みくだり日記    2001年09月後半
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09月30日(日)
  最近は完全にゲーム上映マシンと化しているテレビの電源をオンすると、画面に久々に映された地上波放送は、ちょうど間もなくゴールというベルリン・マラソンの中継で、画面には力走する高橋選手の姿が浮かび上がってきた。おお、そういえばマラソンがどうしたとかニュースで言ってたか、としばらく見ていると、やがてぶっちぎりのトップ、しかも世界新記録のおまけ付き(おまけとしては逆か)でゴール。フルマラソンを驚異的なスピードで走り抜いたというのに、そこらをジョギングして帰ってきたかのような普通の表情なのがこの人の凄さか。インタビューに答えて「日本に帰ったら美味しいものが食べたい」と言っていたが、この状況で食い物のことを想像するか。やはり怪物ですな。

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  ★久々の今日の横浜ベイスターズ
   横浜 9 − 4 讀賣

  どうせやるなら相手をこてんぱんに叩きつぶして有終の美を飾りたい、という水道橋側の思惑を知ってか知らずか、よせばいいのに打線が爆発。中根、佐伯が讀賣ファン満載のスタンドへボールをたたき込むと、ここのところさっぱり打てなかったくせに石井琢郎や金城までもがタイムリーを放つ始末。しかし点差はまだ五点。最後ぐらいはメイク・ミラクルを叶えてやるかと、せっかく気を使って谷口、川村という火だるま要員をつぎ込んだものの後の祭りで、大量得点差にやる気がなくなった讀賣は高橋が一発を打つのがせいぜいのところ。

  しかしなんと言っても今日はメモリアル・ゲーム。これではさすがにまずいと思ったのか、九回登板の槙原、斎藤から三振に切って取られることでどうにか体面を保とうと、谷繁、小川、ドスターを言い含めて打席に立たせるのが精一杯の横浜。しかし谷繁はなんとか上手く三振したものの、小川、ドスターのバレバレのスイングでインチキが露呈。ごくごく少数の横浜ファンの失笑だけがドームに響く中、なんとも後味の悪い今季讀賣最終戦となってしまった。

  ということで、弱小のくせにすみません。こんどはもっとちゃんと三振します。


09月29日(土)
  会社の実験で使う電子部品を購入するため、昼より久しぶりに秋葉原へ。ラジオデパートあたりをぐるぐると徘徊しても目的のブツがなかなか見つからずに難儀したが、某電子部品屋でようやく発見。その後は某氏宅にて焼肉をごちそうになった。時節柄、牛肉を食するのはちょっとどうかと思わなくもないけれど、考えてみれば人間なんてもともと致死率百パーセントの生き物である。いずれは必ず死ぬ運命。狂牛病なんかクソくらえ。この刹那は、ただひたすら無心で肉を貪り食らうのみである。ああこのプリオンが大変美味い。ちょっと異常な形をしているところが、また美味い。

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  先月に引き続き、今月も某筋より頂いたチケットにて錦糸町の楽天地で「TOMB RAIDER」を見るつもりだったのだが、今日は先行特別試写日ということでチケットが使えず、消去法的にしかたなく同時上映していた「ラッシュアワー 2」を鑑賞。ジャッキー・チェンの主演作を映画館で見るのはこれが初めてかも

  基本的にはどこを切ってもジャッキー印な作品である。さすがに往年の頃合いと比較すると体の切れ(や顔のしわ)に年齢的な衰えが見え隠れしないでもないが、コミカルながらもスピーディーで見応えのあるカンフーシーンや、スタントなしの体当たりアクションはさすがの一言。ジャッキー映画お約束の「ノー・ガン」ポリシーは、ここでもきっちり守られている。体のみを使ったアクションで緊迫感をここまで演出できる俳優って、今やジャッキー・チェンぐらいしかいないものなあ。これがハリウッド製作だったらマシンガンでもバンバカぶっ放してるところだろうけど。

  ちなみにこの映画は、百億円という巨額の制作費をかけてハリウッドで製作されたそうである。アメリカでの評判も上々のようで、同時期に上映されていた「ジュラシック・パークIII」や「猿の惑星」をかなり上回る興行成績を上げたらしい。これで名実ともにジャッキー・チェンはハリウッド進出を成し遂げたと言えるが、しかしかつて何度もトライして叶うことのなかった「アメリカでの成功」を、自分の肉体の衰えを嫌でも自覚せざるをえない年齢になってからようやく手にすることが出来たなんて、なんとも皮肉である。もちろんこれから先もまだまだ第一線でアクション俳優を張るのだろうが、せめてあと十年早かったら、と思っているに違いない。

  ところで本作は、香港のアメリカ領事館が何者かによって爆破されるシーンから始まるのであった。時期が時期だけにかなり衝撃的なイントロシーンである。CM や映画などでは例のテロを想起させるシーンを軒並みカットしている中、カットも編集もせずに堂々と放映するとは配給元もなかなか度胸があると妙な感心をしてしまった。まあ恐らくただ単に差し替えが間に合わなかっただけのことなんだろうが。

  ちなみにストーリーの最後で、主人公たちが「今度こそ仕事を忘れてバカンスを」と乗りこむ飛行機はニューヨーク行き。しかも航空会社はユナイテッド・エアライン(らしい)。悪いこと言わないからその飛行機に乗るのはやめなさい、と画面に向けて呟く私であった。


09月28日(金)
  DYDO の深海生物フィギュアコレクション第二弾。本日の戦果はメンダコとユメナマコ。メンダコはこれで都合二体目である。被ってますがな。今回のフィギュアコレクションは梱包が厳重なので、手探りでは中に何が入っているのかさっぱりわからない。残るはテンガイハタ、ボウエンギョ、シーラカンス、ギンザメ、それと深海探査艇×三。そろそろシーラカンスが欲しい。

  ところでこのコレクションシリーズにはその生物の生態に関する解説が同梱されていて、読んでみるとなかなか面白いのである。光もほとんど届かない深い海の底の、しかも超高圧でさらに極低温という過酷な環境下で、どれもこれもよくもまあ生きていられるものだと思うのだが、なかでもハオリムシなる管状の生物は特に興味深い。なんでもこやつは海底火山など硫化水素を含んだ熱水噴出孔付近に生きる生命体で、口も肛門をもたず、体内に棲むバクテリアが硫黄から作り出す有機物を吸収して成長するということである。硫化水素は人間を含めて通常の陸上生物にとって猛毒。そんなものからバクテリアを巧みに使って栄養素を作り出してしまうなんてとんでもない生物である。まさに深海に適応すべく特異な進化を遂げた、驚異的な生命体である。

  ちなみにこのハオリムシ、フィギュアから想像するに体長はせいぜい五十センチぐらいかという印象だが、解説によると、こいつらなんと三メートルほどにも成長するらしい。かなりでかい。こんなものが海底から何本もユラユラ生えているところを想像するとかなり不気味である。

  ということでペイントツールを駆使して書いてみたのがハオリムシ想像図。書き上げるのに二時間以上かかりました。我ながら力作です。どうですか。アホですな。


09月27日(木)
  間もなく九月が終わり、今年も早十月。秋分も過ぎ、いつの間にか日が落ちるのが早くなっているのに驚いたり。暑さ寒さも云々の如く、あの蒸し暑い夏(今年の関東は後半ちょっと腰砕けだったが)も遠い昔の話のようである。

  と暦の上では秋真っ盛りという昨今ではあるが、この時期、街を歩く人々を見ていると、T シャツに短パン姿でまだまだ真夏っぽい人がいるかと思えば、見ているこちらの方が汗がしたたってくるほどの冬モード厚着の人もいて、人によってこれほど季節感が違うのかとなかなか興味深い。しかしなあ、いくらなんでもマフラーはまだ早いと思うぞ女子高生の人。中尾彬か君は。

  ここでふと耳を澄ますと、コオロギの音に混じって、つくつくほうしの鳴く声が聞こえてくるのだった。人間界のみならず、昆虫界もまだまだ夏秋混在なのだろうか。しかし夏の王者として君臨したはずのその声に、一時ほどのパワーはすでにない。最後の力を振り絞るような、そして去りゆく夏を懐かしむような、そんな超スローテンポかつダミ声での、つくつくほうしの咆哮である。

  「じ、じぃぐ じぃぐ う゛ぉぉしっ」

  西川のりおか貴様は。   


09月26日(水)
  今日の深海生物はホソミクジラウオをゲット。コンプリートまであと七つ(深海生物四+深海探査艇三)か。正直言ってこの飲み物、まずくて飲めやしません。

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  前回のフィンランドから一ヶ月。WRC 第十戦は、場所を南半球にかえてのニュージーランド・ラリー。

   ニュージーランドはフィンランドと同様にいわゆるグラベル(未舗装路)タイプのラリーだが、固く乾いたフラットダートが延々と続き超高速スプリントレース(最高速度は時速二百五十キロ近くになるらしい)となるフィンランドと違って、路面には埃や砂利が多く、さらに道路の断面がカマボコ型に作られているため、路面を見抜く眼力と繊細でテクニカルなドライビング、そして時にはチームとしての戦略が必要とされる。

  そんな砂利の魔術にはまってしまったのが、王者トミ・マキネン(三菱)。現状の WRC のルールでは、ラリー初日(レグ 1)はその時点でのポイント上位から順に出走する規則になっている。一番手で走ったポイント・リーダーのマキネンは、道路に敷き詰められた砂利にグリップを奪われてタイムが全く伸びないばかりか、後続車のために路面の掃除役をするはめに。おかげでレグ 1 が終了した時点で、トップから二分以上遅れてしまうという非常に苦しい展開となってしまう。いくら王者とは言え、初日でいきなりそれだけ遅れてしまうと後の挽回はかなり厳しい。二番手スタートのコリン・マクレー(フォード)も荒れた路面に苦しめられ、「この路面では九番、十番あたりがもっとも走りやすいだろう」とボヤくが、それを聞いたマキネンは「二番手でも最初に走るより百倍も楽だ」と憤懣やるかたなしというコメント。まことにおっしゃる通りでございます。ちなみにマクレー氏、ボヤきながらもレグ 1 終了時でトップから三十秒差とまずまずの位置につけるあたりが抜け目ない。

  ところでこの出走順序は、初日に限ってはその時点でのシリーズポイント順となるが、二日目以降は前日のタイム順に出走することになっている。そのため、ほとんどのドライバーはライバル達のラップを横目にしてわざとタイムを遅くする、“位置取り”のための駆け引き作戦に出てしまった。確かにそうした行為も戦術の一つと言えばそれまでだが、自転車競技じゃあるまいし、誰もそんなゆっくり走る WRC なぞを期待しているわけではない。おかげで今ひとつ盛り上がりにかける展開になってしまったのは事実である。三戦後のオーストラリア・ラリーでは、前日のタイムから順番に出走順を選択できるように規定を変更するらしいが、ニュージーランドでも適用できなかったのか。

  有利な出走順番争いを巡って姑息な戦略ばかりが目についた初日から、明けて二日目(レグ 2)、いきなり飛び出したのがリチャード・バーンズ(スバル)。このところの「万年二位」の汚名返上と悲願の今期初優勝を目指して大爆走し、八つの SS (スペシャルステージ:タイムを計測する区間)中、六つでトップタイムを叩き出し、残りの二つでもセカンドタイムをラップするという正に鬼神の如き走りを見せる。かねてからグラベルラリーでの出走順について不満をぶちまけていたバーンズ氏、走りでその鬱憤を晴らしたということか。レグ 2 はそのままバーンズがトップに躍り出、二位には四十秒差でマクレー、三位にハリ・ロバンペラ(プジョー)。マキネンは前日の十四位から六人ごぼう抜きの七位と挽回したが、それでもトップのバーンズからは二分四十秒差。二日目にしてすでに勝利は絶望的。初日のタイムロスがあまりに痛い。

  それにしても、もともとグラベルには弱いとされるプジョーで、しかも前回フィンランド・ラリーの覇者マーカス・グロンホルム(プジョー)ですらトップから一分四十秒差の五位と振るわない中、このロバンペラの躍進はどうか。今回もマニュファクチャラーズ・ポイント対象外(一チーム二人までで、プジョーはグロンホルムとディディエ・オリオールをノミネート)と何故かチームからの信頼度はあいかわらず今ひとつだが、めげずに是非とも頑張ってほしい。同い年だし。

  最終三日目(レグ 3)。暫定首位バーンズは暫定二位の宿敵マクレーに約四十秒差をつけてスタート。しかし先頭スタートのためやはりタイムがあがらずマクレーに徐々に追い上げられ、一時は 14.7 秒差まで詰め寄られる。しかし SS23 でマクレーが痛恨のスピンで大きくタイムロス。最後はいきなり楽な展開になり、結局マクレーに 44.6 秒差の大差で今シーズン初優勝を飾った。よもや今年は一勝もできないかと思っていたが、これで悲願の万年二位脱却である。以下、三位にはロバンペラ、四位にカルロス・サインツ(フォード)、五位にグロンホルム。マキネンは最後にペター・ソルベルグ(スバル)に抜かれ、結局八位でフィニッシュ。グループ A ランサーの最後の花道を飾ることは出来なかった。初日のタイムロスが最後まで響いてしまったわけだ。ううむ、悔しかろう。

  二位にマクレー、そしてマキネンが八位ノーポイントとなって、ドライバーズポイントはついにマクレーがマキネンに同点で並ぶ首位に。バーンズも念願の一位フィニッシュとなり、これでドライバーズタイトル争いに首の皮一枚で残ったというところか。マニュファクチャラーズポイントは、マクレー、サインツが順当にポイントを稼いだフォードがノーポイントの三菱を抜き去り暫定首位に。こういうときはマキネン一人におんぶに抱っこ状態の三菱は辛いですなあ。

  という結果でニュージーランドは終わり、WRC の次なる舞台は再びヨーロッパに移ってのサンレモ・ラリー(イタリア)である。砂利とほこりにまみれたニュージーランドと違い、サンレモはオール・ターマック(舗装路)でのラリーとなる。ターマックとなればやたら速いプジョーとシトロエン、対してついに登場するランサー WR カーで挑むマキネンという構図になるのか。バーンズ、マクレー、サインツだって黙ってはいまい。来週末が楽しみである。

  (参考 URL:   三菱 WRC 2001   スバル MOTOR SPORTS MAGAZINE


09月25日(火)
  DYDO の深海生物フィギュアコレクション第二弾。現在のところの戦果は、メンダコ、テンガンムネエソ、マッコウクジラ、ハオリムシといったところ。なかなかシーラカンスも深海探査艇が当たりません。こうなったら、やるか。大人買い。

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  三連休明けの火曜日。俺を雇用する会社の労働組合の組合大会に出席するため、夕方から都内某所へ。この組合大会は年一回の恒例行事となっていて、組合活動の一年間の総括的な意味あいの集まりである。これが高度経済成長の折りでもあれば、職場環境の改善や賃金闘争を少しでも鼓舞するため、諤々と紛糾する熱い議論の場となったのであろう。しかしそうした時代はバブルの幻影とともにとうに過ぎ去りし過去。現代のユニオン集会は、前期の活動報告、今期執行部の紹介、予算決議といった事柄を、あくまでも様式に沿いつつ、そして限りなく儀式的様相を呈しながら、予定調和を良しとするある意味平和な単なる確認の場に成り下がってしまった。

  それだけのために数百人からの人間を一堂に集める必要があるのかどうか。それでも違う事業所に勤務している関係上、一年でもこの場でしか会わないような人に会えるわけで、そういった意味では出席する価値はあるのかもしれない。ただの同窓会とも言うが。

  しかし労働組合っていう存在自体、意味合いが希薄になっているような気がする。もちろん無くなったら無くなったで困るのはもちろんである。賃金も福利厚生も、完全に会社経営者の言いなりになる恐れがある。しかし低成長時代に入り年功序列の賃金体系が崩壊して雇用状況が大きく様変わりしつつある昨今、こうした業界横並び、みんなで手と手を取って一緒に闘いましょう的な組合活動は、とっくの昔に有名無実化しているような気がしないでもない。


09月24日(月)
  えー、最近こんな音楽聞いてます。

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  「Seven Hills」 ANTHEM
  八十年代から九十年代にかけて活躍した日本産パワーメタルバンドの重鎮の、約九年ぶりになる再結成第一作。ラインナップは柴田直人(b)、アニメタルで有名な坂本英三(vo)、清水昭男(g)、そして元 E.Z.O. の本間大嗣(dr)という顔ぶれ。音楽的には若干のモダン要素が入っていながらも基本的には初期〜中期 ANTHEM そのもの。タフでマッシーなリズム隊の上に疾走感あふれるギターリフが絡みつつ、どこかもの悲しくもメロディアスで印象的なメロディラインが乱舞するという、正に柴田直人節全開の楽曲が満載され、オールドファンなら涙無くして聞けない作品に仕上がっている。ところどころに DEEP PURPLE や RAINBOW へのリスペクトが見え隠れするのも、実に「らしい」という感じで微笑ましい。「新世紀の“Mistreated”」とでも言うべき十曲目の「モロ」さ具合なんて、Ritchie Blackmore 御大が聞いたらどう思うか。
  それにしても驚くべきは坂本の成長ぶりで、八十年代とは比べものにならないほど歌唱力がアップしている。アニメタルでの血管がブチ切れんばかりの絶叫は無駄ではなかったということか。正直、見直しました。

  「Fires at Midnight」 BLACKMORE'S NIGHT
  その御大 Ritchie Blackmore 師匠と、その愛人で美しき歌姫 Candice Night 嬢の、中世ルネッサンス風吟遊詩人系フォークロックプロジェクトの三作目。前二作のインパクト故か、聞き始め当初はさすがの御大をもってしてもいい加減やり尽くしたのかという感が無きにしもあらずだったが、聞き続けていくうちにそんな思いも霧散してしまうさすがの一作。基本的にはアコースティックプレイが中心だが、本作ではよりフューチャーされたエレクトリックプレイがまた良い。やっぱりこの人のギターにはマジックがあるんですなあ。前二作とくらべると本作では比較的押さえ気味ではあるが、Candice Night 嬢のまるでヒーリングミュージックのような純朴で透き通る歌声と、御大以外の何者でもない哀愁たっぷりのメランコリックなギタープレイに浸っていると、体中に溜まりに溜まった毒気がすっかり癒されるようである。
  それはそれとして、いくらラヴラヴぶりをアッピールするにしてもさすがに全 17 曲 70 分はいくらなんでも長すぎやしませんか師匠。ついでにジャケットに写った鼻の下、こっちも異常に長いっす。

  「Silence」 SONATA ARCTICA
  衝撃のデビューアルバムから約一年。メタルマニアなら誰もが待ち焦がれていた(と思う)、フィンランド出身ネオ・クラシカル系スピード・メタル・バンドの新作。二作目となる本作は、格段に成長した演奏力とさらに豊かさを増した表現力を持って、期待以上の素晴らしい作品となった。
  疾走感のあるドラマティックなメタル・サウンドに乗って、天を突きそうなハイトーン vo がワビサビの効いたフックのあるメロディを高らかに歌い上げ、ハイテク系 g と key が激烈なインスト・バトルを繰り広げるといういかにも日本人好みのする基本スタイルは前作より変わらないが、サウンドプロダクションの向上もあいまってか、前作で垣間見られた野暮ったさ、言い換えればイモ臭さが消えたのが成長の証と言えるのかも。ハードに疾走するスピードチューンはもちろん、key をふんだんにフィーチャーしたメロウなバラッドもぐっとくる。
  しかしまあ、これだけの実力を持っていまだ平均年齢二十歳そこそこって、君達、いったいどこまで行くのか。邪な道に逸れず、どこまでも真っ直ぐに育ってほしいと、遠い空の下おじさんは願っております。

  「IOWA」 SLIPKNOT
  ギター二本の通常の五人編成に、DJ、サンプラー、パーカッション二人を加えた異形九人編成によるデス・ブラック系猟奇趣味的激烈重低音バンドのセカンドアルバム。怒りと悲しみと憎しみに満ち満ちた病的なサウンドであることは前作のデビューアルバムとそう変わらないが、本作ではよりデス、グラインド系に接近したスラッシーな暴虐性と凶悪度が格段に上がっており、汚物をぶちまけるが如く吐き出されるネガティヴな感情に浸っていると、だんだん脳髄が麻痺して快感に変わってくるのが不思議。痛い痛いもやがて気持ちよくなる SM の感覚か。
  ただそういう凶悪系デスというだけなら凡百のモダンヘヴィネス一派と一緒だが、そんな極悪轟音サウンドなのに、それでいて曲ごとにキャッチーな部分が必ずあるのがこの連中の凄いところ。「鼻歌で歌えるデス・グラインドコア」ってバンドも今のご時世なかなか珍しい。しかしこの人達、あんなお面を被ってよくも楽器の演奏が出来るものだと感心してしまうが、汗だくになって顔面汗疹だらけになりはしまいかといらぬ心配をしたくなる。やはり皆さん、ライヴの後にはベビーパウダー御用達ですか。
  ちなみに私のお気に入りはサンプラー担当の #5 氏。ハリセンボンみたいなトゲトゲと口のチャックがプリティ。

  「Re:Works」 RED WARRIORS
  一昨年、二回目の再結成を果たした日本の伝説的ロックバンドの、デビュー十五周年を記念したセルフカヴァー集。リズムトラックすら使わず、ほとんどが一、二テイクの一発録りでレコーディングされたというだけあって「生っぽさ」満点で、まるで場末のライヴハウスで聞いているような感じがするが、逆に「ライヴが命」というこのバンドの特徴がよく表れている作品になった。
  収録されている楽曲は代表曲プラス各メンバーの思い入れのある曲という構成で、基本的にはオリジナル通りの演奏だが一部に新解釈的なアレンジが施されており、それなりに耳新しく楽しめる。この中で個人的には「John」がお気に入り。オリジナルより少し押さえ気味のメロウなアレンジと、田所豊の思い入れたっぷりなヴォーカルが素晴らしく、曲の持つ味わい深い情感をより一層引き出していると思う。特に「N.Y.の夜に銃声が響いて」という下りでは例の事件と重ねてホロッときてしまった。歳を取ると涙もろくなっていけない。
  それにしてもこのいかがわしさ、猥雑さ、そしてカッコ良さはどうだ。今時の去勢済みタマ無しフニャチン歌謡バンドが百年経っても、この連中の真似は塵ほどもできまい。こういうのを本物のロックバンドと言うのですよ。

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  ということで、どうですかお客さん。
09月23日(日)
   Osama bin Laden 氏。現時点における世界でもっとも有名な人物の一人と言えよう。そんな御仁であるにもかかわらず、テレビニュースや新聞での氏の表記を見てみると、「ビンラディン」「ビンラーディン」、あるいは「ビン・ラディン」と「・」(中黒)が入ってみたりと今ひとつ統一性に欠けるようである。いったいどれが正しいのか。

  大学四年の卒論研究は某大学の研究室に居候していたのだが、そこの研究室に中東某国(イスラム教徒)からの留学生がいて、彼から名前について聞いたことがある。それによると「イスラム系の名前では『bin』 は『息子』を示し、『bin』 の後ろは父親の名前」ということであった。例えば、

  A bin B

  は「B の息子 A」という意味になる。ちなみに本人が女性の場合は「binti」となり、同様に「B の娘 A」ということになる。

  件の Osama bin Laden 氏の名前も同様なルールで名付けられているとすると、Osama bin Laden は「Laden の息子 Osama」という意味になるわけだ。つまりは「bin Laden 氏」は「Laden の息子 氏」と称していることになる。メディアなどで人の名前を表記する場合は「姓」を書くのが一般的であり、「誰それの息子氏」などというこの表記はちょっとどうかと思う。聖書じゃあるまいに。

  しかしさらに調べてみると、そもそもイスラムにおいては姓という概念はないらしいのだ。それはそれでなかなか興味深い知見であるが、そうすると Osama bin Laden 氏の呼称としては「Osama 氏」が一番しっくりくるわけである。

  それはともかくとして Osama 氏、「オサマ」なのか「ウサマ」なのかだけははっきりしてほしい。


09月20日(木)
  朝から都内某所にて講習会に出席。内容は品質システムとリスクマネージメントの国際規格に関するもの。一般的にこの手の講習会は通り一遍の表層的な解説しかされないことが多く、正直言ってこんな講習会に出ずとも規格書をじっくり読んだ方が話は早いことも多々あるのだが、たまにはこうして外の空気を吸うのもまたよし。毎日会社の机にへばりついてばかりじゃマンネリになるし腰も重くなる。結局台風は東にそれて雨も降らなかったのも助かった。せっかく傘を持っていったのに使わず終いだったが。

  しかしまあ品質やらリスクやら、何はなくとも規格・規制の世の中である。もっともこうした規格や規制は本質的にはユーザ保護の立場から作られたものであり、言っていることは至極ごもっともという内容ではある。しかしメーカの技術屋という立場の本音を言うと、なんとも口やかましい世の中になったものだと思う。人間だもの、少しぐらいいい加減でいいじゃないか。だめですかそうですか。


09月19日(水)
  「ACECOMBAT04 shattered skies」ハマリ中につき寝不足な日々。明日は朝から都内に外出なので、今日はゲームも適当に切り上げて早く寝ようと思う。

  台風来てるんですけど。


09月18日(火)
  アメリカを中心とする国際情勢は、いよいよキナ臭くなってきた。すでに目標人物は地下に潜った(物理的にもそうだったりして)と噂されるものの、アメリカ及び同盟国軍による報復攻撃 x-day へのカウントダウンは猛スピードで進行中といった案配である。さてそうなると気になるのは日本の対応は一体、ということだが、またぞろ「検討中」のオンパレードでどうにも進路は定まらない。このままいけばまた金だけは取られるだけむしり取られて、そのくせ貢献度ゼロだよこのチキンなジャップども!と罵られること必至の状況だ。先のテロでは多数の同胞が犠牲になった。ここは当事者としてガツンと一発言ってやれよと思うのだが、なんとなく湾岸戦争の時と同様、戦闘が始まるどころかとっくに終わった頃になっても延々「検討」してそうなのが情けない。

  それはともかくとして戦争である。アメリカの各軍事施設では来るべき日に向けての演習に余念がなく、日本でも厚木基地では夜間の離発着訓練が続けられているそうである。厚木周辺在住の方々は、日本を代表して世界の緊張を肌に感じているわけで、さぞや大変だろうと思う。ガンガン戦闘機が飛んでうるさいし。

  ところでこの厚木基地、その名の通り神奈川県厚木市にあるものとばかり思っていたのだが、調べてみるとその所在地は厚木ではないのであった。ではどこかというと、綾瀬市と大和市にまたがるように位置し、厚木からは実に四キロも離れているとのことである。元神奈川県在住者としてそんなことも知らんのかと言われそうだが、知らんものは知らん。私に限らず多分厚木や綾瀬、大和市およびその近辺の住民以外は、ほとんどが厚木基地は厚木にあるものと思っているだろう。違いますか神奈川の人。

  ではなぜ厚木基地と呼ぶのか。自衛隊厚木基地の Web サイトによると、実はよくわからないらしい。なぜこれほどの施設名の由来もわからないのか不思議なような気もするが、戦中戦後のどさくさで資料が霧散してしまったのだろうか。

  で、このページには以下の三つの説が取り上げられているのだが、どれも珍説風なのが笑える。

  ■綾瀬や大和よりも厚木の方が有名だから説
  そもそも現在では厚木基地があるから厚木の知名度の方が上なのであって、「卵が先か鶏が先か」的謎かけみたいな説である。もし基地がなかったとすると、東名高速の渋滞の名所として有名な「大和バス停」があるぶん、大和市に軍配が上がるか。

  ■開隊当時の司令部が厚木町にあった説
  一度「厚木」の名を語った以上、その後の便宜などを考えるとなんとなくありそうな話ではあるが、しかし「厚木に所在した航空隊が厚木町に司令部を設置した記録はなく根拠に乏しい」なんて書いているあたり、本当に根拠が薄いのだろう。というか、そう考えるなら何故書きますか。

  ■所在地隠蔽説
  「命名による基地隠匿の効果はなかったであろう」って、そりゃ四キロしか離れてないんだし…。

  ということで、これら解説によって命名の謎はさらに深まるばかりであるが、この中では「厚木有名説」が比較的ましだろうか。それでも「千葉にあるのに東京ディズニーランド」や「茨城なのにハワイアンセンター」と同じレベルというわけである。それでいいのか厚木基地。


09月17日(月)
  テロ事件ですっかり影が薄れてしまったのは狂牛病騒動だが、さらに影が薄れたというか、妙なとばっちりを受けてしまった「ACECOMBAT04 shattered skies」である。なにせ件のテロ事件が飛行機でビルに突っ込むというとんでもない代物。おかげで戦闘機を駆ってドッグファイトや爆撃を思う存分ぶちかますぜ!というこのゲームの CM は、発売日直前の盛り上がり時にもかかわらず哀れ放送自粛の憂き目にあってしまったのだった。ゲームはあくまでもゲームであって、それ自体もちろんなんの罪もなく、ましてや邪悪なテロなぞとは一切関係はない。とはいえ、まあ確かにタイミングが悪い。悪すぎる。なんでまたこんな時にだテロリストな人。ナムコの皆さんは、きっとブッシュ大統領の「報復」推進政策に拍手喝采しているに相違ない。

  あの、もしかしてナムコさん。隠しモードでラスボスがアフガンに潜伏中のあの人なんてのが仕込んであるとか。するとやはり作戦コードネームは「高貴な鷲」とか。ラストウエポンは鍵付きの赤いボタンとか。


09月16日(日)
  テロ事件ですっかり影が薄れてしまったが、日本にだって狂牛病騒動がある。

  なんでも今年の七月、ヨーロッパの狂牛病対策委員会が日本での狂牛病の発生危険性について報告書をまとめようとしたところ、何を考えたか日本農水省は「必要以上に危険性が強調される」と抗議して報告書作成を握りつぶしたという。そんな正気の沙汰とは思えないことをしたたった二ヶ月後、千葉で狂牛病と見られる牛が発見された。

  さらに農水省の狂気は続く。当初この牛は「焼却廃棄された」と発表していたのだが、その後の千葉県の調べで処分されたのは検査に使用した頭部だけで、その他の部分は飼料を作る業者で肉骨粉に加工されていたという。しかもこうした加工の事実が判明した後もすぐに公表せず、「焼却処分されたものと勘違いしていた。あれは間違いだった」と釈明する始末。この肉骨粉こそが、日本にも狂牛病が渡来するルートではないかと心配されていたものであり、この流通を止めないかぎり日本での狂牛病の蔓延は防げないというのに。怠慢という以前に狂っているとしか思えない。そのくせ「風評被害にご注意を」なんて、お前が言うなと俺は言いたい。

  千葉県内では千葉市や市原市などでは、学校給食から地元産の牛乳を使用しないことを決めたらしい。狂牛病発生地から目と鼻の先である我が家近辺でも、近所のスーパーに行くと「(狂牛病が発生した)白井産の牛乳や肉は一切販売しておりません」なる張り紙がおかれている。過剰な心配は確かに風評となりえるわけだが、しかし過敏になるのもわからないでもない。なにせお上がこんな調子じゃ、いったい何を信じればいいのか。自分の身は自分で守れ。しかしそれにだって限界はあるのだけど、とにかく狂牛病に対する正しい知識を得ることが、まずは第一の方策である。

参考:
牛海綿状脳症 -BSE- (狂牛病)のページ
狂牛病の正しい知識


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