバッグしたおかげもあって、カスタムチップのバグもほぼ取り切れ、今週末は久しぶりに土日連続して休めるかと思っていたのだが、昨日の夜になってまたもや回路に問題が発覚してしまった。まあ問題といっても仮想的なシミュレーション環境でのみ現われるもので、実使用上はおそらく問題とはならないはずなのだが、やはりバグはバグ。残しておくのも気持ちが悪い。ということで、その修正と検証のため今日も休日出勤である。

  朝から黙々とHDLコードを書き、シミュレーションパターンも新たに作り直して、午後遅くようやく検証も終了。やれやれ、なんとかこれで一段落である。某半導体系商社へのデータ渡しは週明けにすることにして、今日はそろそろ帰ろうかという夕方、突然地震に襲われたのだった。
 普通地震というとまず弱い縦揺れから始まってしだいに横揺れが強くなるというのが一般的なパターンだが、今回のはいきなり強い縦揺れ。下から突き上げるように、という表現が正にその通りの揺れ方だ。直感的に震源は近いなと思った。などと考えるまでもなくますます揺れがひどくなる。デスクの上に載せてあるモニタが激しく揺さぶられ、今にも落っこちそうだ。フロアの向こう側にある作業エリアでは、何かが床に落ちた盛大な音が響いてきた。おおっ、そうだ。データ。この揺れならもしかすると停電になるやもしれん。停電でいきなりPCが落ちた日には、せっかく一日かけて作った回路データがすべておじゃんである。こうしちゃいられんセーブだセーブ、と一向に収まらない強い揺れの中、必死にマウスを操作してファイルをディスクにセーブした。

  やがて揺れが収まった。すかさずネットで地震情報を検索してみると、震源地は千葉県北東部、震源の深さは五十キロ。千葉県北東部で震度五弱、会社のある千葉県北西部は震度四とのことだった。とりあえず津波の心配はないらしいが、この地震の影響で総武線の一部がストップしているとのこと。ううっ、久しぶりにでかい地震だった。とりあえず落ち着いてフロアの中を見まわってみると、本棚から本が落ちて散乱していたり作業エリアでは電子回路測定機材がひっくり返ったりしている。あーあ、せっかく今日は早く帰ろうと思っていたのに。やっぱりこのままにはしておけないよな。

  片付けを終えて帰宅後、ようやく明日は休みである、という開放感からか、調子に乗ってがぶ飲みしたワインが肝臓直撃で撃沈。ワインには弱いって、何度飲んだらわかるというのだ私は。


06月02日(金)
  今日は普通に会社に出勤。のつもりが、前日の都内外出が効いたのか寝過ごしてしまい、大慌てで支度して家を出る。家から会社まで普通に車で走ると約二十分。ほとんど渋滞することはないので、信号待ちに引っかかることがなければ誤差はプラスマイナス三分といったところか。

  時計を見やる。現在時刻は九時四十五分。きわどいところだ。状況は大変シビアである。しかしここで諦めるわけにはいかない。有休を、俺の大事な有給休暇を、寝坊ごときのつまらん理由で消費してしまうわけにはいかんのだ。ネバーサレンダー。

  駐車場まで猛ダッシュして車に飛び乗り、イグニッションオン。一瞬のセルモータ音に続いて、眠りから覚めたエンジンが雄叫びを上げる。続いてダッシュボード下部のスイッチに手をやって、電子制御式トラクションコントロールシステムの駆動モードをオート4WDモードにセット。路面状況とタイヤの回転状態とを瞬時に判断し、前後輪のトラクションを0:100から50:50まで的確に配分してくれるこのシステムは、特に高速コーナーリング時の車体安定性とトラクション維持に強力な味方となってくれる。これから始まる厳しい戦いへ向けて、なくてはならないテクノロジの鎧である。相棒に完全武装を施したあとは自身のセーフティチェックだ。ドライビングポジションを確認しシートベルトを手早く締める。これでオールグリーン。準備完了だ。おっと、神への祈りも忘れちゃならない。天にまします我らが神よアッラーの名において南無阿弥陀仏南無妙法蓮華経それが定説最高ですかー。混ざっとるぞ。

  すかさずシフトレバーをDポジションに叩き込み、アクセルを一気に床いっぱいまで踏みつけると、タコメータの針先は瞬時にレッドゾーンまで吹き飛んでいく。排気量三千十五cc、百五十五馬力電子制御DOHCディーゼルターボエンジンが、まるで手負いの獣のそれに似た咆吼を上げる。激しく空転した四つのタイヤは甲高い悲鳴を一瞬だけ発したあと、トラクションコントロールの電子脳の指示によって大地との接触を瞬時に回復し、エンジンパワーを余すところなく地表に伝えはじめる。ゴムの焼ける臭い。舞い上がる白煙。総重量二トンの黒い車体は、弾丸と化して街を駆け抜けていく。どけどけ、どきやがれ。死にたくなかったら道をあけろ。何人たりとも俺の行く手を遮ることは出来ないのだ。



  で、結果っすか?やっぱさあ、普段二十分かかるところを十五分で行くなんて、そんなのどだい無理に決まってんじゃないっすか。だいたいもう途中で諦めちゃってコンビニでマンガ立ち読みしたりして。いやほら、マガジンって俺、いつも立ち読みすることにしてるから。ちょうど今週号は読んでなかったんで。いやあ「はじめの一歩」が熱いんだ、今。ええ、もちろん遅刻っすよ遅刻。え?有休?ああ、もちろん有休扱いにしましたよ。だって遅刻にするとボーナス満額もらえないし。そりゃまあ半日分とは言え寝坊ぐらいで使っちゃうのはもったいないような気はするけどさ。せっかく貰ってるありがたい制度なんだからさ、使わなきゃ損でしょ。いいじゃん別に。遅刻上等、有休上等、寝坊上等っすよ。はっはっは。

  ああ駄目人間。


06月01日(木)
  ほぼ一週間ぶりに今日は某半導体系商社に外出である。前日の天気予報だと朝から雨ということだったが、なんとか降らずにもっているようだ。しかしベランダから上を見上げると、空を覆う雲は不気味に厚く、そしてドス黒い。今はとりあえず降ってはいないが、この空模様でいくと午後あたりからドザっと降ってきそうな雰囲気である。

  テレビの天気予報を見ると、やはり午後からにわか雨とのことだ。ううむ、これはやはり傘を持っていくべきだろうか。しかしただでさえ書類やらノートPCやらが入った重い鞄を持って電車に乗るのである。出来ることなら手荷物は少なくしたいのだ。ううむ、やめやめ。降ったら降ったでその時考えよう。
  ということで、一抹の不安をおぼえつつ傘なしで都内ヘ。もし朝から雨だったら香港で買った「二千年記念銀傘(龍の模様入り)」を持って行こうと思っていたのだけど。そういえばあの傘、せっかく買ったはいいが結局香港でも使わなかったし、もちろん日本に帰ってきてからもまだ一度も開いてもいない。もうすぐ梅雨入りだから、その時デビューかな。

  カスタムチップの設計はいよいよ大詰めである。先週あたりで大きなバグはほぼ取りきれていたものの、細かい虫がいくつか残っていたのだが、今日丸一日狭いデザインルームに缶詰状態でひたすら回路シミュレーション結果とにらめっこした結果、仕様に問題があったもの、回路設計に起因するもの、動作検証用のテストベクタがまずかったもの、などなどいろいろあったが、それらの原因もあらかた見えてきた。

  回路の不具合を発見するデバッグ作業は、推理小説の謎解きに似ている。犯罪者が残したわずかな証拠品、いくつかの複線。足跡。遺留品。それら犯行の痕跡を、回路シミュレーションという七つ道具を使って丹念に調べあげていく。間抜けなコソ泥レベルならべっとりと証拠を残していくから簡単にお縄をあげることが出来るが、犯罪の痕跡を巧妙に隠し、完全犯罪を目論む猛者相手だと一筋縄ではいかない。しかしここでくじけてはバグハンターの名折れだ。ホシが残したほんの少しの手がかりを元に、犯行の手順を論理的に推測、検証していく。負けるわけにはいかないのだ。じっちゃんの名にかけて。誰だよ、じっちゃんって。

  裏を取り、犯罪の全てを解明したあとで、俺は一堂を大広間に集めてこう言うのである。
  「犯人は貴様だ、ORゲート。シーケンサ回路を鋭いグリッジの刃で刺し殺したことは、すでに証拠が挙がっている。貴様が出力したグリッジのおかげで後続のシーケンサが誤動作を起こし、回路全体に破壊的なダメージを与えることになったのだ。Dタイプフリップフロップに罪をなすり付けようとしてもそうはいかない。深いロジックツリーの奥に逃げ込んでも、俺の目はごまかせないのだ。新妙にお縄を頂戴しろ」

  かくして事件は無事解決の大団円。まあ回路を設計したのは俺だから、探偵も犯人も役どころは全部自分なのだが。

  仕事を終えて外に出ると、ザンザン降りの雨。そういえばフィリップ・マーロウもよく雨にたたられていたよなあ。夜の雨に打たれるのも、探偵の宿命ではあるが。

  ううっ、でもやはり傘を持ってくるべきだったか。


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