みくだり日記    2001年08月前半
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08月15日(水)
  我が家も世間のご多分にもれず、至極真っ当な純日本的兎小屋風集合住宅である。いわゆるところのマンションというやつなのだが、上下左右近隣世帯との平和共存を旨とするとなると、普段はなかなかアンプを通してギターの爆音を轟かすのも難しい。まあやってやれないこともないのが、おそらくものの数分で苦情の電話が鳴り響くか、ドア先に官憲が訪れるかという事態になろう。仕方なしにペナペナの素の音でつつましくギターをつま弾いている私であった。

  しかしそれでは物足りない。何かがとてもやり切れない。瓶底厚の眼鏡をかけ、堅物電子回路技術者とは世間を忍ぶ仮の姿。ひとたびギターを握らせりゃ、そうさ私はろっけんろーらー。ヘヴィでメタルにヘッドバンギング。えぐりこむようにして振るべし!振るべし!振るべし!

  …ということで、今日は某巨大ショッピング施設内にある楽器屋のスタジオを借りて、二時間ほどギターの個人練習をやってみた。こうしてスタジオに籠もるのもいつ以来だろうか。長いブランクですっかり腕は鈍ってしまっているが、これから少しずつリハビリしていけば徐々に勘も戻ってくるだろう。なにせ久しぶりにアンプを通して、正に腹に響くが如く大音量でギターをかき鳴らすのが、こんなにも気分がよいことだったとは。早いところフルのバンドでスタジオに入ってみたいものである。

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  そんな五十六回目の敗戦記念日の本日、本サイトがネットの海に扉を開け放ってから三周年を迎えることができました。まあ三周年と申しましても、一周年というほど気合いは入らず、かといって五周年ほど区切りが良いわけでなし。かように中途半端でどうでもいい記念の日ではありますが、とにもかくにも三年でございます。もうというかやっとというか。長いような短いような。そんな月日の流れであります。

  それにしてもサイト開設当初は、まさか三年後の今日もここに駄文を綴っていることになるとは夢にも思いませんでした。なにせここまで続けて来られたのも、ひとえに本サイトを訪れていただく皆様のおかげでございます。この先一体どこまで続けるのか、当の本人にもさっぱりわかりませんが、もうしばらくおつき合いのほど、よろしくお願いいたします。


08月13日(月)
  今日もまた休日出勤。こんな夏休み真っ最中、なにが楽しくて会社になぞのこのこやってくる奴がいるわけもなく、本日は私たった一人のご出勤である。朝、会社の鍵をあけ、まずはエアコンのスイッチをオン。よどんだ空気を空調で吹き飛ばしたあとは、誰もいないフロアにぽつねんと一人きり。誰もいない。まったくいない。この建物に一人だけ。しゃれで全裸になってみようかと思ったが、バカみたいなのでやめた。今思えばやってみるのも一興だったかも。次にこういう機会があったら挑戦してみたい。

  それにしても休日出勤は本当に仕事がはかどる。なにせ世間様はお休み中、そして弊社も夏休み。くそくだらない電話や退屈な会議も何もなく、集中して業務をこなせたおかげで、目標としていたタスクを全てやり終えた。まったく毎日こうであるなら生産性もぐっとあがるのに、というか、普段あまりに生産性が低すぎるのか。どうせやるなら完全フレックスタイムを導入するべきである。そうすりゃ俺は毎日誰もいない深夜に来て仕事をするのに。

  ということで休日出勤はこれにて終了。明日から本格的に夏休み開始である。


08月12日(日)
  五島プラネタリウム、フルデジタル映像の“ガンダム劇場”に再生
  プラネタリウムが閉鎖したあとは今度はガンダム劇場ですか。ううむ、知らないうちに凄いことになっているなあ。休み中に都内に行くことがあれば、ついでにちょっと行ってみたい気がする。

  しかしどうせやるなら昔の五島プラネタリウムにあった「渋谷の星空」から拝借したご当地もので、「渋谷上空にコロニー落とし」なんてのがあると面白かったのに。109 や東急文化会館の建物はるか上空から迫り来る巨大なコロニー。空を見上げるハチ公とモアイ像。パニックとなって逃げまどうセンター街の若者。おもわず脱線する東急東横線、とか。


08月11日(土)
  夏休み初日は久しぶりの雨になった。とは言っても梅雨時のように一日中しとしとと降り続くというわけでなく、思い出したようにざざっと、まるで南国のスコールのごとく。それにしてもこの前雨が降ったのはいつだったか。少なくとも今月に入ってからは初めてのはずだ。基本的に雨は嫌いだが、そろそろ取水制限云々の声も聞こえるおり、乾ききった街にも人にも有り難い湿り気である。そういえば前回の少雨の時は怪しげな祈祷師による雨乞いをどこかでやっていた記憶があるのだが、今回はどうなんだろうか。

  そんな雨の中を今日は休日出勤。私の真の夏休みは、まだ先の話。

  「姑獲鳥の夏」(京極夏彦:講談社文庫)購入。恥ずかしながら京極夏彦は「どすこい(仮)」しか読んだことがなかったのだが、そろそろ本業の著書もいってみようかと。今年の夏休み課題図書は京極堂シリーズでいってみよう。


08月10日(金)
  今日は久しぶりに早めに帰宅。くそ面白くもない野球中継がやっと終わり、約三十分遅れで始まった「火垂の墓」を見る。が、開始後五分ですでに号泣。しかたなく途中で視聴を断念してしまった。これは一度見れば十分である。二度目以下は正視に耐えません。

  「フレームシフト」( ロバート・J・ソウヤー著:ハヤカワ文庫)読了。
  ハンチントン舞踏病という遺伝子病にかかった遺伝子学者が、わけも判らずに暴漢に襲われ命を落としかけるプロローグからいきなり舞台は第二次世界大戦中のナチ収容所に話が飛び、その後もネオナチによる連続殺人と、その事件に裏で関与する悪徳保険会社、テレパシスト、そしてなぜかネアンデルタール人も登場するという実に派手な舞台設定。基本的には遺伝子をテーマにした SF 小説ということになってはいるが、SF 的要素は非常に少なく、どちらかというとサスペンスもの、あるいはエンタテインメントものといっていいだろう。しかしこんなことを普通に書けばどこかで物語が破綻しそうなものだが、話が進むにつれそれら全ての事項が有機的に結びつき、やがて劇的なクライマックスへと突っ走っていく筆力は、さすがソウヤーである。

  ちなみに主人公の恋人(妻)がテレパシストでアメリカ人。主人公はフランス系カナダ人で、普段心の中ではフランス語で考え事をするから、フランス語がわからない奥さんは旦那の心の中を読むことが出来ないという設定になっている。雑多な言語を使う人間が交わる移民の国ならではの話だが、これが日本だったらなんでも筒抜けで話が進まないところだ。沖縄出身の旦那と津軽出身のかみさんという組み合わせだったらいけるか。

  ということで、明日から夏休み。


08月09日(木)
  昨日は日帰りで鹿児島まで出張。今回の出張は日程はともかくとして、なにもかもかなりタイトな仕事になることは最初からわかっていたことなのだが、結局のところ何一つ成果のあがらない不毛な旅となってしまった。電車、飛行機、バスを乗り継いで九州の南端まで行ったのに。往復六時間、実働五分といったところか。せめてもの救いは鹿児島市内で食べた黒みそラーメンが美味しかったのと、行き帰りの飛行機の中で見た「ピカチュウのドキドキかくれんぼ」が結構おもしろかったということぐらいである。ほんとに何しに行ったんだか。

  見事に空振りに終わった出張から帰り着き、よせばいいのに職場の暑気払い宴会に出るため、羽田からそのまま会社近くの某駅まで。酒でも飲まなきゃやってられねえよ!というわけでもないが、なんだかんだで午前一時半まで飲んでしまった。おかげで今朝はかなりグロッキー気味。午前中はほとんど仕事にならなかった。誰が言った言葉だったか忘れてしまったが、「自分がいかにだらしがないかを確認するために人は酒を飲む」とは、いやはや、まったくその通り、と膝を打つ私である。あほですな。


08月07日(火)
  小笠原付近に居座る台風のおかげか、異常に張り出してきたオホーツク海高気圧から吹き付ける北東の風にさらされ、ここのところすっかり涼しい関東である。まあ涼しいといっても昼の気温は摂氏三十度弱ありアメダスデータ的に見れば十分高いのだが、どんより垂れ込めた灰色の雲によって太陽光線がさえぎられ、体感的にはなんとなく早くも秋といった案配だ。先々週あたりの殺人的な猛暑も、今思えば懐かしい。

  なんて言っていると、台風が抜けた今週末頃から太平洋高気圧の勢力が復活し、再び猛暑が戻ってくるようである。取水制限の声がちらほらと聞こえるおり、どうぞお手柔らかにと思う。ちなみに明日の鹿児島地方の天気は晴れ。予想最高気温、摂氏三十三度。涼しさになれた体にはきつい一日になりそうである。「謝り行脚」で心は冷や汗、酷暑で体は大汗で、せいぜい風邪をひかないように気をつけたい。正直、行きたくないっす。


08月06日(月)
  明後日の鹿児島出張が正式決定。やはり当初の予定通り日帰りとなる模様が濃厚である。ちなみに出先での用件は、おそらく実働時間ほんの一時間ほど。それなのに何が悲しくて往復三千キロもかけて、しかも日帰りしなければならないのか。まあクレーム対応だから早く帰れるのは基本的には良いことなのだが、しかしなにせ日帰りである。本当に良いのか悪いのか。

  それよりもこの夏休み真っ最中の折り、今から二日後の飛行機のチケットなんて取れるのかが心配だ。日程だけは先に勝手に決まったものの、肝心の交通手段が確保できなければ話にならない。まさか、取れなけりゃ電車で行け、なんてことは。さらにダメなら車で行けなんてことは。

  日帰りで結構でございます。


08月04日(土)
  今日も暑し。しかし暑いには暑いものの、空の色や雲の様子になんとなく秋っぽい雰囲気が出てきたような。気のせいですかそうですか。

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  「空想科学「映画」読本」(柳田理科雄著:扶桑社)読了。
  特撮ヒーローものやロボット大戦系アニメなどを科学的に考察し、荒唐無稽な設定はやっぱり本当に無茶だったということを実証した「空想科学」シリーズの最新版。今度の題材は映画である。さすがに長々と続くシリーズものとあって、以前までの作に比べると多少パワーが落ちているような気がするが、それでもネタの取り上げ方や検証・考察法の切れ味は数多の亜流とは一線を画す。味のあるイラストや、紙面下部のちょっととぼけた注釈も健在である。

  そういえばこれを読んでいて、先日イスラエルの医療機器メーカが、マイクロマシン技術を応用した経口カプセル型の内視鏡を発表したことを思い出した。まさしく「ミクロの決死圏」の世界が現実になりつつあることを予感させる。でもやっぱり「反重力を利用した空飛ぶ円盤」なんて当分先だろうな。


08月03日(金)
  携わっている業務の性格上、そのほとんどがデスクワークであり、どこかに外出する機会は元々あまりなかったのだが、今年に入ってからというもの長野やら高知やらと珍しく出張づいている。実はそのほとんどがクレーム処理。いわゆるところの「謝り行脚」であって、知らない土地に行く面白さもある半面、実のところ非常に気が重い旅の数々であった。

  そしてまた来週、おそらく水曜日あたりにまたしても出張となりそうなのである。今度の行く先は鹿児島。そしてまたしてもクレーム関連、しかも今度は日帰りである。そうですか日帰りですか鹿児島ですか。つけ揚げを食っている暇なぞ、到底無さそうである。

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  「羊たちの沈黙」、「ハンニバル(上)(下)」(トマス・ハリス著:新潮文庫)をやっと読了。ようやくこれで「レッド・ドラゴン」から続く「ハンニバル・レクター三部作」を読み終えることが出来た。

  三部作ともによく練りこまれた物語ではあるが、この中ではやはり世間の評判通り第二作が最も優れているか。基本的にはサイコ・サスペンスではあるものの、優雅なる殺人鬼にして人知を超えた怪物ハンニバル・レクター博士と、悲惨な境遇から自らの意志で道を切り開いてきた FBI 捜査官クラリスの、檻を隔てて決してかなうことのない悲恋の物語とも受け取れるところが、なんとも情緒的である。第三作の「ハンニバル」は確かに手慣れてよく書きこまれているが、ちょっとエスカレートしすぎの感がなきにしもあらず。強烈なエンディングもあまりにもあんまりで、なるほど、こういう結末だったらジョディ・フォスターが映画の出演を断るのはわかる気もする。って、確か映画は結末が原作と違ってたのか。

  それにしてもこの希代の殺人鬼、ハンニバル博士の存在感たるやどうか。精神医学者にしてイタリア語など語学にも堪能で、さらに中世の歴史やクラシック音楽に対する深い造詣(ハープシコードまで弾くとは)を持ち、海原雄山も驚くほどの食に関してこだわるグルメ。そうした学識と教養に満ちあふれた紳士ながらも、異常者にして大量殺人鬼とは。古今東西、無敵な善人は限りなく神に近づくが、悪人がエスカレートすると、やはり行き着く先は悪魔になるのですなあ。「ハンニバル」流に倣うならば、ディアブロか。


08月02日(木)
  昨日献血した跡が青白いアザになってしまった。

  以前某医療機関でさる講習を受けたときの血液学かなにかの授業で、受講者同士がお互いに注射を使って相手の血を抜くという、今考えるととんでもないことをやったことがある(念のために言っておくが、これはごく真っ当な企業研修である)。当然みな素人なので注射の針がまともに腕の静脈に刺さるわけもなく、特に不器用な人だと何度も針を抜き差ししてようやく血管をかすめるか、といった案配になる。相手がこういう人だとひじの内側付近はえらいことになってしまうのだが、これも授業の一環とはいえ、針を刺される方はたまったものではない。

  その時の俺の相手というのも、いわゆるそうしたぶきっちょな人であった。緊張に震える手で注射を握りしめ、俺の脈打つ青白い血管めがけて針を突き立てるのだが、これがまた何度やっても失敗につぐ失敗。献血や病院などでは手慣れた看護婦がすっと血管に針を通すからあれだけの痛みで済んでいるが、下手っぴに打たれるとこれがまた猛烈に痛い。正に針地獄である。ようやく針が命中したころには俺の内ひじは青アザが点々と広がり、重症麻薬中毒患者もかくやという悲惨な状態となっていたのであった。

  それ以来、ちょっとだけ注射が嫌いになった私だが、献血だけはこうしてまめに協力している。不思議である。単に景品につられているのか。そういえば献血手帳に押されたスタンプは、次回で二十個目だ。何がもらえるのかなんとなく楽しみである。やはり景品か。


08月01日(水)
  会社にて献血。性格は極めて温厚かつ冷静沈着なれど突発性超多血症気味な私は、こうして血を抜いてもらうことでさらに穏やかな人格となり、誰とは知らぬ誰かのために私の幾ばくかの血液を使ってもらえることとあいまって、正に世のため人のため周囲の人のためという素晴らしき自主的善意行動である。しかし血を抜いてもらうと、なんとなく体がすっきりするのは気のせいか。

  体液のバランスが崩れたり、流れが滞ったりすると病気が起こると考えられていた中世では、「瀉血(血管から血を抜くこと)」が立派な医療行為として盛んに行われていたそうである。当然ながら現代医学ではこうした考え方は否定されているが、しかしあながち間違いじゃないかも、と思ってみた。単に水分取りすぎなのかもしれないが。

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  ★今日の横浜ベイスターズ
  横浜 11 - 5 広島

  破竹の八連勝で勝率五割復帰!この勢いで優勝戦線に殴り込み!と言いたいところだが、この連勝中の相手が今ひとつ覇気のない中日、七連勝したくせにまた勝手にコケた阪神、そして横浜の唯一のお得意さま広島と、単に相手に恵まれただけの結果である。集中連打でビッグイニングは作るものの、チャンスでさっぱり打てないクリーンナップと異常に多い残塁数、酷使しすぎの中継ぎ陣、いまひとつ信用できない抑えの斉藤隆のピッチングと、これから夏の連戦に向けて不安材料はあまりに多く、おそらくこれ以上の連勝など望むべくもない。まあなにせかつては八連勝のあとに十三連敗なんて平気でやっていた大洋球団である。明日からまた連敗街道をばく進するのは目に見えている。この連勝を今年の最後の花として、来シーズンに向けたチーム作りにせいぜい頑張ってほしい。


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