みくだり日記    2000年10月前半
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10月15日(日)
  あまりに怠惰に過ごしすぎる週末の生活に見切りをつけるべく、今日こそは早く起きようと午前十時に目覚ましをセット。しかし起きたら午後の二時。やはり俺には無理なのだろうか憧れの早寝早起き生活。まあ人間、自然に生きるのが一番である。

  それにしてもこの週末はよく寝たものである。勘定してみると二日合計で結局二十四時間以上も睡眠を取ってしまった。一日の半分以上を睡眠に当てていたとなると、なんだか激しく時間を無駄にしているような気がするが、まあつい先日は三日間で七時間弱しか寝なかったことを考えると、これで両方でバランスが取れたのかもしれない。「運」と同じく睡眠時間も、人間の一生の中ではトータルでプラスマイナス収支が取れているのかもしれないと考えた週末の日々。

  日光江戸村で客と従業員が乱闘。場所が場所なだけに、やはり日光江戸村側は手裏剣や鎖刀で応戦したのだろうか。大変気になる。


10月14日(土)
  起きたら午後三時。早寝早起きなんて、やっぱり俺には無理でした。

  今年のノーベル平和賞には韓国大統領の金大中氏が与えられた。確かに氏のこれまでの経歴はそれなりに立派ではあると思うものの、ノーベル賞自体の権威や威光は別として、賞自体はあくまでも「業績」に対して与えられるだと思っていた。それならば何故だ。どうせ象徴的な意味を込めるのならば、相手の金正日氏にも与えるのが筋ではないのか。確か以前にはアイルランド人と英国人が同時受賞していたはず。スウェーデンって国はよくわからん。

  CATV でのアニメ放映を見て今更ながらすっかりハマってしまった「頭文字<イニシャル> D」の単行本全十九巻を古本屋で購入し、数時間かけて一気に読了。「バリバリ伝説」の時もそうだったが、作者のしげの秀一という人は、どうしてこうも二次元表現の機械に生き生きとした命を吹き込め絵を描けるのだろう。ああそれにしても RX-7 のなんとかっこいいことか。今乗っているテラノ・レグラスなんか売っぱらって、FD でも FC でもいいから買っちまうか。この漫画を読んでいるとそんな気になる。いい年こいてなに言ってるんだか俺は。


10月13日(金)
  超深夜勤務やら徹夜やらが続いてすっかりぶっ壊れてしまった体内時計がどうにか正常に回り始めたようで、今日は久しぶりに爽快な目覚めである。しかしこの週末でまた元の木阿弥になりそうな予感が多分にする。いかんぞそんなことじゃ。来週以降、人として大人としてノーマルな社会人として真っ当な昼型生活を送るためには、今週末の過ごし方が大変重要なのだ。早寝早起き快眠快食。ううむ、多分無理だ。

  ところで新型 AIBO である。先代の犬型に続いてこんどの造形コンセプトは「子ライオン」だそうである。ううむ、そうか子ライオンときたか。てっきり次に出るのは猫型ロボットの「ニャアボ」か象型の「ダンボ」(もちろんディズニーと提携だ)、思い切ってヒューマノイドタイプの「ニョーボ(性別:メス)」あたりではと勝手に予想していたのに、見事に裏切られた。しかしなあ新型。形といい色といい、俺にはどうしたってウナギ犬にしか見えんぞあれは。動くウナギ犬。メカ・ウナギ犬。天下の SONY が自分のキャラクタをロボットにして作ってくれたとは、赤塚不二夫も草葉の陰で喜んでいることだろう。って、まだ死んでないざんす。シェーッ。


10月12日(木)
  昨日は徹夜明けだけあってさすがにちょっと早めに帰宅。一昨日の朝から一睡もせず、三十時間以上連続で仕事をしたのである。帰り着く頃にはかなりのグロッキー気味であった。体は疲れているがとにかく腹は減っているのでまずは飯を食い、そのまますかさず風呂に入ってとっとと寝てしまおうと思っていた。

  しかし風呂に入った時点で何故かすっかり目が覚め、突如として気分快調体力絶好調になってしまった。おお、これはどうしたことか。さっきまでのあのだるさはどこへ行ったのか。いや待ていかんぞ。これは本当ではない。きっとこれは連続した苦行を経たのちに陥るナチュラル・躁状態に違いない。不眠不休で働き続け、断末魔の悲鳴を上げた脳から無理矢理放出された脳内麻薬によるまやかしの快楽なのだ。妙に体がフワフワとして、なんだか今日も徹夜でもできそうな勢いであるが、そんなことをしたら確実にくたばる。今、俺に必要なのは休息だ。と、どうにかして布団にもぐり込むが、目がさえてしまってさっぱり眠れない。

  こういうときは何かくだらないことを考えて、そして無理矢理眠ってしまうのだ。ええと、何かくだらないこと。そういえば今日、友人 S からメールが入っていたな。プラモデルマニアの S は、なんでもプラモデルの展示会かなにかを見てきたらしく、今度の田宮模型が出したなんたらとかいう戦車は大砲の発射音とともに反動でぐぐっと後ろに下がったりしてすごいらしいが、値段もすごくて十万円ぐらいするらしい。なんだとそれは確かにすごいが十万円ってたかが戦車のプラモそんなの買う奴がいるのかと聞くと、いや実は俺はすでに予約済みとっくに金も振り込んだと誇らしげに返信をよこしてきた。なんと。戦車のプラモに十万円も払ったのかお前はアホだ貴様はほんまもんのアホだと俺がさらに返信。何がアホか俺の趣味を愚弄する気かそういうことを言う奴はこれでも食らえと奴が言い、すると突然目をつぶっているはずの真っ暗な視界に表現しがたいピンクがかった光が充満し、耳元で重苦しい寺の鐘が鳴り始めた。おおっ、一体これはなんなんだとおののく俺に向かって、ピンクの霧を切るようにカーキ色の巨大な戦車がその姿を見せた。あっけにとられて呆然と立ちつくしていると、プラスチックの砲台が時計回りにキリキリと回転し、砲身の先がまっすぐ俺に向かったところでピタリと止まった。うわわちょっと待て。いや俺が悪かった愚弄して悪かったたかがプラモに十万円でアホか貴様はなどと言って悪かった。頼むから打たんでくれ今死ぬのは困る俺にはまだやりたいことがいっぱいあるのだ、と涙ながらに命乞いをすると戦車のてっぺん部分がパカッと開いて、中からメグ・ライアンとナタリー・ポートマンと奥菜恵が一糸まとわぬ生まれたままの姿であらわれた。おいおい今度はなんだなぜ突然出てくるのだ君達はしかも裸で。どうにも不可解なことが次から次へと起こるものだしかもなに、「私たち中から誰か選べ」と。いやその申し出は大変嬉しいが、しかし俺も妻のある身おいそれと軽々しく選ぶわけにはいかんだが俺だって健康な成人男子据え膳食わぬはなんとかと古から伝え聞くありがたい言葉もあることだしなにせ美女の方からそこまで言うならそうですかええとそのじゃ奥菜恵で、と言いかけたところではっと目が覚めた。時計を見ると昼の十二時。

  眠る前よりもよっぽど疲れた体を引きずって、今日も俺は会社へと向かうのであった。


10月11日(水)
  先週末あたりの非常に厳しい状況から、多分そうなるだろうなという予感はあったのだが、結局昨日は会社に泊まってしまった。仮眠無し、久しぶりの完全徹夜である。ええ頑張りましたよ私は。誰もいないポツネンとした会社の建物の中で、わき目もふらず一心不乱に仕事に打ち込んでおりました。その甲斐あって、懸案事項はようやく一応の解決。まあ徹夜しただけの成果はあったというものだ。

  徹夜を明け、そのまま通常時間帯勤務を続行。午前中は比較的平穏に過ごせたものの、午後になるといきなり体がだるくなってきた。普通の体調であれば一日ぐらい徹夜したところでどうということはないのだが、さすがに先週末から続いた少しハードな生活がボディブローのように効いているのだろうか。ううっ、だるい。席に座ってPC のモニタ画面をぼーっと見つめているうちに何度か意識を失いかけた。いかん。まだ俺にはやることがある。ここは一発熱い風呂にでも浸かって、気合いを入れ直すのだ。ということで会社近所のスーパー銭湯に行ったはいいが、風呂に入ったら余計にだるくなってしまった。だるいついでにビールも飲みたい。

  そんなわけで、今日はちょっと早めに帰宅。そうか、もう夕方の五時半だとおもてはこんなに暗いのか。たまには早く家に帰るのも、意外な発見があるものだ。


10月10日(火)
  業務多忙につき未更新。
10月09日(月)
  連休三日目。午前十時起床。昨日はさすがにちょっと早めに寝たので、今日の目覚めはそこそこ良い。まあ早く寝たと言ってもなんだかんだで朝の三時頃だったからちっとも早くも何ともないのだが、なにせ今日は七時間も寝ることが出来たのだ。この週末三日間の睡眠時間の合計とほぼ同じ時間である。これらの日々を思えば、これでも昼に生きるまともな人間の生活リズムを少しは取り戻したような気がする。

  ところでこの土曜日は、まゆちゃんの通う幼稚園では運動会が行われたそうで、まゆちゃんもいくつかの競技や遊技に参加したそうだ。そのうちの一つ、みんなで踊った「慎吾ママのおはロック」を振り付きで再現してくれた。正直言ってこんな曲が何故ヒットチャートを賑わせているのか理解に苦しむが、子供が楽しそうに踊って歌うところ見ると、なんとなく納得してしまうのが不思議だ。   

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  既報通り、来期の横浜ベイスターズの監督には、元西武ライオンズ監督の森祇晶氏が就任し、そして球団との契約更改交渉が合意にいたらなかったローズが退団・引退すると正式に発表された。監督の交代、主力選手の引退は、これも時代の流れである。ファンとしては厳粛に受け止め、残った者、新しく来る者で新生チームとして来年も面白い野球を見せてほしい。ああしかし引退かよ、ローズ。今年も三割三分以上と同じ横浜の金城に次ぐ二位の打率と、二年連続のリーグ最多安打数という立派な成績を残し、まだまだあと数年は十分現役でプレイ出来るだろうに引退とは大変残念ではあるが、本人の意思なら仕方がない。来日から八年間、外国人選手としては驚異的な打撃成績と、多くの記憶に残る素晴らしいプレイを見せてくれたことに、ただただ感謝したい。しかし来年、誰が四番を打つんだ。
10月08日(日)
  連休二日目。新横浜で飲んだくれ、朝の五時に実家に帰ってきてから風呂にも入らずそのまま泥のように眠っていた。二日続けて仕事で半徹夜をしたあとに、こんどは朝までアルコールである。仕事をしているときはある程度気が張っている(それだけ切羽詰っているということだ)から、そう疲れは感じなかったけど、ほとんど寝ていないのである。体にたまったダメージは思いのほか大きい。さらにその状態で、今度は飲み明かしてしまったわけだ。これはつらい。とにかく今日はこの三日分の睡眠不足を補うためにゆっくり寝て、体力の回復に努めるのだ。

  しかし俺のそんなささやかな願いは、昨日から実家に泊まりに来ていた、近くに住む弟の子供達に叩き起こされ、わずか数時間後には露と消えてしまった。しかも起こし方がむごい。全体重をかけた助走つきフライング・ボディーアタックである。死んだように眠っていたのに、本当にそのまま死んでしまうかと思った。全ての胃の内容物が逆流しそうな衝撃に耐え、なんとか起き出して時計を見ると朝八時。ううっ、頼むから俺をこのままそっとしておいてくれ。

  どうしても一緒に朝ご飯を食べるんだと言って聞かない甥っ子たちに促され、とにかくテーブルに座ってみた。しかし朝まで飲んで、しかも三時間しか寝ていないのに物なんか食えるわけがない。喉は乾いているから水だけは飲んだものの、固形物は胃がさっぱり受けつけないのだ。はしゃぎながら美味しそうに朝食を食べる甥っ子達の横で、俺はただ亡霊のようにそこに座り、半開きの口から止めどもなくエクトプラズムが吐き出されていく。

  そして今日はかみさんの実家に泊である。横浜で甥っ子たちのフライング・ボディアタック攻めが終わったとおもったら、今度の相手はまゆちゃんか。俺の死期は近い。


10月07日(土)
  三連休初日。先週から取りかかりきりの懸案は、二日の半徹夜をもってしても未だ決着がつかない。今後のスケジュールを考えると、本来ならばこの連休も出勤してなんとかケリをつけなければならないところだが、俺にだって予定というものがある。もちろん仕事も大事だ。しかし仕事ばっかりやってたら人間ダメになる。息抜きだって必要だ。必要だったら必要だ。ということでこの連休はきっちり休むのだ。そりゃ多少は後ろ髪引かれるところがなくはないけれど、俺は休む。休んでやる。

  今日は横浜で古い友人達と飲み会。メンバの一人の奥さんがついにご懐妊ということで、名目上はそのお祝いということなんだけれど、まあ要するにいつものようになんでもいいから集まって飲もうというわけだ。この連中は高校時代の某部活動からの付き合いで、もうかれこれ十数年の間、集まっては飲んでいる仲なのだ。だいたい集まるのは俺の代の前後二学年を中心としたいつも馴染みの顔ぶればかりだったのだが、今回はそういういつものメンバに加えて、ネットで俺達の消息を嗅ぎつけた七〜十年下の代の後輩がやってくるとのこと。同じ部活動に携わっていたとはいえ、もちろん今まで一度も会ったことがない。こういうときはネットの力って偉大だと思う。

  そして新横浜の夜はふけて、気がつくと朝の五時である。三日連続でほぼフル徹夜状態。いかに頑強な俺でも、これはさすがにきつい。きつすぎる。全て自分の意思でやってることとはいえ、何かの罰ゲームのような気がしてきた。


10月06日(金)
  昨日は朝に一度帰宅して二時間ほど寝たあと、再び会社で作業の続きである。超睡眠不足状態で家から会社まで車で往復するのはちょっときつかったが、やはり風呂に入って布団で寝られたからか、思ったよりも体は軽い。まあナチュラル・ハイに陥っているからフワフワしているだけかもしれないけど。しかしこういう職業を生業としている以上、最盛期には深夜、早朝まで、あるいは徹夜も度々あるのは仕方がないとしても、久しぶりだとさすがに疲れる。今取りかかっている懸案をさっさと片付けて、今日は早く帰って寝たいものである。

  そう言えば昨日のうちに仕事に方をつけて、今日は幕張メッセでやっている CEATEC JAPAN に行こうと思っていたのだが、これも結局行けず終いになってしまった。Bluetooth や DVD の新技術も見たかったし、なにより注目の三洋電機が参考出品した、日本語 EPOC OS 搭載の PDA は是非とも見てみたかったのだけど。仕方がない。Web ページだけ見て我慢するか。

  しかし EPOC OS 搭載マシンを出すなら、EPOC と技術提携した松下か NTT あたりが最初に出してくると予想していたのに、まさか三洋電機から出てくるとは思ってなかった。最近の三洋電機は CD-R 関連の Burn-Proof、デジカメ心臓部の画像処理、リチウムイオン電池 の関連技術などで技術力には定評のあるメーカだけど、OS の日本語ローカライズも独自に行ったそうで、なかなか気合が入っている。しかしいいよなあ、これ。今のところ市販の予定は未定だそうだが、もし発売されたら買うぞ俺は。って、CLIE を買ったばっかだってのに。

  そして今日も結局決着をつけることが出来ずに、またもや朝の三時までお仕事でした。ううむ、死ぬ。


10月05日(木)
  いろいろあって、今日はなんだかんだで午前四時まで仕事をしてしまった。朝でなく夜でなく、なんとも中途半端な時間。いっそこのまま完徹してもよかったのだけど、これ以上時間を費やしても進展が見られそうにないのと、出来れば風呂に入って布団で寝たかったので一旦帰宅である。しかし明日のことを考えると、このまま会社に泊まったほうが良かったか。ううむ、微妙なところだ。

  まあ普段だって朝の三時ぐらいまでは平気で起きているので、四時でも五時でも時間的には大して変わらないのだが、やはりのんべんだらりと起きているのと、頭をフル回転させて仕事をしているのとでは同じ朝の四時でも疲労度が違う。特に脳の疲れが。論理的思考能力が低下した状態で、いたずらに時間積分したところでろくな成果は上がらない。こういう時は見切りをつけてとっとと帰って寝るのが一番である。

  それにしても、めちゃめちゃ忙しかった春先ごろにはこういうことは何度もあったけど、最近では久しぶりだよなあ。と、時計を見るとそろそろ六時。外はすっかり明るい。日記なんて書いてないでさっさと寝ろ、という声が聞こえてきそうなので、寝る。


10月04日(水)
  言ってみれば実に典型的な首都圏郊外型住宅地である我が家のまわりには、多分どこの住宅地とも同じように、歩いていける範囲に何軒かのラーメン屋が存在する。住宅地だからってラーメン屋が特異的に多いのか、都会の真ん中にもいっぱいあるではないか、と言われると答えに窮してしまうが、いや、ほれ、なんとなく庶民的なイメージがあるではないか、ラーメン屋って。まあもっとも住宅地にありがちな庶民的外食産業というと、今ならラーメン屋よりもファミレスの方がより代表格的存在である気もするが、とにかくラーメン屋なのである。

  しかし庶民の味とは言っても、世の中にはラーメンを食することに命を懸けている人達がいる。中には毎日のラーメンを食べ続け、暇さえあれば全国津々浦々の美味い店を食べ歩く剛の者もいるそうだ。そんなにラーメンばっかり食っていたら、塩分の過剰摂取で体を壊すのではないかと余計な心配をしたくなる。俺はラーメンにそこまで偏執的な思い入れはないものの、しかし不味いラーメンより美味いラーメンを食えた方が幸せなのは当然である。

  で、我が家の近くにあるいくつかあるラーメン屋のうち、ひいきにしているところはだいたい三軒ぐらいなのだが、これがなかなか個性的な店ばかりなのだ。医学博士の父の指導の元、独自の健康理論を駆使し「ラーメンで健康になる」のスローガンを掲げる怪しい雰囲気大爆発な異色の店や、いわゆる横浜『家系』ラーメンの総本山「吉村屋」で長年修行した職人が独立して店を構えた千葉なのに横浜ラーメンな店、ラーメン大好きな大相撲関取力士が趣味が高じて引退後に本当にラーメン屋になってしまった正統派九州ラーメンの店、といった具合である。それぞれ分野は違えども、味のレベルはかなり高い。

  今日は久しぶりに元関取の九州ラーメンの店へ行ってみた。ここは店ができてから、たしかまだ二年ほど。最初の頃はぎこちなかった手つきも、いまやすっかり手際が良い。狭い調理場をめまぐるしく動く姿は、完璧にラーメン屋店主のそれだ。しかし相変わらずの巨体。「現役時代から二十キロも体重が落ちちゃって、すっかりスリムになりましたよ」と笑いながら麺をゆでるその腕は、ゆうに俺の二倍はあろうかという太さである。

  だが作られるラーメンの味は実に繊細なのだ。丁寧に出汁を取り、白湯にありがちな変な臭みや脂っこさが全くないミルキーなスープ。毎日自ら打っているというコシのあるストレートタイプの細麺が、そのスープに良く合う。自家製チャーシューも柔らかく、それでいて脂ぎった感触はない。また醤油の香りが良く、とてもおいしく味付けされている。九州の有機栽培農家から直接取り寄せているという刻みネギも香り良く、甘みがあっておいしい。九州ラーメンというと、とにかく脂漬けでくどすぎるという印象があるのだが、ここのラーメンはコクの割には脂成分は抑えめのマイルドな味付けで、飽きのこない美味しさである。また食いたい。そう思わせる味なのである。

    ごく近所にこういう美味いラーメン屋が何軒もあるのは大変に幸せなことだ。   


10月03日(火)
  俺のかみさんのお姉さんの旦那さんのお母さん、要約すれば義兄のお母さん、ついでに言うならまゆちゃんのおばあちゃんにあたる人、の急逝の報が入ったのが日曜日のこと。前々から体の調子があまり良くないということは聞いていたが、とにかく突然のことで驚く。

  亡くなったのは日曜日のことだったが、今週は前半に友引が入っているため、お通夜と告別式は週半ばに執り行われるという。出来れば俺も参列して霊前に手を合わせたいところなのだけど、千葉−神奈川中部間という空間的なものと、そしてなにせのっぴきならない状況に陥っている仕事のつまり具合という時間的な制約が、俺の足を止めるのである。葬儀への参列及び諸々の手伝いのため、今日から実家に向かったかみさんに俺の分もと託し、少し離れた空の下で手を合わせる俺である。残念ながら生前に一度も会う機会はなかったけれど、故人の冥福を静かに祈りたい。そういうわけで、かみさんがいないのをいいことに夜中にゲームなんてやってる場合ではないのだ。


10月02日(月)
  仕事の都合上、今日は久しぶりの徹夜覚悟だったのだが、ギリギリのところでなんとか回避。問題が発覚した先週末は事のあまりの悲惨さに、いっそこのまま南の島にでも逃避行しようかと思ったところだったが、今日一日格闘してなんとか解決策が見つかりそうな手応えである。ううっ、危ないところだった。まあそれはそれとして、南の島には行きたい。

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  JUDY AND MARY のボーカル YUKI と真心ブラザーズのボーカルの人が入籍との報。ううむ、そうだったのか。たしか YUKI って、同じ JUDY AND MARY のギターリスト(TAKUYA 氏)とつき合っているものとばかり思っていたのだが、そういう俺の認識はとっくの昔の話だったのだろうか。まあ目出度いことはいいことである。

  それにしても真心ブラザーズとは、ずいぶんと懐かしい名前のような気がする。何年か前にしょうもない歌が売れて、たしか紅白にも出ていたような記憶があるなあ。でも売れたのはそれ一曲だけで、典型的な一発屋だったよな。そんなバンドの人と、今も第一線の人気バンドの紅一点が結婚って、そりゃまたいったいどうして…と思いめぐらし考えたところで、真心ブラザーズと大事マンブラザーズバンドを取り違えていることに気がついた。ひいっ、と思わず声に出して狼狽すること数分。嫌な汗が背中を伝う。

  「♪それが一番大事」と歌っていた、大事マンブラザーズバンド。きっと今もどこかで大事な案件に追われ続けているに違いない。どんな大事なことかは知らないが。


10月01日(日)
  今日は俺を雇用する会社の創業記念日。今年は日曜日と重なったということで、明日は振り替えで休日となるのである。これもカレンダーの妙。いやっほう。さすが我が社、太っ腹。創業万歳。休日最高。

  …なわけがない。たかが会社の創業記念日、たまたま日曜日にかかったからって、翌日の月曜日が休みになるわけがないのである。くそ。あまりにくやしいので、というわけではないが、今日は休日出勤。

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  学校の校歌というと、旧制学校時代からの伝統か、旧態依然の歌詞、どこも似たり寄ったりの古めかしい音階で綴ったメロディという印象がある。俺が過去通った学校も「仰ぎ見る我が母校」だの「遙かに遠く富士をみて」だのとなんともありがちな歌詞とメロディの校歌ばっかりであった。

  しかし広い日本にはぶっ飛んだ学校というのもあるのである。今、あちこちで話題騒然の「福島県立清陵情報高等学校校歌」。そもそもタイトルが「宇宙の奥の宇宙まで」と来る辺りからしてすでにただ者ではない雰囲気だが、歌詞がまた強烈なのだ。詳しくは同高校の Web サイトを参照していただきたい。しかし「発信」だの「交信」だのって、どこかの新興宗教のイメージソングみたいである。頻繁に出てくる「やんやん」やら「ゆんゆん」というフレーズも大変気になる。作詩は「宗 左近」なる人物。何者なんでしょうか。

  ううむ、歌うにはかなりの勇気を必要とする校歌ではあるが、一体どういう高校なのか行ってみたいような気はする。おそらく強烈に革新的な学校に違いない。  


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