みくだり日記    2001年10月前半
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10月15日(月)
  この十月で母親がめでたく(かどうかは知らない)還暦を迎えることになった。不承の息子の私が言うのもなんだが、なんとも早いものである。ともかくどこかでお祝いをと希望を聞いてみたところ、中華が食いたいとのたまう。しかもできれば北京系がよろしいとのこと。老齢の口に味の濃い北京料理はちょっとどうかと思わないでもないが、まあ希望とあらば尊重し、いろいろ調べて横浜中華街の華正樓を予約してみた。ということで、土曜日は両親、弟一家合わせて総勢八人で会食。

  席に着きしな、まずはクラゲと鴨のロースト、ピータンの前菜でスタート。その後フカヒレのスープ、鰻の唐揚げ、ホタテと牛肉の煮物と続き、ナマコとアワビの煮物、伊勢エビのチリソース和え、海老蒸し入りの点心、炒飯、定番北京ダック、そしてマンゴプリンと杏仁豆腐のデザートで締めという全十品のメニュー。前日のバリウム検査のせいか胃腸の具合は本調子ではなかったが、当日昼食をできるだけ軽めにして万全の態勢で臨んだおかげか、大変おいしく料理を堪能することができた。なかでも伊勢エビのチリソース和えとフカヒレスープは絶品。久々に生きてて良かったと思った私だ。

  ちなみに私、かつて横浜に二十五年間住んでいながら、こうして中華街でまともに飯を食うのは数えてこれで三回目である。横浜出身者の誰もが中華街の達人であると勘違いした人に過去会ったことがあるが(本当にいた)、実情は大概こんなもの。なにせマリンタワーだって登ったことないのだ。

  ともあれ、喜んでいただけたようでなによりな週末。


10月12日(金)
  ということで初バリウムであった。飲んだのは噂のいちご味などではなく、文字通り味も素っ気もないほとんど無味なプレーンもの。事前に伝え聞いていた「まずい」だの「人の飲むものではない」などという噂にかなりビビっていたが、この程度ならコップ一杯であれば苦もなく飲める。しかしその後に飲んだ発泡剤、これが辛い。粉末を飲み下した途端、発生したガスによって胃が急激に膨張してくるのがわかる。腹の中にエイリアンを飼っていたあの宇宙船乗組員の気持ちが、今ならイヤというほどよくわかる。そして猛烈にせり上がってくるゲップゲップゲップ。「できるだけ我慢してください」と、にこりともせず極めて事務的口調で担当検査技師はほざきやがるが、誰が我慢できますかこんなの。絶え間なく漏れ続けるガスとこれぞ真の腹部膨満感に耐えながら、まるで宇宙飛行士の何かの訓練のように検査台上で天地左右ぐるぐる回され、検査はなんとか無事終了。疲れた。

  そして下剤。効きすぎですがな。なにからなにまですべて出ました。

  明日は横浜中華街。飯なんか食えるのか俺は。


10月11日(木)
  社内の知人は、とある国際会議に出席するため今週の頭からヨーロッパに出張するはずだったが、参加者のほとんどが出席を拒否したため、会議そのものが中止になったそうである。まあそれはそうだろう。この時期、誰が好きこのんで飛行機に乗って欧州になぞ行くだろうか。事と地域によっては自国にいるより安全かもしれないが、やはり確率を考えると腰が引けるというものだ。

  ということで、結局のところ来月のドイツ行きは中止が濃厚、というよりも決定と言っていいだろう。まあ飛行機がダメなら比較的安全そうな別の手段で、となるとおよそ現実的とは思えないが、日本からなら一度ロシアに渡ってシベリア鉄道にてモスクワ経由で行くという手もある。あとはヒッチハイクとか。ドイツに着く頃には戦争も終わってる。

  そういえばちょうどその出張期間中にはこんなのがあって、日本にいないから見られないと諦めていた。その点では嬉しい予定変更とも言えるか。まあ異国の地で見えない恐怖に怯えているより、どこかの山の中でぼーっと空でも眺めていた方が平和でいい。でも流れ星といっしょに核弾頭付きミサイルが飛んできたらどうしよう。

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  明日は会社の健康診断。私も今年からついに成人病検診である。まだまだ先よと思っていたのに、いつの間にか身も心もすっかり中年の仲間入りということである。まあ何か体にガタが来るなら、年齢的にいってもそろそろかもしれない。とりあえず何某かの自覚症状はないにせよ、どんな病が隠れているやもしれない。少し細かく調べてもらうことには一向に異論はない。

  のだけど、バリウム検査のために今日の夜九時以降は一切の飲食禁止というのが、こうまで辛いとは思わなかった。もともと夜はほとんど飲食しないのに、ダメだと言われると何故か無性に腹は減るし喉が渇く。今も風呂上がりにこうして PC に向かっているのだが、なにせ喉が渇いて仕方がない。ついさっきも気がつくとコップを片手に洗面所に立ちつくしていた。いかん。水も飲んでもいけないのだ。すべては明日の検査のため。ああでも水が飲みたい無性に飲みたい死ぬほど飲みたい。こうなったら蛇口を針金でしばっておくか。力石徹か。

  おまけに明日の朝は検査までタバコもダメだそうで。もしかしてこれは何かの罰ゲームなんでしょうか。


10月10日(水)
  予報通りに朝から雨。なのだが、これがまた尋常ではない降り方。よくある「バケツをひっくり返した」というほどでもないにしろ、水を並々と注いだ大きめの丼をテーブルの上から落っことしたぐらいか。どういう喩えだ。

  なにせ強烈な雨である。おまけに風も強いため、時折バシャバシャと轟音を立てつつ盛大に振りまくって、車のワイパーを全開動作にしても叩きつける雨で視界がほとんどきかないほど。雨が上流から集まってくるような坂の下付近の道路は、いたるところで即席の河川と化していた。おかげで道行く車の列は水たまりを避けるようにノロノロの渋滞。危うく遅刻するところであった。まあ今朝は若干寝坊気味で家を出る時間も遅かったのだが。

  それにしても秋だというのに今週は雨ばっかりよのう、とふと思うに、そういえば週頭の月曜日に久々の洗車をしたのだった。どなたか存じ上げませんが、喧嘩売ってますか。


10月08日(月)
  今日は久々の休日出勤でありました。1.6mm の大きさの電子部品を 0.5mm 間隔でひたすらハンダ付けするとか、まるで米粒に般若心境を書くが如く細かい作業を朝から夕方まで日がな一日延々やっていると、とあるフレーズが頭の中から離れなくなるのでございます。
  「目、肩、腰に、えすふぁいとっ!」

  言ってる場合か。ああ具合わりい。

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  世界ラリー選手権(WRC)第 11 戦は、二週間前の南半球ニュージーランドから舞台を再びヨーロッパに変え、イタリアでのサンレモラリー。

  アルプスの山の中を縫うサンレモのターマック(舗装路)コースは中速コースが主体で、コルシカほど低速ではなく、カタルニアほど高速ではないという状況で、比較的スペシャリスト的要素が少ないと言われるレースではある。しかし、そこはやはりターマック。伝統的に舗装路には圧倒的に強いプジョーとシトロエンのフランス勢ががぜん有利なのは明白。そのフレンチ・モンスター達と、ニュージーランドでリチャード・バーンズが今季初優勝して盛り上がるスバル、ポイントリーダーのフォード、そして今回からランサーエヴォリューション WR カーを初投入する三菱というワークス勢がどう戦うのかが見物であった。

  最終的には昨年の優勝者、ジル・パニッツイ(プジョー)が三日間ほぼ独走態勢で勝利。二位にはセバスチャン・ローブ(シトロエン)が入り、やはりフランス勢強しという結果に終わった。フォードはカルロス・サインツが四位、フランソワ・デルクールが六位、そしてコリン・マクレーが八位に入ってなんとか体面を保ったものの、スバルは期待のリチャード・バーンズが初日初っぱなの SS1、しかも走り出してたった 4km でコースアウトしてリタイヤしたのをはじめ、唯一の日本人ワークスドライバー新井敏弘は二日目 SS8 でタイヤホイールが外れてリタイヤという体たらく。ペター・ソルベルグが九位に入ったのがせめてもの救いか。

  注目の三菱ランエボ WR カーも全く振るわず、マシン・セッティングやデフの電装系トラブルで悩まされた末に、SS15 でトミ・マキネンがクラッシュして終了。セカンド・ドライバーのフレディ・ロイクスが十二位に入ったのがせいぜいというところ、という結果となった。エボ乗りとして、特に WRカーのデビュー戦である今回のサンレモは、個人的にはぜひとも頑張ってもらいたかったが、デビューしてすぐに結果が出せるほど今の WRC は甘くないということですか。今回は残念な結果に終わってしまったけど、ニューマシン自体のポテンシャルは誰もが認めるところではある。次回以降に期待だな。

  ドライバーズポイントは、マキネン、マクレー、バーンズのトップ陣が完全不発に終わったため順位に変動はないが、マニュファクチャラーズポイントは今回も手堅くポイントを稼いだフォードが総合八十三ポイントとし、今回はわずか一ポイントしか獲得できなかった三菱(六十七ポイント)をじりじり引き離して首位固めの態勢。今回一気に十七ポイントを荒稼ぎしたプジョーがスバルを逆転して三位に浮上し、三菱に迫る勢い。次のツール・ド・コルスもターマックなので、プジョーのごぼう抜き二位浮上も充分あり得る。危うし、三菱。

  ということで、ドライバーズもマニュファクチャラーズも、ここまでポイントが接近した争いは近年珍しい。見ている方は大変楽しいが、やってる方は一瞬たりとも気が抜けずにさぞや大変だろう。WRC サーカスも今季残るは三戦。さてどうなることやら。


10月07日(日)
  なんて昨日の日記に書いたからか、米軍によるアフガン空爆が開始。恐るべき符合に戦慄する私である。ただの二日酔いの戯言に符合もヘチマもないが。

  そういえば本来なら来月に仕事でドイツに行くことになっていたのだけど、こんな御時世じゃやっぱり中止だろう。またドイツビールがたらふく飲めると個人的には楽しみにしていたのに、それもこれも命あっての物種である。でも日本にいたってどうなることやら。


10月06日(土)
  昨晩はあまり飲んだ記憶はないのだが、しかしいつもの酒飲み翌日のご多分にもれず、案の定今日も腹の調子が悪い。こんな具合であれば、できれば一日静かに寝て暮らし、腹に巣くう悪魔が去ってくれるのをただひたすら待つのが本道。というか願望。だが今日はどうしても出掛けなければならない用事があるのだった。何故に今日か。どうしていつもこうなのか。

  這い出るように家を出で、電車に乗る私である。土気色の乾いた肌。虚ろな目。口からダダ漏れるエクトプラズム。そんな姿の私を見て、生きる屍と妻は言う。ああ屍上等。アフガン空爆も結構だが、その資金を使って二日酔いの特効薬を開発した方が人類の恒久的な平和に役立つのではないか。車窓に浮かぶ黄色い太陽を眺めつつ、私はつとにそう思うのであった。ああ、イスラムの人は酒はダメでしたか。


10月05日(金)
  会社までの道すがらにパチンコ屋が何軒かあるのだが、ここ数日というもの、朝っぱらから長い行列ができていたのだった。そういえば私もその昔のとある一時期、パチンコ屋に日参していたころもあった。ずいぶん稼いだような散財したような。あの時使った金が今あれば、もっと有効な使い方もあったろうにと思う。それにしてもこの行列、いわゆる新装開店というやつとはちょっと違うようである。どこの店もことごとく長蛇の列。ほとんど同じ地域でこんなにも一斉に新装開店するとは思えない。

  と思っていたら、なにやらあるメーカの特定のパチスロ機にバグがあるらしく、さる動作を行うと大当たりの確率が大幅に上がるらしい(詳細はここ)。なるほど、そういうことだったのか。でもなあ、今日行ってももうダメだと思うのだけど。

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  今日は職場の新人歓迎会。岡山出身の新人 T は、背はひょろひょろでかいが、ついでに声もやたらとでかい。まあ小声でぼそぼそ喋る奴よりも若者らしく元気があってよろしいけれど、しかしものには限度というものがある。頼むから耳元で怒鳴らないでほしい。君にはそれが普通でも、私の耳は大変繊細に出来ているのだ。

  そんなこんなで今日も日付が変わるまで飲み倒し。午前二時にタクシーで帰還。明日から三連休で良かったっす。


10月04日(木)
  一時期と比べるとなんとなく最近はその数が少なくなってきたような気もするが、派手な電飾やペイントで改造したトラック、いわゆる「デコトラ」は比較的一般的に目にすることができる。これが菅原文太や愛川欽也が出演した映画の「トラック野郎シリーズ」がその元祖なのか、あるいは逆に事実から映画を起こしたのかは知らないが、よくもまあこれだけやったものだと感心してしまうような、見るからに楽しげな車両が高速道路などをガンガン走っている。しかしああいう改造は一体どこでやってもらうのだろうか。専門の業者があるのか。

  最近例のテロ絡みでアフガニスタンの情勢が緊迫してきているため、かの地域周辺からの報道が盛んになってきている。そんな折り、先日テレビをつけると、国連が薬や食料などの物資を供給するというニュースをやっていた。そこに登場した物資運搬用のトラックというのが、これがまたえらくド派手なビラビラした紐がたくさんついていたのだった。さすがに金をかけまくって豪華に改造した日本のデコトラとはひと味違うデコレーションではあるが、原色をバリバリに使い、目がチカチカするような装飾が施された色彩感覚は、派手さという点では日本版デコトラと良い勝負である。

  映画、漫画などであのあたりの地域の話が出ると、決まってあのようなド派手な外装を(特に客室外部に)施したトラックが登場するのを見て「まさかそりゃ脚色だろ」などと思っていたのだけど、よもや実際の話だったとは知らなかった。しかしあの特異な外装というか装飾は彼らの間での流行なのか。それとも何か文化的・宗教的な背景か理由があって、ああいう外観になっているのか。やはりイスラム版菅原文太は、演歌の代わりにコーランを聴いているのだろうか。


10月03日(水)
  最近ことあるごとに「猫バスに乗りたい」と呟く妻に、表だってはバカにしながらも内心激しく同意している私である。なぜあれは子供専用なのだ。金なら出す。だから乗らせろ。責任者出てこい。
10月02日(火)
  本サイトのアクセススピードのあまりの遅さ、重さに耐えかね、上等じゃあ引っ越してやる!と息巻いたのは先月の中頃だったか。ところがその旨をこのページに書いた翌日から、何故かいきなり軽くなってしまったのであった。テキスト主体の比較的軽いトップページやこのページはもちろん、特にテレホーダイ時間帯になると待てど暮らせど表示されることがなかった CGI を使った掲示板ですら、スパッとほぼストレスなくブラウズすることができるようになった。体感的には三倍から五倍(もしくは三分の一から五分の一)ぐらいは速くなったような感じだろうか。まるで別人、いや別サイトのようである。

  しかしまあそんなことも何かの拍子か、あるいは例えばたまたまサーバへのアクセスが途切れたとか、単に偶然もままあるわけである。と思いしばらく様子を見ながら約半月。月が変わってもいまだにアクセススピードは速くなったままを保っている。ううむ、これは本物だろうか。試しに Web ページを置いてあるサーバまで tracert して以前の値と比較してみると、今までボトルネックだった Web サーバからバックボーンに接続する部分がほぼ三倍程度は速くなっている。もちろんバックボーンから我が家の PC までの数値はほとんど変化がないから、純粋に Web サーバのスピード、あるいはバックボーンへのスループットが劇的に(おおげさか)向上した結果ということである。

  しかしこうまで変わるなら間違いなく何か環境整備を行ったはずだ。だがレンタルサーバ屋のサポートページを見ても、何かを変えたとかスループットを改善したなんて一言も書いていない。もちろんスピード向上は大変歓迎すべきことではあるが、前触れも情報公開もなくいきなり速くなったということは、逆に考えると今度はある日突然元通り、さらにはより重く遅くなるということもありえるわけである。今回はたまたま振り子の針が都合の良い方向に振れただけなのかもしれない。見極めるにはもう少し様子を見る必要がある。

  ということで、しばらくはこのままで行こうと思う。もしまた元のように遅くなったら今度は即刻引っ越ししようとは思っているが、でもサイトを引っ越しするとなるといろいろ面倒くさいのも正直なところ。助かったというのが本音だったり。


10月01日(月)
  今日は俺を雇用する会社の創業記念日。当初は休日出勤するつもりだったのだが、しかし外は雨。車通勤なのだから別に雨だからといってどうということはないのだけど、ベランダの窓からどんよりと垂れ込めた灰色の雲とポショポショとそぼ降る雨を眺めていると、どうにもやる気が起こらない。もとよりせっかくの公休日である。何が悲しくて会社なんかにいかなけりゃならないのか。晴耕雨読の喩えを持ち出すまでもなく、こういう日は家の中でじっとしているものと、古来より相場が決まっているのだ。

  ということで日がな一日のんべんだらりと過ごしたわけだが、平日の昼間に家でゴロゴロしつつ何するでなくぼんやりと本なんぞを読んでいると、何か酷く自分がダメな人間になったような気がふとしてしまう。何といいますか、私も典型的な日本人サラリーマンなんでしょうか。いいじゃんか、ダメで。


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