CD Review!

GOLIATH BIRDEATER [日本盤オビタタキ]
森重樹一、戸城憲夫、宮脇“JOE”知史、松尾宗仁、新生ZIGGY始動
ZIGGY

★★★★


1. Wannabe
2. Without...
3. マケイヌ
4. 嫌なこった
5. Venus
6. 時の砂
7. Monkey
8. ペシミストのため息
9. この空の下のどこかに
10. 流浪のダンス
11. 迷走
12. Forever Wild
日本のメロディアス・ハード・R&Rバンドの10thフルレンス・アルバム。1992年に脱退した松尾宗仁(G)が本作より復活。Dr.には2作目より加入した元44MAGNUM宮脇知史が依然在籍している。

デビュー以降、キャッチーな歌メロと能天気な陽気さ、時に見せる哀愁メロディを基本としたR&Rで多くのファンを獲得してきた彼らだが、1992年にギターとドラムが相次いで脱退。それ以降はVo.の森重樹一とベースの戸城憲夫、その後加入した宮脇知史の3人で活動してきた。その間2枚のスタジオ・アルバムを制作しているのだが、クオリティとしては非常に高いながらもどこか冷めたような作風が多くなり、以前のハチャメチャぶりが影を潜めてしまった感があった。しかし本作では松尾宗仁の復帰が契機になったのか、このバンド本来のエナジーが全編に満ち溢れるエネルギッシュな作品になった。

まずはいきなりハードコアの1.で驚く。しかしその歪みやジリジリとした濁りはアルバム全部を貫いてはいるが、2.以降は「いかにもZIGGY」というキャッチーなメロディが続々と現われる。特にシングルカットされた3.や5.の笑っちゃうまでのクサいメロディーは「森重ワールド全開」的な世界。オールド・ファンならずとも思わずガッツポーズが出ると言えよう。

やはりきちんと歌える人が良いメロディを歌うと、こんなにまで気持ちがいいのかと再認識した。爽快な傑作。

1999/03/28


THE LAST VIKING [日本盤オビタタキ]
ネオ・クラシカル最高峰の巨匠達…。ソロに、バンドに、プロジェクトに…。八面六臂の活躍を見せるヤンス&アンダースのヨハンソン兄弟率いるプロジェクトバンドの約2年半ぶりとなる3rdアルバム。
JOHANSSON

★★★


1. The Last Viking
2. Burning Eyes
3. Valhall Scuffle
4. Fading Away
5. Forest Song
6. In The Mirror
7. Samurai
8. Close To You
9. Carry Me
10. Winter Battle
11. Alone
80年代にSILVER MOUNTAINYNGWIE MALMSTEEN BANDを渡り歩いてきたスウェーデンの凄腕兄弟、ANDERS JOHANSSON(Dr)とJENS JOHANSSON(Key)によるプロジェクト・バンドの3作目。本作では他にヴォーカルに元MADISONGORAN EDMAN、ギター&ベースにSYMPHONY XMICHAEL ROMEOがゲスト参加している。

前作ではなぜかブルーズ色の強い作風で、彼らのテクニカルな部分が今一つ抑え目になっていたが、本作で久々にその本領を発揮している。特にJENS JOHANSSONがこれでもかとばかりに弾きまくっており、各所でMICHAEL ROMEOのギターとの壮絶なバトルを聞くことが出来る。兄のANDERS JOHANSSONも、若干タメ気味ながらも的確なドラミングは相変わらず職人的だ。特にツー・バスで突っ走る曲でのシンバル・ワークが素晴らしい。また、ここのところは割とポップな音楽の中で中音域を強調した歌唱を聞かせていたGORAN EDMANのヴォーカルも、このアルバムではかつての余裕のハイ・トーン・ヴォイスを使ったオペラティックな歌唱法で本領を発揮している。サウンドは徹頭徹尾ネオ・クラシカルな音像で構成されていて、これぞ様式美という感じ。

と言うように、テクニック的には申し分ない職人集団によるアルバムなのだが、しかし曲が今一つパッとしない。特に前半はあまりにも平坦なサウンドプロダクションのせいもあって、単にインスト部分のテクニックばかりが耳に残るだけで、曲としての印象が非常に薄い。いくらなんでももう少し作曲・アレンジ面の練りが必要に思う。

1999/03/28


QUEEN OF THE OCEAN [日本盤オビタタキ]
よりリリカルに、ドラマティックに。シンフォニック・ロックのクイーンとしてとるべき道を明確に打ち出した「バラード・コレクション」に続き、満を持してラナ・レーンが送り出す1年ぶりの完全最新スタジオ・アルバム!!
LANA LANE

★★★★


1. In The Hall Of The Ocean Queen
2. Night Falls
3. Queen Of The Ocean
4. Let Heaven In
5. Frankenstein Unbound
6. Souls Of The Mermaids
7. Seasons End
8. Rainbow's End
9. Without You
昨年は3rdアルバム、EP制作、日本公演の模様を記録したLIVEアルバム、デビューアルバムのリミックス、そしてバラッドを集めた「BALLAD COLECTION」と、実に5枚の作品を世に送り出してきた超働き者バンドLANA LANE。その女性ボーカリストLANA LANEを擁するシンフォニックHRバンドが、早くも世に送り出したフルレンス4thアルバム。

本作は前作「GARDEN OF THE MOON」で打ち出したシンフォニック・ロックとハード・ロックの融合という路線が基本になっているが、楽曲を構成する基本要素はHR的であり、全体としてよりバンドとしてのダイナミズムを強調した作りになっている。しかしもちろんそこにはERIK NORLANDERの操るメロトロンとハモンド・オルガンの重厚かつ繊細な響きが導入されており、サウンド全体をプログレの香りで包みこんでいる。このキーボードによるオーケストレイションが実に豪華で心地よい。また演奏陣ではTONY FRANKLINのフレットレス・ベースが特筆すべき点だろう。この独特のプレイによるウネリが、TONY AMATOの重いドラミングとあいまって、サウンドに微妙なグルーヴ感を与えている。

清涼感溢れる伸びやかなLANA LANEの歌声も更に磨きがかかっており、とても神秘的である。特に哀愁漂う10分の大作3.では、時に神々しささえ感じることが出来る。LANA LANEの歌に焦点を当てた「BALLAD COLECTION」での自信が、自らの歌をより進化させたのだろうか。正にシンフォニック・ロックのクイーンだ。

1999/03/28


ANYTHING WORTH DOING IS WORTH OVERDOING [日本盤オビタタキ]
PRETTY MAIDS

★★★★


1. Snakes In Eden
2. Destination Paradise
3. Hell In High Heels
4. When The Angels Cry
5. Back Off
6. Only In America
7. With Theese Eyes
8. Anything Worth Doing Is Worth Overdoing
9. Scent Of My Prey
10.Face Me
11.Loveshine
北欧・デンマーク出身のメロディアス・ハードロック・バンドの新作。今回のアルバムはパワフルな正統派ヘヴィ・メタル・サウンドに哀愁の美旋律メロディがのりドラマティックに展開するという、正に万人が期待する典型的なPRETTY MAIDSそのものの音作りに仕上がっている。

特に特筆すべきはVO.のRONNIE ATKINSの変幻自在な表現力だ。ただ単にガナったり叫んだりするだけではなく、澄んだ高音と少し濁り気味のダーク・ヘヴィな中低域という二種類の声質をパートに合わせて巧みに使い分ける様は、相変わらずの巧者ぶりを見せつけている。演奏陣もエッジをたっぷり効かせたKEN HAMMERのギターや、全体をうっすらと包み込むキーボード、タイトなリズム陣がサウンドを支え、安心して聞いていられる。

楽曲も佳曲が揃った前作「SPOOKED」を更に凌駕する内容で、強力なスピード・チューンからコーラスが印象的なキャッチーなポップナンバー、情感たっぷりのバラッドまで実に幅広い作風が楽しめる。そうした幅広い楽曲を並べながらも緊張感が最後まで持続するのは、さすがこの道一筋のベテランだけはある。

というように非常に高水準なアルバムなのだが、惜しむらくは「これ」というキメ曲がないこと。楽曲も演奏も平均以上の水準を保っているのに、アルバムを代表するキラー・チューンが存在しないのである。うーん。実はこれ、致命的な欠陥か?

1999/03/27


CARAVAN BEYOND REDEMPTION [日本盤オビタタキ]
ブリティッシュ・ハード・ロック/ヘヴィ・メタルの守護神、カテドラル… 入魂、5thアルバム登場!
CATHEDRAL

★★★★★


1. Voodo Fire
2. The Unnatural World
3. Satanikus Robotikus
4. Freedom
5. Captain Clegg
6. Earth Messiah
7. The Caravan
8. Revolution
9. Kaleidoscope Of Desire
10.Heavy Load
11.The Omega Man
12.Dust Of Paradise
13.Black Sunday
初期BLACK SABBATHの正統後継者としてドゥーム・ロック・シーンを引っ張るブリティッシュ・ヘヴィ・ロックの重鎮が、約2年ぶりに発表した5thフルレンスアルバム。所属するレコード会社との問題から、ミックスに24時間しかかけられなかった前作「SUPERNATURAL BIRTH MACHINE」とは打って変り、制作に十分時間をかけただけあって練度に富んだバラエティー豊かな収録曲が収められている。

NAPALM DEATHLEE DORRIANが中心となって結成されたとだけあって、結成当初はキワモノ的存在だった彼らだが、その「暗い・遅い・重い」というドゥーム・ロック的特徴はともかくとして、実は英国HRの格式、伝統美を表現した今時貴重な正統派バンドだったように思う。だが前作のあまりにも一本調子な作風は、「もしやここまでか?」と不安にさせるに十分だった。

しかしその不安は1.の冒頭の「VOODOO!」という強烈なアジテーションで一気に払拭。以降、多彩なリズムやキャッチーなギター・リフに支えられた佳曲がずらりと並び、彼らの最高傑作と言っていい仕上がりになっている。アルバム全体をグルーヴ溢れるものにしているサウンドプロダクションも非常に良好だ。もちろんドゥーム・ロックのカリスマたる、そのサウンドの重さ加減は天下一品。特に11.で聞ける必殺の「トリップ・トリル」は、何も「キメて」なくともバッド・トリップ出来る妖しい魔術を持っている。

これが90年代末期型ヘヴィ・ロックの正しい進化形態であろう。

1999/03/27



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