みくだり日記    2003年04月前半
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04月15日(火)
  すーぎーかーふーんー。

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  だけではなんなので、最近読んだ本の感想を簡単に。

  「ドッグファイト」(谷口裕貴著:徳間書店)
  テレパスの指揮する軍用ロボットで植民惑星を占領した地球統合府統治軍に対抗すべく、犬と精神を交わす能力を持つ〈犬飼い〉の少年とレジスタンスの仲間たちの闘いを描いた、第二回 SF 新人賞受賞作。これがデビュー作だそうだが、とても新人とは思えない完成度の高い作品。

  この作品では数多くの魅力的な人物が描かれるが、中でもいいのは人間と同じくらい個性的に描かれる犬たちである。こいつらがまた勇ましく、誇り高く、そしてとにかくかっこいい。もちろん犬は言葉を喋れず、ほとんど動きしか描かれていないわけだが、犬飼いの目を通じてその個性が見事に描かれているため、読み進めていくうちにいくつもの犬に感情移入してしまう。軍用ロボットとの闘いで犬たちが次々と死んでいく場面では、泣きながらページを繰ってましたよ私は。とにかく犬好きにはおすすめ。そういえばこの手の本格 SF ものは久々だったので、なんとなく新鮮な感じで読めた。

  「雷電本紀」(飯島和一著:河出文庫)
  並外れた体格と運動能力をもっていた少年が、ある年の神社の奉納相撲で江戸の職業力士を相手に、その天性の相撲の素質を見せつける。時は天明の大飢饉の折り、しかも浅間山の大噴火が追い打ちをかけるという困窮を極める時代。自分の相撲が、そんな打ちひしがれた人々を勇気づけ、力を与える事に気づいた少年は、江戸に行き、伝説の最強力士「雷電」となる。彼の鬼神のような相撲は、相撲界の堕落も時代の閉塞感も何もかもはねのける時代の力となっていく。

  という伝説の力士「雷電為右衛門」の生涯を、膨大な資料と綿密な取材で裏打ちされた時代小説。ちょっと前に読んだこの著者の作品「始祖鳥紀」と同様に、腐敗した体制への憤りを行間ににじませながら、大きなものに挑み続けた巨人雷電と、その後援、鍵屋助五郎の生き様がとにかく熱い。こういう凛とした人物像を、熱くかつ魅力的に描かせたら、この著者の右に出るものはそういないのではないか。「始祖鳥紀」もそうだったけど、この本も静かで力強い感動が満ちている。


04月14日(月)
  ほぼ一週間空いてしまいました。なんだか最近、日記と言うより週記になってますが。見捨てないで。

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  春に飛散するスギ花粉の量は、前年夏の気象条件に大きな影響を受けると言われる。それはスギの雄花が生産されるのが七月中旬から八月にかけてであり、その時期の気温が高く、かつ降雨量が多いほど、より多くの雄花生産、ひいては花粉量が増大するからである。昨年 2002 年の夏は、特に関東から東海、近畿は厳しい暑さとなったのは記憶に新しい。したがってそれらの地域での今シーズンのスギ花粉飛散量は例年より多め、場合によっては大悲惨、いや大飛散になる可能性がある、との予想であった。

  だが実際のところ、今年の飛散量はその予測よりも若干少な目であったようである。スギ花粉飛散情報サイトで各地の花粉飛散状況のグラフを見てみると、関東地方では昨年の半分程度の累積量であることがわかる。ちなみに千葉県北西部の場合、今シーズンの累計の飛散数は約二千個/平方センチ。去年が約四千五百個/平方センチだったから、正に半分といったところか。

  確かに今年の場合、やはり昨年あたりと比較すると体感的にも飛散量が少な目だったことは感じる。もちろん何度かくしゃみ・鼻水が止まらない日があったものの回数的にはそれほどでもなく、それ以外の日は若干くしゃみが出る程度で過ごせることが多かった。くる日もくる日もくしゃみ・鼻水、そして目の痒みに悩まされた昨年や一昨年とは大きな違いである。「今年も大飛散」なんて脅かされたわりにそれほど大したことがなくて、正直言ってちょっと拍子抜けだったが、ともあれ被害が少なかったのはありがたい。やはり自然が相手だけに、一概に前年の気候だけでの予報は難しいのだろうか。

  なんて書いてるそばから目が痒いのである。そういえば先ほど居間の窓を開けて、半分ベランダに身を乗り出しながらのタバコを吸ったのだった。一般的に夜間の飛散量は少な目だそうだが、もしや早くも飛んでますか花粉。と思って調べてみると、明日の飛散予報は「多い」。多いですかそうですか。なんだか鼻もムズムズするんですけど。


04月08日(火)
  だめぽ【駄目ぽ:ダメぽ】
 (名・形動)
「駄目だ」の変形した言い方。柔らかな語感に反し、強烈な批判と、わずかに自虐的な意味合いを含む。ネット上の某巨大掲示板が発祥元とされるが、詳細は不明。

 (1)しても甲斐のないこと。無益なこと。むだ。
 (2)不可能なこと。できないこと。また、そのさま。
 (3)やめちまえ。ばかやろー。
 「今年の横浜ベイスターズはもう―」

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  どうも昨日の昼あたりから、うちのページへのアクセスが異常に重い。ディスクレンタルしている業者の上位ネットで何らかのトラブルがあったらしい。時期が時期だけに、もしやサイバーテロかとも一瞬思ったが、他のネットアクセスは全く通常通りなので、単純にごくローカルな問題なのだろう。それでも障害が発生してからゆうに一日以上経つ現在(4/9 午前零時)もまだ復旧していないところをみると、かなり大きな障害ではあるようだ。ということで、昨日、今日とこのサイトにアクセスしていただいた奇特な方々にはご迷惑をおかけしますが、もうしばらくお待ち下さい。もっとも、そもそもアクセスできなければこの文章も読めないのだが。

  それにしても、こういう突発的な障害が発生したときの対応スピードで、ディスクレンタル屋とその上位接続業者間の力関係が垣間見られるわけである。これがディスクレンタル屋の方がそれなりの大手で、接続業者に対して影響力のある場合は、何をなくてもの迅速な対応で素早く解決するのだろうが、そこは弱小の悲しさ。なかなかすぐには相手にしてもらえないのかもしれない。まあそんなことはネットの世界に限った話ではなく、世の常そして人の常。世の中やっぱり金ですか。

  ともあれ、pos.to も、もう―。


04月03日(木)
  春は別れの季節ですね。   

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  現在携わっている仕事の関連で、当初の予定では今月半ばあたりに中国の北京へ赴くはずだった。春とはいえなにせ内陸のこと、朝晩はまだかなり冷え込むのだろうとか、季節柄さぞかし黄砂は凄かろうなとか、すっかり行く気で余計な心配をしていたのだった。

  それが例の中国発の謎の肺炎である。正式には「重症急性呼吸器症候群(SARS)」と呼ぶそうだが、この二ヶ月間で香港やベトナム、カナダ、シンガポール、そして中国本土で約 1,800 人が感染、約 60 人が死亡したという。当然ながらこんな状態では渡航は延期。朝晩の冷え込みも黄砂も北京ダックも、全てが吹っ飛んでしまった。北京ダックは余計ですか。

  この SARS 大流行は、元々は香港のとあるホテルから感染が始まったらしいが、そもそもはこのホテルに宿泊した広東省の男性が感染源という。勝手な推測だが、この御仁、まだ豚や鳥と人間が同居しているような不衛生なところからの渡航者だったのではないか。何年か前に同じ香港で鳥類が由来のインフルエンザが流行したことがあったが、なんとなく今回も元をたどれば同じ感染ルートのような気がする。

  現在のところ SARS は、コロナウイルス科のウイルス感染の可能性が高く、インフルエンザより感染性が低いと考えられているが、現時点で予防、治療のために推奨される薬剤はないとのこと。頼みの抗生物質も無効のようである。まあ原因がウイルスであれば、抗生物質が効かないのは道理ではあるが、しかしそうなると、あとはなんとかしてワクチンを作り出すしかない。だがコロナウイルスは RNA 型のウイルスで、変異スピードも速いはず。あっという間に変異して、せっかく作ったワクチンが効かなくなったり、また耐性ウイルスの出現も考えられる。なかなか一筋縄ではいかないのではないか。

  それにしても世界情勢がこんな時だけに、もしや生物兵器や細菌テロなのでは、という線も思いつく。変種のインフルエンザの流行だと思っていた風邪が実は盗まれた細菌兵器のせいで、対処法がないまま全世界の人間を滅亡に追い込んで行く、というのは小松左京の「復活の日」のストーリー。昔は小説の中の出来事だと思っていたことが、今は現実に十分ありえるというあたりに一抹の恐怖を感じるが、しかし今のところその可能性は低いらしい。まあたしかに本気でテロルならば、コロナウイルスなんてまどろっこしいウイルスよりも、遙かに致死率が高く感染力の強いペストやエボラやらを使うはずではある。もっともウイルスの扱いやすさからこれを選んだ、ということも考えられるが。

  ということで感染力から考えて、普通に健康であればそう恐れることもないような気がするが、君子危うきに近寄らずというありがたい言葉もある。ひとまずは騒ぎが終結するまで、北京行きは残念ながら当分自粛ということになった。私が本場の北京ダックを食べられる日はいつになるのか。結局はそこか。


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