みくだり日記    2002年11月後半
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11月28日(木)
  すっきり晴れた一日。もうすっかり冬の空である。空気が澄んでいて気持ちが良いが、そのぶん体感温度は低い。

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  そういえばオーストラリア旅行中に「航路(上・下)」(コニー・ウィリス:ソニーマガジンズ)読了していたのだった。忘れないうちに感想を。

  暗いトンネルを抜けるとまばゆい光が見え、その光の輪の中にすでに死んでいるはずの家族に出会う。また綺麗なお花畑、聖なる存在や天使を見たり、さらには幽体離脱を体験する者も少なくないという。事故や病気などで心停止した後、運良く蘇生した患者の多くが訴えるこうした特異な体験は、いわゆる臨死体験(NDE)と呼ばれるもの。本書は、この NDE をテーマとした長編 SF サスペンスである。

  NDE というトンデモになりがちなテーマを扱いながら、作中では何度か危うさを感じさせつつきっちりこちら側に踏みとどまるバランス感覚の妙もさることながら、あらゆる描写をストーリーの中核にしっかりと結びつけながらも先の読めない話を紡ぎ出し、感動的なラストに導くストーリーテリングの力は圧倒的。B6 二段組の上下二冊構成という相当な長編なのに、物語にぐいぐいと引き込まれつつあっという間に読み終わってしまった。実はコニー・ウィリスものを読むのはこれが初めてなのだけど、噂に違わない筆力に正直驚いた。

  ところでちょっとだけネタばらしをしてしまうと、この小説の根本的テーマである「死後って何だ?」について、物語の流れからいってきっと何か科学的な(最悪の場合は非科学的な)オチをつけるのだと考えていたのだけど、結局最後まで何もわからないで終わる。最初から最後まであれだけ引っ張っておきながら、その最重要部分になんの提示もないまま終わるなんて、最初に読み終わったあとはなんとなくもの足りないように思ってしまった。しかし読後にちょっと考えてみると、そこに下手な回答を示したところで、おそらく単に普通の臨死体験小説になってしまったはず。そこをあえて踏ん張って静かに幕を閉じたことで、逆に物語の味わいがより深みを増したように思える。たぶん作者には科学に対する信頼というよりも、死に対する潔癖さのような意識があって、そこでバランスをとった結果があの最後のシーンなのかも。

  それにしてもあと何年か後(もしかしたら明日かもしれないが)に確実に訪れるその数分間、私は一体何を見、何を考えるのか。大変興味深い。


11月26日(火)
  いつもすっかり日が昇ってから行動しているということもあるから朝はまだそれほど感じないが、さすがに夜遅くなると冷え込みがかなりきつくなってきた。今日なぞ会社から帰るときの外気温は摂氏五度である。ぶるぶる。寒い。もうすぐ十二月だもんなあ。

  そんな年末のサラリーマンの恒例行事と言えば、年末調整の申告である。むろん安月給の身であるからしてそんなに豪勢に返ってくるわけではないのだが、毎月毎月雀の涙のようなサラリーから生き血を絞り取られるようにして搾取された私の金が、例えほんの少しであっても懐に出戻ってくれるのはとても喜ばしい。なにしろこれがないと我が家ではクリスマスも正月も迎えられない。本当だ。

  で、年末調整の申告で今年ちょっと慌てたのが、以前税務署からもらった住宅取得等特別控除申告書がどこを探しても見つからなかったのである。この住宅取得等特別控除とは、家を買ってから六年間(最近この期間がさらに延長されたが俺は対象外)に渡り、その年の住宅ローン支払い残高に応じて税金が控除されるという制度。もちろんローンの残高は年々減っていくから、それに比例してこの控除額も減少していくわけだが、それでも相当額を還付してもらえるのだから、これは結構でかい。無いと大変困る。ということで、家中あちこちひっくり返して探したのだけど結局見つからず、最終的には税務署に行って再発行してもらった。

  実は今年はローンを払い始めて六年目。この大変ありがたい制度の恩恵を受けられるのも、ついにこれで年貢の納め時である(用法が間違ってます)。最後の最後でしまらないことになってしまったが、ともかく控除を受けられそうである。まあお金が返ってきたところで、ほぼそっくりそのまま来春の固定資産税の支払いに回される運命にあるから、実質的にはあまりうまみはなかったりするのだけど。


11月24日(日)
  金曜日の夜は新大久保駅近くの某韓国料理店へ。ここは初めて行ったのだが、キムチとニンニクの香りが充満する店内は、もう何というか完全にイメージ通りの韓国の料理屋という感じだ。鍋も焼き肉もチヂミもいかにも本場ものという案配で大変美味しい。特にサムギョプサル(三枚肉)が絶品である。ワインに漬け込んだ豚肉を鉄鍋で焼いて食べるわけだが(店員さんが目の前で焼いてくれる)、赤ワインが適度に染みこみ、プルプルとろけるような食感が実に感動的。塩を軽く付けて食うのもいいが、薄くスライスした生ニンニクと一緒に食べた時の美味さと言ったら。ううむ、これは病みつきになりそうだ。

  それにしても噂には聞いていたが、新大久保周辺がここまで韓国人街だとは。飲み屋や料理屋の看板も、日本語のものよりあの特徴的なハングル文字の看板の方が圧倒的に多い。同じアジアの人間だから、ぱっと見ただけではあまり見分けがつかないが、しかし道行く人達の会話のほとんどが韓国語(だと思う。少なくとも日本語ではない)。およそここが日本の都心の一角とはとても思えず、韓国のどこかの街に迷い込んでしまったような錯覚にとらわれる。

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  さて昨日からこっち、私はすっかりこれにハマっているのだった。まだ始めたばかりなので序盤も序盤といったところだが、さすが満を持してのバイオシリーズの新作である。かなりの面白さで、久しぶりにどっぷり浸れるゲームになりそうだ。ということで、最近ただでさえ更新頻度が落ちているこのページの更新が、これからしばらくの間さらに落ちることは確実だ。どうだっ。いばってどうする。

  どうでもいいが、レベッカのモデルってやはり浜崎あゆみですか。


11月20日(水)
  今日は横浜みなとみらいで行われている某展示会に出席。会場のパシフィコ横浜へは JR 桜木町駅から動く歩道を通って延々歩いて行くのだが、しかしこの辺りもすっかり変わってしまった。ランドマークタワーやクイーンズスクエア、赤れんがパーク(昔は単に赤れんが倉庫と呼ばれていた)やら横浜こすもわーるどやらと、完璧に観光地化している。桜木町なんて横浜と関内に挟まれた単なるオフィス街で、観光スポットといってもせいぜい日本丸がぽつねんと捨て置かれているぐらいのしょぼい場所だったのに、っていつの時代だそれは。横浜を離れてもうずいぶんと経つが、こうして見知ったはずの街の様変わりぶりを目の当たりにすると、なんとなく寂しいような気がちょっとする。まあこの辺りだけが横浜の全てではないのだけど。

  展示会の見学が終わったあと、久しぶりに横浜駅付近をうろうろしてみた。そういえばとふと思い立ち、岡田屋モアーズのエスカレータを登ってみると、六階にフロアぶち抜きでタワーレコードが入っているのには驚いた。以前ここには帝都無線という楽器屋があって、高校時代には入りびたっていたものだった。そごうの巨大店舗進出に始まり、地下街ポルタの整備、スカイビルの全面建て替えなど東口の劇的な変貌にくらべ、西口はあまり変わっていない印象があったのだが、やはりそれなりに変わっているのわけである。それでもダイヤモンド地下街のはずれに、昔たまに寄っていた喫茶店がまだあったのには別の意味で驚いたのだが。この喫茶店、俺が小学生の頃からあったぞ。

  知っているはずの街を、たまにはこうして歩いてみるのも、また一興である。


11月19日(火)
  昨年、日本でも大出現して世間を賑わせたしし座流星群。今年は残念ながら月が大きいことに加えて、ピークの予想時刻が日本では日中にあたっているため、去年ほどの盛り上がりは見せていないが、報道によると昨晩から今日未明にかけては一時間あたり十個程度の流星が見られたようだ。ということで今年は全く期待してなかったのだけど、会社からの帰り際にちょっとだけ空を眺めてみた。

  だが薄く雲が広がる夜空に流れる星は全くなし。まあこんなものか。昨年のあの流星雨が、まるで夢の中の出来事のようだ。

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  今日、我が家にかみさんの友人が子供を連れて遊びに来ていたらしい。もちろん私は会社にいたので家にいなかったのだが、デジカメで撮った写真と動画で御子の生態を伺い知ることが出来る。御子は現在生後十ヶ月の男の子。さすがに十ヶ月なのでまだ歩くことは出来ないそうだが、高速ハイハイで我が家を縦横無尽に動き回っていたとのこと。なるほど、レンズに向けた顔は、乳児から立派な幼児のそれに変わっている。

  残念ながら今日は相まみえることは出来なかったが、私も以前この子と会ったことがあって、それは確か今年の初夏の頃だったか。まだ生後まもなく、ハイハイはおろか、ようやく首がすわったかどうかという頃合い。体重もまだ五キロかそこらだった。それからわずか数ヶ月たっただけなのに、体重は倍の十キロに、そしてその重くなった体を使って、ハイハイとはいえ自らの意志で自由に動き回れるようになるとは。乳幼児の成長スピードの速さには驚くばかりである。今度会うときはどうなっているのか。空を飛んでいるかもしれない。


11月17日(日)
  2002 年 WRC 最終戦は伝統のラリー・オブ・グレートブリテン。今年はすでにドライバーズもマニファクチュラーズもとっくにタイトルが決まっていて(両方ともプジョーだ)、なんとなく盛り上がりに欠ける気がしないでもなかった。だが最後の最後で、ついにスバルのペター・ソルベルグが初優勝。大本命のマーカス・グロンホルムとリチャード・バーンズ(プジョー)が共にリタイヤしたからとはいえ、全 17 の SS 中、八つのトップタイムを叩き出す速さは本物だ。堂々の初優勝と言っていい。しかもこの優勝で、今シーズンのドライバーズタイトルでも一気に五人抜きでの 2 位。素晴らしい。

  それにしても、ここで勝てたかソルベルグ。昨年までは「速いけどクラッシュも多い」前途有望(多難?)なドライバーという印象を持っていたが、今年はすっかり安定感が増して確実にポイントがとれる存在にまで成長した。これは近いうちに優勝も、と考えていたが、まさかグレートブリテンで勝ってしまうとは思っても見なかった。これが WRC では初の優勝だが、この後きっと多くの勝利を手にし、偉大なるトップドライバーたちの仲間入りをする、そんな予感がする。

  そのソルベルグと最後まで火花散る全開バトルを見せ、惜しくも 24.4 秒差で 2 位に入ったマルコ・マルティン(フォード)や、フランスの貴公子セバスチャン・ローブ(シトロエン)とともに、来年の若手ドライバーたちの活躍が今から楽しみである。

  <参考 URL>
  スバル WRC
  三菱 WRC

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  ここのところ「RE:」とだけ件名が記されたメールが何通もやって来ている。送信者は皆全然知らない人ばかり。ヘッダを見てみると、「Content-Type」が「text/html」となっているのでどうやら HTML メールのようだが、本文には何も書かれていない。なんとなくちょっと前に流行ったワーム系ウイルスによる生成物っぽい。だがそれにしては肝心の添付ファイルがないのがおかしい。

  確か以前にもこんなことがあったなあと思って調べてみると、どうもこれは昨年大流行した「WORM_BADTRANS.B」とよばれるウイルスのようだ。確かこのウイルスには添付ファイルをエンコードするプログラムにバグがあり、ときおり添付ファイルなしのスカ・メールが送られてしまう、ということだった。時限爆弾を送りつけたはいいが、駆動用の電池が切れていた、みたいななんとも間抜けな話だ。どこかの心電計じゃないんだから、どうせやるならちゃんとデバッグしてから世に出せ、と私は言いたい。どうもすいません。

  しかし今頃こんなウイルスに感染するとは、なんとも間抜けな人がいるものだが、まあこんなスカ・メールが送られてきたところでゴミ箱直行なので、とくにこれといって実害はない。それでもこう毎日毎日送りつけられるといい加減鬱陶しい。そういうことで埼玉在住の xxxxx@boreas.dti.ne.jp さん。どこのどなたか存じませんが、あなたの PC、ウイルスに感染してますよ。あなたの PC が今後どうなろうと私の知ったことではありませんけれど、あなた以外の世のため人のため、是非ともきちんと駆除されることをおすすめします。

  というかウイルスなんかもらうなよ。


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