みくだり日記    2002年10月後半
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10月31日(木)
  今日は Bunbary(バンバリー)から Busselton(バッセルトン)の海っぺたを走り、Margaret River(マーガレット・リバー)でワイナリーをひやかしたのちに、西オーストラリアの州都 Perth(パース)まで移動。本日も絵日記風で。

桟橋 整列するカモメ
Busselton の海岸にあるやたらと長い桟橋。全長はおそらく
1km 以上ある。先端まで歩くことが出来るのだが、今日は
海風が大変冷たく、途中で真剣に後悔した。
桟橋の途中、欄干に整列するカモメ。釣りをしている人から
餌をもらって生きているらしい。

桟橋を走る汽車 タコ
桟橋があまりに長いため、観光客用に汽車が走っている。
桟橋を汽車が走る様はかなり変。
桟橋のたもとにある土産物屋で見つけたタコの脱力系
フィギュア。こういう色使いや造形のセンスは、日本人には
なかなか理解しがたいものがある。

生息する魚介類一覧 牛横断注意
ここらで取れる魚介類の一覧。英語で白ギスって
“King George Whiting”っていうとは知らなかった。ところで
King George って誰?
妙な標識シリーズ“牛横断注意”。確かにオーストラリア
では見かけたところ、人よりも牛や羊の方がはるかに多い。

ワイナリー 本日の昼飯
Margaret River にあるワイナリー。このあたりにはたくさん
のワイナリーが点在しており、“西オーストラリアのボルド
ー”と呼ばれているらしい。
ワイナリーで食べた本日の昼飯。チーズが大変美味しい。
ちなみにこれで二人前。かなり食べでがある。

ブドウ畑 羊の群
ワイナリーの近くには、見渡す限りのブドウ畑が広がって
いる。どちらかというとソーヴィニヨン・ブランなどの白ワイン
系種に力が入っているようである。
牧場にいた羊。写真を撮ろうと近づいたら、何が怖いのか
一斉に逃げていった。愛想がない。

クリスマスの飾り付け パースの高層ビル
Perth(パース)の街並みは、早くもクリスマスの飾り付け
があちこちに見られる。いくらなんでも気が早すぎると思う
のだが。
Perth の高層ビル群。ずっと田舎町ばかりだったので、
こういうビルも久しぶりに見るような気がする。

ラリーオーストラリアの幟 コリン・マクレー・スタンド
通りのあちこちに、このラリー・オーストラリアの幟がはた
めいていて、Perth の街はラリー一色という感じ。
いやがうえでも興奮する。
ラリー会場のスタンド席は著名なラリードライバーの名が
付いているのだが、これはその一つ“コリン・マクレー・
スタンド”。写真がちょっと若くて笑える。

  さて、明日はいよいよラリー・オーストラリアの観戦である。ついに長年の念願だった生 WRC だ。すったもんだの末になんとかチケットも手に入った。今日は興奮して眠れないかもなあ。


10月30日(水)
  今日は Albany(アルバニー) を出発して、途中ワイナリーやツリートップウォークに寄ったりしながら、Bunbary(バンバリー)まで移動。連日の長距離ドライブでさすがに疲れたので、本日は絵日記風にお茶をにごしてみたり。

西オーストラリア広域地図 どこまでも直線
こうして地図で見ると近く感じるが、パースからアルバニー
まで 450km ある。オーストラリアはやっぱり広いのだなあ。
アルバニーからバンバリーまでの道路も、あいかわらず
こんな感じ。ひたすら直線である。

カンガルーに注意 ピカドン道路
オーストラリア名物、“カンガルー飛び出し注意”。
実際、道ばたに死骸がいっぱいありました。
道中で見つけた変な道路、その名も“ピカドンロード”。
なんかかわいいっす。

巨大カプチーノ 果物屋さん
巨大なカプチーノ。こちらのカプチーノはシナモンではなく
ココアパウダーを使うのが一般的らしい。
田舎町にあった果物屋。リンゴが 1kg $2.50(約 \170)で
売っていて、思わず「安っ」と言いたくなる。

牛 ツリートップウォーク
牧場にいた牛。気持ちよさそうに草を食っていた。
肉牛の諸君、今度は日本の食卓で会おう。大きく育てよ。
巨大な木々の間に橋げたを渡して通れるようになっている
ツリートップウォーク。地上高 40m。結構怖い。

毒蛇注意 大森林
毒蛇注意の看板。オーストラリアは世界で一番多く毒蛇が
生息しているらしい。
360°見渡す限りの大森林。こんな風景が何百 km も続く。

カンガルー・ポー インド洋の夕暮れ
西オーストラリアの州花、カンガルー・ポー。
“カンガルーの手”という意味らしい。そのまんまですな。
バンバリーでの夕暮れ。手前の海はインド洋。
晩飯を食っている間に日が沈んでしまった。

地元のワイン チーズ
昨日飲んだ西オーストラリア地元の赤ワイン。美味しい。
西オーストラリアにはワイナリーがあちこちにあって、良質の
ワインを多く産出している。
タスマニア産のブリーとブルーチーズ。このフルサイズで
一つ $4.5(約\300)という安さ。オーストラリアの人達が
うらやましい。

  明日は Margaret River(マーガレット・リバー)近辺のワイナリーを何軒かハシゴしたのちに、再び Perth(パース)へ戻る予定。旅行二日目にして、すでに 1,000km 以上走っている。ちょっと腰が痛い。


10月29日(火)
  昨晩の九時に成田を出発したカンタス機は、幸いテロに遭うこともなく、定刻通りに無事 Perth(パース)に到着した。到着は現地時間の午前六時過ぎ。ようやく朝が明けたところである。日本との時差は一時間だけだから(Perth の方が時計の進みが一時間遅い)時差呆けは全くないものの、狭いエコノミー席であまり眠れなかったからか、なんとなく体がだるい。しかしなによりオーストラリアである。しかもここは地中海性気候でパース。スカッと空高く晴れ渡った青空を眺めれば、多少の体のだるさぐらい吹き飛んでしまう。どうです、この青い空。…って、どんより曇ってるんですけど。しかも寒い。パースは今、季節は春。事前の天気予報から推測するに、いくらなんでももう少し暖かいと思っていたが、ちょうど東京の今時分の格好でちょうど良いぐらいである。ううむ、こんなはずでは。

  無事にイミグラを抜け、空港の AVIS カウンターにて、日本から予約してあったレンタカーを借り受ける。車種は三菱の MAGNA、日本名ディアマンテである。せっかく海外に来てまで日本車、しかも日本で乗っているのと同じ三菱車というのもなんだが、ともあれ今日から最終日までの八日間、オーストラリアでの愛車はこいつだ。ちなみにオーストラリアは日本と同じ左側通行の右ハンドルが基本。もちろん道路標識は英語なので若干の緊張を強いられることもあるが、基本的には日本と同じ感覚で運転できる。

三菱 MAGNA ガソリンスタンド兼売店
三菱 MAGNA。日本名はディアマンテ。 こんな売店が数十 km ごとにポツネンとある。

  オーストラリア初日の今日は、まずは Perth を出発し、西オーストラリア最南端の街 Albany(アルバニー) を目指す。約 450km のロングドライブである。愛車 MAGNA を駆り、パース郊外の市街地を抜けて Albany Highway に入ると、数十 km ごとにガソリンスタンド兼売店がある他は、牧草地帯が延々と続く。いかにもオーストラリアという風情の情景で最初は感動したが、走っても走っても全然変わらない風景はいいかげん飽きてくる。

  ところでこの車には、速度を設定するとアクセルを踏まないでも勝手にその速度を維持して走ってくれるオートクルーズ装置が備わっている。一度速度を決めたあとはハンドル操作のみなので大変楽チンなのだけど、あまりに楽すぎて眠くなってくるのが弱点か。あいかわらず景色も変わらないしなあ。

制限速度 110km/h 牧草地帯
制限速度 110km/h なり。実際みんなここを 130km/h
ぐらいでかっ飛ばしていく。まるで WRC である。
100km 単位で延々と続く牧草地帯。最初は感動したが、
ずっと一緒だとそのうちさすがに飽きてくる。

  途中休憩を入れて約四時間のドライブの末に、ようやく Albany に到着。宿を決める前にまだ時間もあるので、岬の突端付近をフラフラしてみる。町中から 10km ほど車を走らせると、インド洋と南極海が交わる西オーストラリア最南端の岬に出る。今日はかなり風が強く、海には白波が立っている。激しい荒波が岩を洗う様はなんとなしに日本海を思い起こさせるが、この海の向こうに南極大陸があると思うとなかなか感慨深い。

  ここまで来たついでに、少し岬を戻ったところにある風力発電施設も見学。この発電装置がまた巨大。風を受けて回る風車の部分が、全長 70m とのこと。高さはゆうに 100m を越えている。こんなドでかい風車が海岸線に何基も建っている様は、異様というか圧巻というか。よくまあこんなものを作ったものだ。

南極海 巨大風力発電施設
白波立つ南極海。この海の向こうに南極大陸がある。 巨大風力発電施設。「風の谷のナウシカ」を思い出さずに
いられない風景だ。

  今日は Albany に宿泊。明日は海岸線を少し北上して、Bunbury(バンバリー)まで向かう予定。


10月28日(月)
  そういうことで、成田の出発ロビーにいる私である。ここ出発ロビーは、実験的に無料無線 LAN 環境を解放しており、いわゆるところのホットスポットというやつ。PC と無線 LAN カードがあれば誰でもネットに接続することが出来る。出来るのだけど、なぜか何度やっても繋がらないのだった。無線クライアントアプリによると、サーバ自体は見つけているようだから、あとは DHCP で勝手に IP アドレスを割り当てて繋がってよさそうなものの、さっぱりあきません。時計を見ると、もう搭乗時間まであとわずか。ああもういいや。

  では行ってまいります。


10月27日(日)
  昨晩はかみさんの実家に泊まった後、今日は午後から横浜の私の実家へ。昨日のまゆちゃんに続いて、こちらにも弟の子供達が私の到着を手ぐすね引いて待ちかまえているのだった。ここの子供達は八歳の女の子と六歳の男の子。まゆちゃん同様、この子達と一緒に遊ぶのも多分あと数年だろうか。そのうち見向きもしてくれなくなるに違いない。こうやって遊んでもらえるうちが華ではあるけれど、なにせ遊び盛りであり、さらに無駄に体力も持て余している頃合いである。君らの相手をしていると、いいかげん腰が痛いよおじさんは。

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  さて、明日から 11/6(水)までの約十日間、南の大陸オーストラリアへ行ってまいります。行き先はオーストラリア西部のパースおよびその近郊。基本的にはレンタカーで原野をふらふら巡るダラダラ旅行となるはずですが、今回の旅行での個人的な第一目的はこれを見ることであります。どうです、ついに念願の生 WRC。わーはははは。いやあ、楽しみだ。

  そういえばここ最近、バリやらモスクワやら海外方面はキナ臭い事件ばかりで、渡航に若干の不安はないでもないですが、まあオーストラリアは大丈夫でしょう、たぶん。ううむ、ラリーにテロるだろうかイスラムの人。ということで、一応ノート PC は持っていきますが、(テロを含む)諸般の事情によりこのページは更新できないかもしれません。縁起でもないな。

  それでは皆様、また会う日まで。


10月26日(土)
  冷たい雨の降る土曜日。午後からかみさんの実家へ。着いてさっそく我々の到着を待ちかまえていたまゆちゃん(かみさんのお姉さんの娘:姪っ子だ)の「遊んで」攻撃を受ける。まゆちゃんは小学二年生。まだまだ小さいと思っていたのに、いつの間にかすっかり大きくなった。体重もずいぶん増え、以前は軽々と持ち上げることができたのに、今はずっしり腰にくる。この子とこうやってガチンコで遊べるのも、あと何年だろうか。私の体力が衰えるのが先か、まゆちゃんの体重が腕力の限界を超えるのが先か。そもそも彼女の興味の対象から私が外れる方が先ですか。

  晩ご飯に牡蠣フライを頂く。適温でカラッと仕上げたパリパリの衣と、脂がのった(と言うのだろうか)ジューシーな実汁のコントラストが大変美味しい。ところで牡蠣フライだが、我が家ではまず食卓に上ることがないメニューである。というのも、うちのかみさんが基本的に牡蠣がダメなためだ。ちなみにかみさんは牡蠣フライはダメだが新鮮な生牡蠣なら大丈夫、ということである。これってなんとなく世の牡蠣嫌いとは逆のパターンのような気がしないでもない。普通は牡蠣の生臭さがダメで、生牡蠣なんかもってのほか、フライにすればなんとか食えるという人は多いと聞くのだけど。どうなんでしょうか牡蠣がダメな方々。

  明日は横浜へ。


10月24日(木)
  会社への道すがら、信号待ちで停まった交差点で何気なく目をやると、先日の日曜日、駅前に民主党の管直人が街頭演説したらしいことが書いてある。なんでまたこんな辺鄙なところにわざわざ管直人なんかが、と思い返すと、そういえば今週末は衆・参議院統一補欠選挙であったことを思い出した。

  もう何年か前になるが、昔の知り合いが参議院選挙に出馬したことがあった。どちらかというと内向的な性格で、およそ政治家になるようなタイプの人間ではなかった記憶しかなく、出馬の報を聞いたときはずいぶん驚いた。まあ選挙に出るのは万人の自由である。どうせ泡沫候補だろうに、まあせいぜい頑張ってくれや。ところがなにをどう間違ったか、あるいはどこかのコネでも使ったのか知らないが、某与党系大政党の公認をもらっていたりするらしい。そういえばあの男、妙に要領だけは良かったよう気がする。

  そして投票日が近づいたある日、突然電話がかかってきたのだった(会社にだ)。昔の知り合いとはいえ、選挙区に住んでいるわけでもない私のところなんかに、なんで本人からわざわざ連絡が、とさらに驚いたわけだが、とりとめのない話から始まり、結局のところはカンパを乞うだけのことだった。大政党の後ろ盾があるといっても弾丸が無尽蔵にあるわけでなし。票田を耕すためには、金がいくらあっても足りることはないということか。つきあいは薄かったけれども、知り合いではある。自分のところの選挙区だったら投票すると思う。しかし金を出すのはちょっとなあ、と丁重にお断りした。

  その後、知り合いはあえなく僅差で落選。あれから何の音沙汰もなしである。風の噂では、選挙資金を捻出するためあちこちから借金をし、スッカラカンになったと聞く。正に「井戸塀」というわけだ。今度の選挙にも出るのだろうか。


10月21日(月)
  深夜零時。ようやく今日の仕事を終え、会社の建物を出ると、いきなり身震いするほどの寒さに包まれた。朝から降り続いた雨はようやく上がって、空気の匂いはなんとなく湿気っぽいものの、地面から吹き上げてくるような風が妙に冷たい。毎年この季節は車通勤者にとって着ていく服装の選択が難しい頃合いである。おもてを歩くことの多い電車通勤であれば、晩秋・初冬のそれなりの厚着をするのが当然だろうが、エアコンが心地よく効く車の中で通勤時間の大半を過ごす者に季節感はない。いまだに平気で T シャツいっちょで会社に向かう始末だ。今日の私の服装も、薄い肌着に綿のシャツを羽織っただけの、いわば「季節は初夏」的な格好だ。こんな季節はずれの薄着の人間に、秋深まった深夜の風は容赦がない。ぼやぼや歩いていると体温を奪われそうである。

  そういえば鉄筋作りの家の中にいる限りはそれほど寒さを感じないけれど、さすがにこのごろは朝晩それなりに冷えるようになってきた。そろそろ夏用の半袖の寝間着から長袖に替えないと、油断していると風邪をひきそうだ。って、いまだに半袖でグースカ寝ている奴もそうはいないか。


10月20日(日)
  相変わらず芸能界とか芸能人の類にとんと疎い私だが、木村拓也が出演している富士通の FMV の最新 CM(注:Flash Player が必要)を見て、川平慈英とジョン・カビラが兄弟だとはじめて知った。そうだったのか。そういえば以前から何となくこの二人、顔が似ているとかキャラがかぶっているとは思っていたのだけど、なるほど、カビラに川平、そうだったのか。こんなの知らなかったのは私だけか。まあ別にどうでもいいんですけど。

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  今使っているデジカメは、ちょうど三年前に購入した三洋の DSC-150SX だ。このカメラは画素数 150 万 pixel と、今時の最新デジカメとくらべるとだいぶ見劣りするのは否めないが、撮影した画像をプリントアウトするわけでなく、ほとんどが PC 上での閲覧と Web に載せるスナップ用途にしか使わないので、実用上十分の画像を得ることが出来る。強いていえば若干筐体が大きいのがなんだが、普通の静止画に加えて、それなりの画質で動画も撮れるということと、なによりその動作のキビキビ感(“爆速デジカメ”と呼ばれたぐらいだ)がすっかり気に入って、これまで使ってきたのだった。

  だがそれでも三年である。いかな気に入ったデバイスとはいえ、正直、ちょっと飽きた、ような気がする。

  ということでデジカメを新調したのだった。いろいろ逡巡したあげく、結局購入したのはまたも三洋の DSC-MZ3 である。今度は 200 万 pixel、光学三倍ズーム付き、マイクロドライブ対応だ。DSC-150SX で唯一の不満点だったバッテリの持ち時間も、リチウムイオン電池採用でかなり改善されたようだ。筐体もかなり小型化されて、ステンレス合金の手触りも手になじむ感じでいい。そしてもちろん“爆速”は受け継がれ、あいかわらずのキビキビした動作が気持ち良い。ちなみに秋葉原の ZOA にて \30,640 で購入した。価格.com で調べてみても、この価格は相当安い。おそらく現時点で日本最安値だろう。期間限定価格らしいので、この機種の購入を考えている人は急いでアキバに向かうべし。

  デジカメは買ったし、コンタクトレンズも新調したし、準備は着々と進んでいる。あとは仕事か。それが問題だ。


10月18日(金)
  私を雇用する会社の私が通勤している事業所(変な日本語)は、最後に帰宅する人間が鍵閉めをすることが慣例になっている。この建物は基本的には製品を作る生産工場なのだが、作っている機械がそれほど大きいものではなく、生産量も何万という単位で作る民生品とは違うから、建物の規模的にはさほど大きくはない。とは言っても合計三棟の建物の中全てを周り、正面玄関の扉を閉め、最後にスライド式鉄門をガラガラと引いて南京錠をかけてるまでには、それなりの時間と労力を必要とするのである。

  ところで鍵閉め当番と言っても本当に事業所中の全ての扉や窓のチェックまでやっていたら大変である。鍵を閉めるのはいくつかの主要な扉だけであり、さすがにいちいち部屋のガラス窓まで面倒を見るわけではない。建物の中の窓にはセンサーが取り付けられており、何者かが侵入しようとして窓をこじ開けるとセンサーが作動して自動的に警備会社に通報する仕組みになっているのだが、その機能をセットする操作盤が各建物ごとに設置されている。鍵閉め当番はこの操作盤、通称「チェックポイント」を周り、正常に作動することを確認するだけでよい。

  そうした鍵閉め当番の負担を少しでも少なくするために、各棟を最後に出る人間がその棟の窓閉めなどを全てチェックし、警報装置が動作することを確認する取り決めになっている。よって鍵閉め当番の役目は普通、チェックポイントの異常を示すランプが消えていることをチェックするだけで事足りるはずなのだ。だが時折ずぼらな人間がその棟の最後の帰宅者になってしまうこともある。なにせずぼらである。そういう人は窓閉めをきちんと確認しないで帰ってしまうのだ。だから最後の見まわり時に警報装置がちゃんと動いていないことが極まれにあったりする。

  不幸にしてそうした憂き目に遭遇した時は悲惨である。どこ開くとも知らない建物中をウロウロと歩き、どこぞの窓が開いてないか調べまわらなければならないのだ。たいてい夜中である。外は真っ暗である。一人ぽっちである。ずぼら野郎を死ぬほど呪いながら、しんと不気味に静まり返った建物の中を涙目になってさまよい歩く恐怖。怖い。マジで怖い。

  ということで、ただでさえ怖い鍵閉め当番である。しかもつい二日前にあんな映画を見てしまったあとで、だ。当分の間は出来るだけ早く帰宅するようにして、極力鍵閉めはご勘弁願いたい。願いたかったのに、今日いきなり私が最後の帰宅者になってしまった。なんでだ。なんでそんなに早く帰ってしまうのだ同僚の人達。

  ちいっ。こうなったらやってやる。まずは武器の調達だ。どこかにベレッタは落ちてないのか。できればショットガンも。贅沢は言わん。このさいコンバットナイフでもいい。おお、グリーンハーブ発見。と思ったら観葉植物かよ。

  ちょっと待て。今あの廊下の曲がり角で何かが動いたような気がするが、目の錯覚だろうか。いや、いる。何かが絶対いる。何か得体の知れないものが、確かにこっちを見ている。
  ひいっ。あれは、そんな、うああああっ。


10月17日(木)
  古い知人の O 氏に第二子誕生の報。男の子。これで一姫二太郎と、理想的な家族計画である。計画したのかどうかは知らないが。しかしあの人もこれで二児のパパか。思えば遠くへ来たもんだ。

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  昨日はイクスピアリにて「バイオハザード」を鑑賞。上映終了間近の映画で、しかも平日のレイトショーとあって、さすがに見る人は少ない。館内には総勢八人しか客がいなかった。当然スクリーンど真ん中の特等席で鑑賞できた。やはりチーズと映画は賞味期限ぎりぎりが美味しいのである。

  ということでバイオハザードだ。ガンサバイバーも含めてオリジナルのゲームシリーズは全てやり尽くしたぐらいのバイオ・フリークな私だが、実はそれほど期待してなかった。「ストリートファイター」や「スーパーマリオ」などの例を出すまでもなく、なにせゲームの映画化にはろくなものがない。だがこの映画はゲームの設定をそれなりに生かしながらもオリジナルなストーリーで、SF アクションホラーはこう撮るべしという見本のような仕上がりで、いい意味で裏切られたという感じ。洋館のダイニングルームから物語が始まったり、地下を走る列車内でモンスターに襲撃されたり(こちらは「バイオハザード 2」の設定だが)、これを作った人は相当オリジナルのゲームが好きなんだろう。

  それにしても主人公のミラ・ジョヴォヴィッチは強すぎる。ベレッタ一丁しかないのに(しかも弾数少なし)ゾンビ犬数匹に囲まれても慌てず騒がず、素手(蹴り)まじりであっという間に粉砕とは。これがゲームだったらこの場面をクリアするのに五回は死んでる。

  しかしこの映画を見たあとでは、恐くて会社の鍵閉め当番が出来ませんね。エレベータからアンデッドの大群が飛び出してきたらどうしよう。


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