CD Review!

SPELLBOUND [日本盤オビタタキ]
混沌とした地上に舞い降りる一筋の光のように旋律は降り注ぐ。第二章“飛翔”の時代の幕開けを飾る充実の5thアルバム堂々完成!
TEN

★★★★


1. March Of The Argonauts
2. Fear The Force
3. Inside The Pyramid Of Light
4. Spellbound
5. We Rule The Night
6. Remembrance For The Brave
7. Red
8. The Alchemist
9. Wonderland
10.Eclipse
11.The Phantom
12.Till The End Of Time
前作「THE ROBE」に続く通算4枚目のスタジオ・アルバム。レコード会社をマーキュリーに移籍して初めてのフルレンス盤である。ちなみに日本版のオビタタキには何故か“5th”と書かれているが、普通の数え方では4thでしょ。

これまでのTENの持ち味、最大の武器は、哀愁を満々と湛えたメロディである。本作も基本的な曲調に変化はなく、どの曲もとてもメロディックで、しかも根底部分にブリティッシュ・ロックの湿り気が十二分に垣間見て取れる哀愁のハードロックが堪能できる。

また今回のアルバムでは、前作までどうしても好きになれなかった、せっかくの曲の良さをぶち壊していたやたらと冗長なアレンジが無くなって各曲がコンパクトにまとまったのと、ぐしゃっと甘いサウンドプロダクションが改善されて音の輪郭がはっきりしたのが大きな改善点である。これでようやく「まともに聞く気がする」と思えてきた。

ただし相変わらず淡白なGary Hughesの歌い方がどうしても好きになれない。せっかくドラマチックな展開なのに、感情の起伏無くさらっと歌われてしまってがっかり、という場面がそこかしこにある。これがTony Harnellだったらなあ、なんて言ってもしょうがないが。

さらにサウンドが改善されたにはされだが、細かいことを言えばドラムが引っ込み気味なミキシングがどうしても気になる。せっかく良いプレイをしているドラマーなんだから、もっとバーンと前に出せばサウンドのダイナミズムが向上するのに。

ま、いろいろ難癖をつけたが、基本的に曲のクオリティは高い。しかしだからこそいろいろまずいところが目に付くのかも。

1999/01/11


Ja,Zoo [日本盤オビタタキ]
幻の3rdアルバムここに完成
hide

★★★★


1. Spread Beaver
2. Rocket Dive
3. Leather Face
4. Pink Spider
5. Doubt'97(Mixed LEMONed Jelly Mix)
6. Fish Scratch Fever
7. ever free
8. Breeding
9. Hurry Go Round
10.Pink Cloud Assembly
昨年5月の衝撃的な死が記憶に新しい元X-JAPANhideが生前残したデモ音源を元に、Joe(ZIGGY)Spread Beaverの手によって完成させた新曲と、既発のシングルを集めて作られた最後のアルバム。

hideがこれまでに発表した2作のソロアルバムと同様、この最終作でも二通りの作風が聴ける。一つは、様々なノイズやサンプリングをループ上にミクスチャーしたバックグラウンドにアジテイション気味なボーカルが被さるという、一種インダストリアル的な作り。新曲の1.や既発の5.がこれに当たり、こうした無機質かつ金属的な質感の冷めた音像世界がhideの一つの魅力である。この手法は彼のもう一つのプロジェクトであったZilchiでも聴くことが出来る。

もう一つの作風が、シングルカットされた2.4.7.などで聴けるようなタイプ。こちらはタイトなバンドサウンドとエッジの立ったギターがぎっしりと詰まった音の壁の上を、キャッチーなメロディーが浮遊するという曲調である。ややもすると単なるハードロックにしかならないであろうこれらの曲がオリジナリティ溢れる魅力的な楽曲に仕上がっているのは、hide独特のポップセンスの賜物だろう。

こうしたインダストリカルな無機質さと甘くさえも感じるポップさという一見相反する性質を、絶妙に融合し加工させうるのがhideの非凡なバランス感覚である。また彼の独特の歌唱法・声質やギターリフの組み立ての上手さなどが楽曲に彩どりを添えていることはもちろん、常にどこか前向きな歌詞も不思議に曲調にマッチしているのも見逃せない。

そんなhideが生み出す楽曲を、もうこれ以上聴く事が出来ないのはとても残念でならない。これから益々活動の幅を広げ、ミュージシャンとして大きく成長していく途中だったのに。月並みな表現だが、本当に惜しい人を亡くしたものだ。

それにしても彼は空の向こうで、本当の「ever free」を手に入れることが出来たのだろうか。

1999/01/01


GARAGE INC. [日本盤オビタタキ]
-
METALLICA

★★★★


[DISC 1]
1. Free Speach For The Dumb
2. It's Electric
3. Sabbra Catabra
4. Turn The Page
5. Die,Die My Darling
6. Loverman
7. Mercyful Fate
8. Astronomy
9. Whisky In The Jar
10.Tuesday's Gone
11.The More I See

[DISC 2]
1. Helpless
2. The Small Hours
3. The Wait
4. Crash Course In Brain Surgery
5. Last Caress/Green hell
6. Am I Evil?
7. Blitzkrieg
8. Breadfan
9. The Prince
10.Stone Cold Crazy
11.So What
12.Killing Time
13.Overkill
14.Damage Case
15.Stone Dead Forever
16.Too Late Too Late
CD1枚目に新録音、2枚目は既発の音源を集めたカバー集。数々のフォロワーを生んだ怪物バンドが、自分たちのルーツを見直すかのような内容の音像集を発表した。

DISC1の新録では、相変わらずお好きなのねなDIAMONDHEADの2.、やはりやらねばなるまいBLACK SABBATHの3.、完全にハマりまくりのMISFITSの5.といった、定番を手堅くカバーしましたってな曲から、意外にフィットしているBOB SEGERの4.、やっぱりMETAALLICAってアメリカのバンドだよなぁと認識させられるLYNYRD SKYNYRDの10.など、意表を突きつつもなぜか納得させられる選曲と演奏が興味深い。

もちろんそれは最近の作風と同じくジリジリとラウド&ヘヴィなギター、うねりまくるドラム&ベースのリズム隊をもってして、どんな曲でもMETAALLICA風にしてしまうバンドとしての彼らの力量なのだが、なかでもJames Hettfieldのボーカリストとしての驚異的な成長に依るところが大きいだろう。滑らかにメロディを歌い上げ、かつ押すべきは押し、引くところは引くという自在な感情移入は、例えばTHIN LIZZYの9.のようなメロディックな曲を、単なるカバーで終わらせない魅力的な楽曲に仕上げることに貢献している。

一方のDISC2は既発音源集とは言え、既に廃盤となった幻の「The $5.98 EP GARAGE DAYS RE-REVISITED」がリマスタリングされたCDとして手に入るのが嬉しい。個人的には同音源はダビングしたカセットテープしか持っておらず、かつ音質がヘロヘロ最悪だったので、今回のカップリングはとてもありがたい。

それにしてもこのDISC2の音源は、いまから約10年前のものである。10年経って世の中も音楽シーンも、そしてバンドメンバーの容姿もすっかり様変わりしてしまったが、常に尖り続けるMETAALLICAというバンドの偉大さには、ただただ平伏すしかない。

1998/12/27


WESTWORLD [日本盤オビタタキ]
RIOTのギタリスト、マーク・リアリとTNTのトニー・ハーネル等を中心に結成された強力プロジェクト!
WESTWORLD

★★★★


1. Illusions
2. I Belong
3. Pigeon Hole
4. Heart Song
5. Little Voices
6. Bring The Water To Me
7. Love You Insane
8. Shame
9. Ivory Towers
10.Suicide
TNTTony Harnellと、RIOTMark Realeを中心に結成されたプロジェクトバンド。彼らのこれまでの経歴から想像される、水晶の如く透明感溢れる目くるめく音像世界、ではない。

いきなりオープニングの "Illusions" での美しいメロディラインに、往年のTNTを思い出さずにはいられず、込み上げてくる感情に思わず熱くなった目頭も、現在の Tony Harnellのモダンな作風が色濃く映し出される2曲目が始まると同時に、すうっと消えていく。恐らく楽曲の雰囲気に合わせているのだろうが、高音部でわざと声を濁らすような歌唱法ははっきり言って彼の持ち味を殺すだけだと思う。

だが2曲目、3曲目をなんとかやり過ごした4曲目、至高の哀愁・透明感に満ち溢れた感動のドラマティック・バラッド "Heart Song"が炸裂。この美しいメロディに生命を吹き込む緩急自在な歌唱、キラキラと透き通る高音部、そして過剰なまでの感情移入はどうだ。やはりTony Harnellはこうでなくてはいけない。 これ一曲で本作は十分。マジで泣けます。

それにしてもMark Realeの「レスポール+マーシャル」のナチュラル・オーバードライブ・サウンドにペンタトニック中心のオーソドックスな、と言うか少々野暮ったいギタープレイは、 それはそれで味わい深いとは思うが、やはりTony Harnellの歌唱と若干ミスマッチのような気がするがどうだろうか。

1998/12/27


THE FIRST [日本盤オビタタキ]
豪快なハードチューンから爽やかなバラードまで。聴きどころ満載のデビューアルバム。デンマーク出身のPANGEAが贈る、心に真っ直ぐなハード・ロック!
PANGEA

★★★★


1. Daddys Steamgun
2. Rythm Of Love
3. Time Out
4. Enough Is Enough
5. The One To Last
6. Two Down And Two To Go
7. I Will Be There
8. All Worked Up
9. On And On
10.Good And Ready
11.Maybe Tomorrow
デンマーク出身のトリオ・バンドPANGEAの1996年発表のデビュー・アルバム。いろいろあって今頃手に入れた。デンマーク出身のトリオ・バンドというと今は亡きDIZZY MIZZ LIZZYが思い浮かぶが、彼らが20才そこそこでデビューして一気に人気を獲得したのに比べ、こちらはバンド結成が1983年と下積みが長くやっと念願のアルバム・リリースに漕ぎ着けたという苦労人バンド。

そんな苦難の過去を持つバンドらしくなく、明るいグルーヴ感、印象的でキャッチーなメロディ、そこに分厚く強力なコーラスが楽曲に彩どりを添えるという、初期EXTREMEMr.BIGに通じるアメリカン・ハード・ロックの香りが強く漂う楽曲が並ぶ。演奏もアルバムを出すまではそれぞれスタジオ・ミュージシャンとして生計を立てていたというだけあってかなり上手い。特にリフやバッキングの構成、リズムの取り方等にEdward Van Halenの影響が色濃く見えるギタープレイが耳をひく。ギターリストはヴォーカルも兼任しており、若い頃のDavid Coverdaleにちょっと似た声質でなかなか味わい深い。リズム隊もタイトかつグルーヴィー、歯切れも良し。

楽曲は正にアメリカン・ロックという趣で軽快な1.3.11.、EXTRIMEのヒット曲「More Than Words」に雰囲気が似ているアコースティック・バラッドの5.など佳曲が多い。時流的にはこの手のバンドには厳しい御時世だが、思わず応援したくなるような良いバンドである。

1998/12/12


The sometimes almost never was [日本盤オビタタキ]
ロック+ファンク+エレクトリック=ROCK-TRONIC
更に進化したスティヴィー・ワールドは、サウンドの新次元へ
Stevie salas colorcode

★★★


1. Dedication
2. Kickback
3. Overground
4. My Someday's Coming
5. Caught In A Moment
6. Superball
7. Bring It On
8. A Dedication To You
9. You And I
10.Morning Song
11.The Turquoise Warrior Spirits
1996年発表の前作「Alter Native」に続く、Stevie Salascolorcode名義の通算4枚目となるアルバム。参加メンバーは前作のように全てが決まったメンバーではなく、2ndのように曲毎にメンバーを代える方式を取っている。スペシャルゲストとして5.のギターソロでCARSElliot Easton、8.ではSmashing PunpkinsのツアーメンバーのMike Garsonがピアノで参加している。

さてStevie Salasと言えば「Jimi Hendlixの再来」と言われ、豪快そのもののファンキーでワイルドなギタープレイ、エモーショナルなヴォーカルを売りにしている一方、それでいてなんとなくオシャレな感じする独特の音楽世界を構築してきた。もちろん今作品もガツガツとしたリフとワウワウ名手振りをいかんなく発揮しているギター・ソロが気持ち良い2.、ストレートなロック・ソングの7.など勢いで突っ走るタイプの曲があるにはあるが、どちらかと言うと5.や8.に代表されるようなメロウでムーディーなメロディを重視した凝った作りの曲調が目立つ。恐らくノリ一発ではなく綿密に曲作りに励んだ結果であろうが、その意味ではミュージシャンとして成長を遂げた証と言えるかもしれない。

ただしメロウな曲が増えた分、ギタープレイが若干押さえ気味になった感は否めない。彼のファンキーなカッティングに最大の魅力を感じている者にとっては欲求不満度は高い。初期LED ZEPPELINを彷彿とさせるギターリフがカッコイイ6.は気に入ったけど。

1998/12/12


VIVA YOKOHAMA [日本盤オビタタキ]
祝 やった!38年ぶりセ界制覇!!
横浜ベイスターズ

★★★★★


1. 横浜ベイスターズ球団歌
−熱き星たちよ−
2. 佐々木主浩のテーマ
3. 川村丈夫のテーマ
4. マラベのテーマ
5. 駒田徳広のテーマ
6. 斎藤隆のテーマ
7. 荒井幸雄のテーマ
8. 進藤達哉のテーマ
9. 畠山準のテーマ
10.谷繁元信のテーマ
11.鈴木尚典のテーマ
12.佐伯貴弘のテーマ
13.ボビーローズのテーマ
14.中根仁のテーマ
15.三浦大輔のテーマ
16.万永貴司のテーマ
17.石井琢朗のテーマ
18.波留敏夫のテーマ
19.戸叶尚のテーマ
20.五十嵐英樹のテーマ
21.関口伊織のテーマ
22.野村弘樹のテーマ
23.福盛和男のテーマ
24.横浜ベイスターズ応援歌
「WINING」
25.横浜ベイスターズ球団歌
熱き星たちよ(カラオケ)
26.横浜ベイスターズ応援歌
「勝利の輝き」
ついに38年ぶりのリーグ制覇、そして悲願の日本一を手中に収めた我らが横浜ベイスターズ。これはそのセントラル・リーグ制覇を記念して制作された記念CDである。収録曲としておなじみ横浜ベイスターズ球団歌「熱き星たちよ」をはじめ、各主力選手のテーマソングがもれなく網羅されている構成になっている。
なにはともあれ目玉は1.だろう。セ・リーグ制覇を決めた10/8対阪神戦の恐らくラジオ放送と思われる実況中継が曲中の随所にオーバーラップされるアレンジになっており、あの瞬間の興奮と感動を見事に再現していて思わず熱いものが込み上げてくる。

2.以降は流行語大賞にもなった「ハマの大魔人」こと佐々木主浩投手らレギュラー級選手の応援テーマソングがズラリと並ぶ構成になっており、この中には石井琢郎、鈴木尚典などスター選手に混じり、シーズン途中で解雇・帰国を余儀なくされたマラベのテーマソングも収録されていて涙を誘う。
ただし各選手の応援歌は、曲調はともかく歌詞は贔屓目に見てもはっきり言って「ダサい」の一言。まあこの手の曲にはありがちと言えばありがちだが、例えば万永選手のテーマでは「ハマのギャルがみんな見つめてるぞ・・・」、三浦選手は「決まってるぜリーゼント勝利だ三浦」などなど、どうして野球にギャルやリーゼントが関係あるのか理解できないが、ともかく聞いているこちらが赤面してくるものばかり。選手達はこれで納得しているのだろうか。

ところでこのCDはファンでも何でもない人が聞いたとしても、誰だか知らない選手のつまらん応援歌ばっかりが二十数曲も入っている、恐らく苦痛以外の何者も生み出さない単なる円盤でしかないことは確実。当然ながらマニアのマニアによるマニアのためだけのCDであることは疑いがない。特に他チームのファンにはただのゴミだろう。

しかしながら、ベイスターズファンにとっては1.のみでも正に永久保存版の家宝物となる至高の音源と断言できる。ファンを自認する人には是非とも手に入れて頂きたい。

それにしても横浜ベイスターズが次にこの手のCDを作るのは何十年後なんでしょうか。

1998/12/07



Music Roomトップ[Music Room]/トップページ[Home]