みくだり日記    2001年01月前半
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01月15日(月)
  日本列島をすっぽりと覆った大寒気団の勢いはとどまるところを知らない。この冬将軍の影響で、北海道の旭川では最低気温が氷点下二十六度を記録したという。昨日本欄に書いた俺が体験した温度には至ってはいないが、それでもじゅうぶん寒い。相当寒い。寒いから雪も降る。日本海側を中心に東北から北陸、はては九州に至るまで大雪の嵐である。その真ん中、福井県は福井市に住む知り合いからメールがあり、かの地は数年来の大雪に見舞われているそうである。降り積もった雪は道を埋め街を埋め、そして家をも埋め尽くす。このまま降り続ければ、明日は屋根の雪降ろしをしなければならないとのことだ。大事である。重労働である。毎年雪下ろし中に足を踏み外して亡くなる人がいるというから、その作業は大変危険でもある。

  昨日は「しかるべき所にしかるべき量の雪が降ると喜ばしい」などと自分勝手なことを書いてしまったが、雪国に暮らす人にしてみれば、雪なんてもう見たくもないことだろう。陰鬱な灰色の空。凍てつく空気。混乱する交通網。乱舞する白い悪魔。くそったれの雪。このこのこの野郎っ。憎かろう。恨めしかろう。もっともである。至極当然である。しかし私は思うのである。そこはそれ、やはり適量は降ってもらいたい。スキー場が潤う程度には雪が舞っていてもらいたい。俺の新しい板を初めておろすその雪面は、パウダーでホワイトなスノーであっていただきたい。いただきたいったらたいっ。はらたいらったらたいっ。魚類だったのかあの人は。

  ということで、ええと、まあその、人様のご迷惑にならない程度のほどほどに降ってもらえばよろしいのではないかと。何ごとも腹八分目が肝心だ。


01月14日(日)
  (旧)気象庁の予報によると暖冬になるはずだった今年の冬。しかしフタを開けてみればその予報は見事に外れ、昨年末あたりから押し寄せた大陸からの寒波によって、特に北日本や北陸地方を中心に厳冬の様相を呈している。地方によっては数年来の積雪を記録しているところもあるという。三次元マトリックスシミュレーションモデルの最新理論と、それを解くための超高性能並列型スーパーコンピュータという最新鋭科学技術を持ってしても、カオス的振る舞いを見せる自然現象の、しかも中・長期に渡るタイムスパンの運動予測がいかに難しいかを物語るわけではあるが、それはともかくボーダーの私としては、しかるべき所にしかるべき量の積雪があるということは大変喜ばしいことである。寒いのは嫌いなくせにこういう時にはうれしがる私だ。

  ところで今使っているボードは五年前に買った物で、最初ということもありそれほど高くない板だったのだが、二年ほど前から板の表面を覆っているプラスチックの保護膜が剥がれてきてしまっていたのだった。まあ多少見てくれは悪いがそれでも一応は滑走できることだし、シーズン中それほど回数を行くわけでないから新たに板を購入するのももったいなくてなんとかだましだまし使っていたのだが、昨年ついに保護膜がベロベロに剥がれてしまい、哀れスノーボードとしての天寿を全うしてしまったのだった。

  そういうわけで来るべきスノーシーズン(とっくに来ているのだが)に備えて、今日はスノーボードを新規に購入したのだった。ここ数年でスノーボードは長足の進歩を遂げているようで、以前の流行だったツインチップ形状(板の前後が対称形のフリ−スタイル用ボード)はすっかりなりをひそめ、最近はディレクショナリ・ツインと呼ばれる形状が主流らしい。これは板の前後の形状が非対称で、なおかつ板に足を乗せる位置(つまりは重心位置)が後方にセットバックされたタイプである。まあ要するにものすごく幅を広げたスキー板のようなものだが、こういう形状と重心位置にすることによって、ボードのコントロール性能が格段に向上するということだ。さらにカービングスキーのようにボードのウェスト部分の曲率を上げる(くびれを細くする)ことで、エッジに乗った切れのいいカービングターンが簡単に出来るようになっているという。ほほう、なるほどねえ、などとスキー用具店員の説明を聞きながら、あれこれ物色して板とビンディングを選択。ブーツはまだ十分使えそうなので今回は見送りだ。

  ということで板を購入し準備万端整ったわけだが、はたして今シーズン何回滑りに行けるのか。なんだかんだで一月中は無理なのは仕方がないとしても、二月三月でなんとか出来るだけ。ううむ、初滑りはいつだろうか。


01月13日(土)
  今日は久々の休日出勤。なんでも強烈な寒波が日本上空に来ているそうで、北日本や北陸では大雪とのこと。関東もここ数日はかなり冷え込んでいる。

  寒いといえば、以前北海道釧路出身の知人に聞いた話だが、正月に里帰りした最終日の朝、いざ空港へ向かおうとふと表の気温を示す寒暖計を見ると、表示の目盛りが無いところまで下がっているのを発見。慌てて表に出て車のキーを回したところ、セルモータは回るのにエンジンが始動しない。あまりの低気温でガソリンが気化せず、プラグがすぐ濡れてしまうのであった。その朝外に置いてあったガソリン車はすべて始動できず、始動できたのはディーゼル車や車庫の中にあった車ということだった。いったい気温はどこまで下がっていたのだろうか。

  ちなみに俺が過去体験した最低気温は、高校二年の正月に長野県の野辺山(電波望遠鏡がある)というところに星を見に行った時、朝方に記録した氷点下二十八度である。野辺山は八ヶ岳の麓付近にあって標高が高く、たしかに冬は寒いことは寒いのだが、さすがにここまで気温が下がることはそうそうないらしい。俺達が行ったときにちょうど全国的な大寒波が押し寄せていて、しかも雲一つない晴天の晩だったから、放射冷却現象もあいまって猛烈に気温が下がったのだろう。

  ここまで気温が下がると、もはや寒いというより「痛い」といった方が正確である。雪原の上にテントを立ててそれをベースキャンプにし、傍らの望遠鏡をのぞいたり流星観測(毎年正月頃は“りゅう座流星群”というのがある)をしていたのだが、一応それなりの防寒対策をしていったものの、この低気温の前にはほとんど役に立たなかった。表で動かないままじっと座っていると、次第に手足の感覚が無くなり、やがて露出されている鼻や頬がビリビリと痛くなってくる。凍傷になりかけた状態というのは、ああいう感じなのだろうか。体を襲う寒さと痛さにたまらずテントに引き上げ、体内から暖をとろうとカップラーメンを作ると、ちょっと目を離したすきに麺やスープがすっかり凍ってしまっている始末。

  そんな極寒の中、めげることなく朝まできっちり観測したんだから我ながら大したものだと思う。今思えばよくもまあ凍死しなかったものだが、あの頃は無駄にエネルギーが余っていたというか、きっと体の内側から発散される熱量で自ら暖をとったおかげでなんとかなったのだろう。しかし今そんな状況に置かれたら絶対死んでるよなあ。というか、はなから行こうと思わないか、このクソ寒いときにそんなところには。


01月12日(金)
  高松市の成人式で、市長に向かってクラッカーを鳴らした五人が業務威力妨害容疑で逮捕。結構なことである。

  こういう傍若無人なバカは別に成人式の若造だけでなく、世間を見渡せばそこらにゴロゴロ転がっているものだ。俺はそういう連中を見るとき、奴らは猿だと思うことにしている。姿形は人間の格好をし、口を開けば日本語を喋るかもしれない。しかし見かけにだまされてはいけない。猿だ。お猿さんなのだ。俺の目の前にいるのは猿。動物園の檻の向こうでウキウキ言ってる猿。猿だと思えば、多少粗相をしたり妙な言動を放ったりしても、別に何とも思わなくなる。だってしょうがないのだ。猿なんだもん。粛々と訓辞を述べている人に向かってクラッカーを炸裂させたり、厳かな雰囲気の中で一升瓶をかっ食らってバカ騒ぎしていたとしても、それはどうしようもないのだ。お猿さんなんだから。猿には恥がない。場の雰囲気も読めない。他人の目も気にならない。人の心もわからない。猿なんだからしょうがない。そう思えば別に怒りもわかない。余計なエネルギーを無駄に費やすこともない。

  ところで高松の捕まった五人のお馬鹿さん達は「大変なことをしてしまったと反省している」と一応もっともらしい弁を述べているそうだが、多分逮捕されてしまったことに対する後悔はしていたとしても、本当の意味での反省はしていないだろうなあ。だってポーズじゃん、猿の反省なんて。


01月11日(木)
  昨年末にタイヤとブレーキパッドの交換やら親水性コート剤の塗布やらをして蘇らせた我が愛車だが、最近どうにも燃費が悪くなってきている。購入当初は街中を普通に走って 8.5km/L 、高速道路をほどほどのスピードで巡航して 10km/L ぐらいだった燃費が、最近は高速道路を走ってやっと 8km/L というところまで落ち込んでしまった。街中走りだと 7km/L を切ることもしばしばである。まあ二トン近くの重量級ボディを 3200cc のディーゼルエンジンで動かしているのだから、元々こんなものと言えばこんなものなのかもしれないが、それでもここのところの著しい燃費効率低下には悲しいものがある。すでに購入から四年。そろそろ一度エンジン内部のオーバーホールが必要なのかもしれない。

  ところであと十年ぐらい経つと電気自動車の台数もだいぶ増えることだろう。年末の新聞には、三年後に燃料電池自動車の市販が開始されるという記事も載っていた。燃料電池というぐらいだから、なにがしかの有機系材質から化学的反応によって電気エネルギーを取り出すのだろうということはわかるが、ちょっと調べてみたらこれは天然ガスやメタノールといったアルコール系燃料から水素を取り出す方式のようだ。取り出した水素と燃料電池内の酸素とを電気化学的に結合して電気を生み出すわけである。燃料電池内で起こる電気化学反応から発生する副産物は熱と水蒸気だけなので、化石燃料を気化・爆発させてエネルギーを取り出す現在のエンジン方式と違って CO2 や NOX といった「環境に厳しい」成分は排出されない。クリーンエネルギーと言われている所縁である。燃料電池方式が実用化され、さらに一般利用が広がれば、現在世界中で懸案となっている CO2 排出削減に大きく貢献することになるだろう。

  環境に有害な成分をほとんど排出せず、しかもエネルギー効率も優れている。良いことずくめの燃料電池だが、しかし実用化に向けてはまだまだ幾多のブレークスルーが必要のようだ。水素生成のインフラ整備、電池の製造コスト。乗り越えなければならない課題は多いが、しかしそれも時間の問題ではある。2005 年までには病院やホテル、大型コンピュータ・センタといった商業施設の電力源として、燃料電池が使われるようになると予想されている。一般家庭への普及は 2010 年頃、車への応用は 2015 年あたりと考えられているようだ。今から十五年後、道行く車の後部からは現在見なれたドス黒い煙が消え失せ、モータの力によって滑るように道路上を進んでいるに違いない。

  そして(今よりもさらに深く)おっさんになった俺は、きっと日記にこう書くのである。「最近どうにも燃費が悪くなってきている。購入当初は街中を普通に走って 520km/水素補充 、高速道路をほどほどのスピードで巡航して 600km/水素補充 ぐらいだった燃費が、最近は…」。


01月10日(水)
  今朝も会社に向かい車を走らせていると、なにやら唐突に渋滞しているのである。信号も何もないただの直線道路。普段なら混雑することなどまずあり得ないところに、停滞する車の列。前の車についてのろのろと進むと、反対車線の道路脇にセダンタイプの車が二台、ハザードランプを点灯させて停車している。事故である。白いアコードワゴンの後部に、黒のシルビアが追突したようだ。いわゆる「カマを掘った」という状況である。昨夜からの雨で路面が濡れ、スリップでもしたのだろうか。アコードワゴンの後部バンパー付近とシルビアの鼻先からボンネットにかけてぐしゃりと潰れている。しかし車の激しい損傷の割に幸いにも人的被害はなかったようで、壊れた二台の車の脇に双方のドライバーとおぼしき二人が呆然と佇んでいる。

  事故渋滞を抜け、やれやれと再び車を走らせ二キロほど行ったところで、再び渋滞である。ここも通常なら渋滞などしないところ。もしやと思うその予感は的中し、またもや事故であった。今度は軽トラックとワンボックスカーの衝突。だがこちらは先ほどの事故よりもさら状況が激しく、前部がめちゃめちゃに破壊されたワンボックスカーの前に、反対車線を完全にふさぐ形で軽トラックが無惨にも横転しているのであった。おそらく脇道から軽トラックが飛び出してきた横っ腹に、ワンボックスカーが激突したのであろう。文字通り車重の軽い軽トラックは、重量級ワンボックスカーの持つ運動エネルギーの前にはひとたまりもなかったに違いない。ぶつけられた反動で車体は横転。半回転だけでなく、もしかしたらもう一回転したのかもしれない。道一杯に飛び散ったガラスの破片が、事故の衝撃を物語る。

  うおおっ、これは大変である。これだけの事故だ。ドライバーもただでは済まないはずだ。少なくともかなりの傷を負い、最悪の場合は瀕死の状況にあるだろう。よもやまだ車内に閉じこめられてかもしれない。もしそうならば、早く助け出してあげなければ。ドライバーは、ドライバー達はどこだ。

  ふと見ると、道の脇でとっくみあいの喧嘩をしている二人の男達がいるのだった。事故車のドライバー達らしい。背の高い痩身の若い男がワンボックスカーだろうか。軽トラ所有者と思われる作業服姿の中年男とグーの拳で殴り合っている。見たところ、中年男の方が若干優勢のようだ。まあどっちが勝っても負けても、とりあえずそれだけ元気があれば大丈夫だろう。

  というわけで以上二つの事故の影響により、今年初の遅刻である。今世紀初の無駄な半日有休消化である。俺の貴重な有給休暇が、また少し短くなってしまったのである。ちきしょー。お前らの保険で俺の有休を返せ。


01月09日(火)
  個人的な仕事始めの日。聞くところによると、俺が所属するセクションで、五日の仕事始め日に休暇を取ったのは俺一人だった模様。いやあはっは、こういうのも重役出勤って言うんですか。言わないですかそうですか。

  ということで一人遅れて本年の業務を開始した私。ボスに呼ばれて今年一年の計画その他を拝聴する(他の人達はすでにミーティング済みだ)。ううむ、負荷量、線引きされた日程、マンパワー。どれもこれも懸案事項が山積みではある。しかし前向きに考えるなら、それだけやりがいがあるとも言うべきだろう。少なくとも言えるのは、今年もまた慌ただしい日々が続きそうだ、ということだ。貧乏暇なしとは言うけれど、貧しくとも清く正しく美しく。これが今年のモットーだ。まあ清いか正しいかはどうかとして、少なくとも美しくエレガントにいきたい、と思う。結局最後には泥臭くなってしまうのはわかっているのだが。

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  この正月期間中に帰省し、先日帰ってきた実家の母親からお土産が届いた。段ボール箱いっぱいに入っていたのは、みかんであった。九州天草というと豊富な海の幸を連想するところだが、温暖な気候と肥沃な風土を生かして、実はこうした柑橘類も特産品の一つである。天草みかんは果皮が薄めでちょっと剥きにくいのが難点だが、適度な酸味と多めの果汁からくる甘みのバランスが素晴らしく、俺の大好きなみかん品種の一つ。今年は昨夏の日射量が十分にあり、しかも幸い台風の被害が無かったことが功奏して、特に甘めのみかんが豊作とのこと。天草では十二月の中頃から年明けにかけてが収穫の時期で、今まさに旬の果物である。

  ということでさっそく食べてみた。おお、たしかに甘くて大変美味しい。天草のみかんは毎年食べているが、これは近年まれにみる出来である。もし八百屋で天草産のみかんを見かけたら、是非食べてみてほしい。美味しさは保証する。

  天草の海を見たことがあるだろうか。まさに真珠のような、透き通った海。死ぬまでにはもう一度あの海を見てみたいものだ、とみかんを食いながら思った。


01月08日(月)
  昨日の夕方頃から降り始めた雪は、その足を徐々に強め、夜半には本格的な勢いに達した。ベランダから表を眺めると、うちのマンションの向かいに建つ一軒家の屋根も道路もすっかり白くなり、この調子で朝まで降り続ければ相当な降雪量となると思われた。しかし明け方には雪から雨に変わったようだ。翌朝起きてみると、あれほど積もっていた雪はきれいさっぱり溶けてなくなっていた。積もると思っていたのに。拍子抜けである。この根性なし。って、寒いのがイヤとか雪なんか嫌いだとか普段から言ってるくせに、都合のいいことを言う。

  今日で年末年始の休暇も終了である。始まる前は途方もなく長く感じた十一日間という日数も、こうして終わってみるとあっという間だったよなあ、って、あちこち移動していた三が日はともかく、後半はほとんど寝正月な日々を送っていれば、そりゃあ早くも感じるだろう。風邪さえひかなけりゃスキーにでも行ったのだが、まあそれも今更仕方なしか。

  ともかく、これで休みは終わり。さらばだ十一日間の休暇の日々よ。俺は君達が大好きだった。次にこれだけ休めるのは、多分来年の年末年始のような気がする。ゴールデンウィークは厳しいよなあ。


01月07日(日)
  所用で出かけた十八時頃。空からぽろぽろ降ってくるのは初雪である。昨日の予報通りである。郵政省(これからは総務省か)メールは相変わらずだが、気象庁(というと、今後のボスは総務省?)はそこそこの確度と言っていいだろう。千葉県地方での一月八日午前一時半現在の積雪は、目視で十センチというところだろうか。今晩未明から明日の明日の朝にかけて、低気圧の接近に伴いさらに積雪が見込まれるという。こういう日には犬やお子たちは喜ぶかもしれないが、三十すぎの寒がりオヤジはおとなしく家に籠もるにかぎるのだ。

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  CD 買った。

  「Superheroes」 RACER X
  「LOVELOVE あいしてる」で日本のお茶の間でもおなじみの超絶技巧ギターリスト、ポール・ギルバートが、MR.BIG の前に所属していたバンド「RACER X」の復活第二弾アルバム。メンバーそれぞれが超バカッぽいチープ・コスチュームに身を包んだ意欲作(と言っていいのか)だ。超高速ツインリードが炸裂するマイナー・メタルが売りだった過去の作風とは異なり、復活第一弾だった前作同様これぞアメリカン・ドライヴィング・メタルといった作風だが、全編で炸裂するポール氏の火花を散らしながら疾走するウルトラ激烈ファストプレイはさすがの迫力である。いやまあ、とにかく気持ちよさそうに弾きまくっとります。現 JUDAS PRIEST のスコット・トラヴィスの鬼神の如きドラム・プレイも「すげえ」の一言。確かこの人ってとっくに不惑を過ぎた歳だったような気がする。日本が先の大戦で負けたのは、やはり足腰の違いだと確信する私だ。
  しかしポール氏、自分のソロアルバムを作ってワールドツアーしたと思ったら、間髪入れずに今度は別バンドでアルバムリリースって、いったいいつ休んでるんだろうかと心配になる。ギターを弾くのが楽しくてしょうがないのはわかるが、たまには休憩も必要か。大きなお世話だが。

  「The Dark Ride 」 HELLOWEEN
  ドイツ産メロディック・パワー・メタルの老舗バンドが、デビュー十六年を記念して(かどうかは知らない)二十世紀最後に放つフルレンス・アルバム。まるで彼ら自身が何かを見付けたかの如く充実した楽曲が目白押しで、全体的なバランスも至極いい感じ。お約束のイントロから、ドイツが誇る天才メロディ・メイカー、マイケル・ヴァイカート作のスーパー・スピード・チューン "All Over the Nations" を始めとして、彼らのこれまでのスピード・チューンを見渡しても悶絶級の出来映えを誇る "Salvation"、"The Dark Ride"なんて聴く度にヘッドバングの嵐で、ドライブの BGM にはあまりにも危険である。前アルバムはあまりに酷いサウンド・プロダクションで曲の出来云々以前の問題で聴く気が失せたが、本作は「Metal God」ことロブ・ハルフォードの復活最新作を手がけた Roy Z 氏プロデュースのもと、キリキリと硬質でソリッドな音像は、実に私好み。言葉は悪いが、小便ちびりそうないい音だ。「横隔膜に響く」って言うんですか、こういうの。
  それにしたって HELLOWEEN である。デビュー十六年にしてさらに未来への上昇を予感させるって、並大抵のことじゃない。感服しましたよ私は。

  いやあ、へヴィ・メタルってほんとにいいもんですね。


01月06日(土)
  気象庁の中期気象予報によると、今年は暖冬になるとのことだった。なるほど、例年であればすでに一度や二度ぐらいあってもいいような身を切るような寒さというやつを、今年はまだ体験していないような気がする。ううむ、やはり今年は暖冬なのかと思いきや、どうしてどうして、昨日からの冷え込みは「身を切る」とは言わないまでも結構な冷え込みである。北風が強く、冷たい。明日、明後日は首都圏でも小雪が舞うかも知れないなんて予報が出ていたが、果たしてどうなるか。何年か前のように大雪の成人式なんてことになるのだろうか。

  すでに式参加資格をとっくの昔に行使した身にとっては、成人式に雪が降ろうがどうなろうが知ったことではないのだが、どちらかというと、と言うより積極的に寒いのは苦手な私。できればこのまま雪なんか降らないで一気に暖かくなってもらっても個人的には全く差し支えない。しかし心のどこかに、やはり夏は暑く冬寒くなくちゃあ季節って感じがしない、と思っているのは確かではある。けだし、人間とは都合の良い生き物だ。俺だけか。

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  いまさらながら「BRAIN VALLEY(上)(下)」(瀬名秀明:角川文庫)を購入。この本が発表されたのは 1997 年の暮れあたりだったからすでに三年前の本だが、昨年末にようやく文庫化されたので買ってみた。この手の新刊は一般的には二年ぐらい文庫化されるものだが、さすが「パラサイト・イヴ」がベストセラーになってそれに続く本書も売れたおかげか、少し余計に時間がかかったようだ。まだほんのさわりしか読んでいないが、「ミトコンドリア」の次は「脳」がテーマとあって相変わらず難解な医学用語が飛び交うあたりは、さすが「医学 SF」旗手の面目躍如という感触。なんとなく「パラサイト・イヴ」よりもミステリ色が強いような気がするけど、とにかく読み応えはありそう。

  新刊と言えば、書店の新刊コーナーの最前列に平積みになっているスティーヴン・キングの新作「ザ・スタンド」が大変気になっている。気にはなっているのだが、しかしあの厚みと上下巻合計六千円也という金額に躊躇してしまう小市民な私だ。ううむ、やっぱりこれも文庫になるのを待つか。いつになることやら。

  ところで「スタンド」っていうと、最初に思い浮かぶのは「ジョジョの奇妙な冒険」である。最近ジャンプは全く読んでいないのだけど、あのマンガってまだ連載しているのでしょうか。


01月05日(金)
  新年五日。今日から仕事始めというところも多いようだが、俺を雇用する会社もご多分にもれず本日から営業開始である。が、今年はカレンダーの都合上、今日休めば来週の月曜日まで年末年始休暇が連続することになる。そんな日程で、誰が会社になんぞ行くものか。ということで、新年早々有休消化に勤しむ私だ。

  そんなわけで今日は会社も(自主的に)お休みである。しかし世間は平日。なんとなれば、空いたゲレンデ目指してちょっくら今シーズン初滑りにでも行って来ようか、などと思っていたのだった。しかしそれも俺の風邪っぴきのため断念。やはり悪いことは出来ないものだ<悪いのか

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  知り合いの突然の訃報に驚く。原因がよくわからない突然死だそうだ。しかしまだ大学三年生、二十一才の若さ。洋々たる人生が、いま正に始まろうとしているこの時に、何故。「大いなる意志」なんて奴が本当にいるのなら、どうして彼を選んだのか、頼むから教えてほしい。心よりご冥福をお祈りします。
01月04日(木)
  年始早々からすでにその兆候はあったのだが、ここ二日ばかりの新年会ラッシュで体調はさらに悪化である。昨日からは鼻水、咳という感冒様症状が出始め、一晩明けた今日はついでに喉もやられたようだ。かすれてまともに声が出ない。おまけに口の中には口内炎ができ、さらに生えかけの親不知が歯茎を破りシクシク痛みだす始末である。口を開けようにも口内炎と親不知痛のダブルパンチで、普段の三分の一ぐらいにしか開くことができない。新年早々、我ながらひどい有様である。日頃の不摂生が祟ったのか、あるいは今年は健康に留意しろという何かのお告げか。なんにせよ、口が開かないから物が食えないのがつらい。

  午後からは再びかみさん実家に移動。晩飯をご馳走になって、TV で放送されていた映画「コンタクト」を見て過ごす。この映画は、数年前に他界した天文学者のカール・セーガンが書いた SF 小説を原作に映画化したものだ。原作は読んだことがあったが、そういえば映画を見るのは初めてだった。ちなみに原作は上下二巻に分かれたかなり長い物語で、素数の羅列信号を発見するファーストコンタクト付近のエピソードには興奮したものの、しかし前半から中盤にかけては研究所の中の泥臭い話や政治上の駆け引きが殆どを占めていてどうにも盛り上がりにかけ、アイデアやプロットは秀逸だったとしても、正直ただ長いだけであまり面白くなかったような印象があった。特にエンディングが「科学と宗教の融和」的なオチで、「結局はそれかよ」と非キリスト教圏の人間としては言いたくなるような、なんとなく白けた感じで終わってしまった記憶がある。

  しかし映画版ではさすがにそうした宗教くささを押し出しては一般うけが悪いと思ったのか、主人公が物思いに耽って夜空を見つめる、という静かなラストシーンで物語を締めている。まあもしかしたら、あまりに宗教的なことを劇中で説明するのは面倒だからばっさり切り捨てた、っていうのが本当のところかもしれないが、ヘタに宗教に走るよりも物語としてはよっぽどこっちの方がすっきりしている。ついでながら主演のジョディ・フォスターはなかなかの好演だと思った。こういう知的だけどリリカルな役どころを演じられるのは、ハリウッドではこの人ぐらいなものか。

  映画を見終わってから、夜中に自宅へ帰還。今日は U ターンラッシュの混雑も相当なものだったようで、日中から夜にかけては要所要所で渋滞が酷かったらしいが、さすがにこんな時間ではガラガラである。ということで、二泊三日の新年会巡りの旅は今年も無事終了だ。


01月03日(水)
  かみさん実家に泊まったときの恒例、まゆちゃんにたたき起こされた後、ひとしきりいっしょに遊び、午後からは横浜の実家に移動。

  年始早々に母親が郷里に帰ってしまっているため、親父はさぞ一人寂しく新年を過ごしているのかと思いきや、静かに読書をしたり近所を散歩したりと、それなりに快適につかの間のシングルライフを満喫しているそうだ。ところで母親がいない間いったい何を食っているのかと聞いてみると、何食かは母親が作り置きしたおせち料理などを食べていたが、それにも飽きたので自炊しているという。じ、自炊ってあんた、料理なんか出来たのか親父。と訝る俺を尻目に、ちょうど今から作っるところだったからお前も食ってみろ、という雑煮をご相伴にあずかった。これがまたきちんと出汁が利いた醤油ベースのなかなかの味なのである。ううむ、親父にこんな特技があったとは。しかも食べた後はすぐさま食器を洗う律儀さ。昔の親父からは全く想像できない姿である。そういえば親父ももうすぐ喜寿か。年月は人の性格までもを変えるのか。

  夕方からは、横浜駅西口の某トンカツ店を借り切って行われる、高校時代の友人達が集まっての毎年恒例の新年会に参加した。ここは友人の実家が経営しているトンカツ屋なのだが、とりあえず集まる場所を借りているだけで料理や酒は基本的に持ちよりで、近くのケンタッキーやダイエーから食材を買いこんできて適当に飲み食いするのだ。それにしても新年早々酔っ払いながら延々とトランプに興じるってのは、いい年した大の大人としてどうかと思う。たしか十年前も同じことをしていたが、はたして今から十年後も新年からトランプをしているのだろうか俺達は。やってるな、間違いなく。

  ところでこの新年会では、近くのヨドバシカメラで買ってきた福袋の中身を皆で分けるのが恒例になっている。まあ福袋といっても所詮は売れ残り商品を適当に集めた在庫一斉処分のようなもの。しかも値段は一万円相当だから、内容は全然大したことはない。例をあげると、別に必要じゃない電子体温計とか、やたらでかくてデザインの悪い目覚し時計、あるいは微妙に安っぽいヘッドフォンステレオなどなど、脱力系の商品がごちゃまんと袋詰にされているといった按配なのである。

  では何故そんなくだらないものが入っていると分かりきっている福袋なんかを毎年毎年飽きもせずに買うのかというと、そういうロクでもなさが逆に楽しいというか、しょうもない商品を手に取ってみて「うわあやっぱりくだらねえ」とくだらなさを逆説的に楽しんでしまおうという、まあそういったところである。で、今年もまたくだらない福袋を誰かが買ってきて、そしてその内容のいつもと変わらないくだらなさに無上な喜びを噛み締めたわけだ。ちなみに商品争奪トランプ大会の結果、俺は今年はポーチをゲットしたのだが、これがまた実に使いどころのない大きさで、ノート PC を入れるには小さすぎ、かと言って PDA マシンを入れるには大きすぎるという中途半端さ。相変わらず実用度ゼロのヨドバシカメラ福袋である。

  近くの居酒屋で二次会をしたあと、タクシーで実家に帰宅。年が明けてからどうにも風邪気味だったのだが、ここに来ていよいよ悪化の一歩を辿っているような気がする。咳をすると胸が痛い。気管支をやられたか。


01月02日(火)
  正月気分真っ盛りな新年二日。毎年恒例の新年会回りが、本日から開始である。毎年一月二日から四日に渡る三日間で、俺の実家プレ新年会 → かみさん親戚宅新年会 → かみさん実家新年会 → 横浜友人新年会 → 俺の実家新年会 と、怒濤のような日程であちこち飛び回ることになるのだ。しかし今年の場合は俺の母親が諸事情により郷里(熊本県天草)に帰っているため、俺の実家への新年挨拶は無し。したがって、例年よりも少し落ち着いた新年会回りとなるわけだ。それでも車であちこち移動する慌ただしさには変わりはないが。

  ということで、まずはかみさん親戚宅の神奈川県秦野市へ向かうのである。と、ここで昨年の日記を紐解いてみると、去年の出発時は正月の混雑と事故が重なって、都内を抜ける首都高速は大渋滞だったようだ。今年の場合はどうかというと、さすがに首都高六号の錦糸町付近から箱崎 JCT 、それに続く都心環状線はそれなりに混雑しているものの、いつもの土日と変わらない程度の渋滞で、去年のようにぴくりとも動かずというほどではない。環状線を抜けて首都高三号〜東名高速もほぼ順調だ。しかし反対側の上り方面は、首都高三号線の谷町から用賀にかけてのほぼ全線、東名も厚木 IC の先から横浜・町田 IC を抜ける辺りまで延々大渋滞である。厚木の先も、御殿場の山を越える近辺で相当混んでいるようだ。U ターンラッシュのピークは明日か明後日あたりだろうから、これらの車は行楽帰りか。こんなんじゃ一体いつになったら家に帰れるんだろう。正月早々からご苦労なことだ。

  かみさんの親戚一同が集まっている秦野に到着後、さっそく飲み会に突入である。最初はおとなしくビールを啜っていたが、勧められるままに秦野の地酒を痛飲。少し甘めの大吟醸酒なのだが、甘い割にはすっきりとした飲み口でこれがまたいけるのだ。酒造りには大山山系の水を使っているそうで、さすが水がきれいなところには美味い酒ができるのである。その地酒をかみさん方の親戚の大叔父と差し向かいで杯を酌み交わし、結局そのまま調子にのって、二人で一升近くを飲み干してしまった。ううむ、新年早々飲み過ぎだっての。

  本日はかみさんの実家に泊。


01月01日(月)
  早いもので現住所に引っ越してから五回目の正月である。八年ほど前に結婚して以来、年始の参拝へはその時住んでいる場所の近所にあるローカルな神社にお参りに行くのが恒例となっている。例年同様、今年も歩いて十分ほどの八幡神社へ、年が明けてから二時間ほど経過した頃に初詣へ行ってきた。

  知らない間に雨が降っていたようで、そのせいか思ったよりは寒くない。真っ黒に濡れた道路をとぼとぼと歩いて神社に到着すると、すでにお参りのピークが過ぎているのか、はたまた雨の影響なのか、境内はガラガラだ。さすがローカル神社である。あんまりローカルローカル言うと罰があたるか。って、去年も同じことを思ったような気がするが、とにかくお参りだ。お賽銭を投げて今年一年の願いをかけ、おみくじを引いた。大吉だ。まあ本来大吉はあまり良くない目と言われているが(今が運勢のピークで、これから落ちる一方だから)、今年一年の運気が良いものであるなら、それはそれでいいじゃないか、と思いたい。

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  ということで、明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。


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