CD Review!

BIGGER THAN THE DEVIL [日本盤オビタタキ]
驚異の復活!世紀末に不死鳥の如く蘇ったハードコア・プロジェクト、S.O.D.、14年振りのセカンドアルバム!
S.O.D.

★★★★


1. Bigger Than The Devil
2. The Crackhead Song
3. Kill The Assholes
4. Monkey Rule
5. Skool Bus
6. King At The King/Evil Is In
7. Black War
8. Celtic Frosted Flakers
9. Charlie Don't Cheat
10. The Song That Don't Go Fast
11. Shenanigans
12. Dog On The Tracks
13. Xerox
14. Make Room,Make Room
15. Free Dirty Needles
16. Fugu
17. Noise That's What
18. We All Bleed Red
19. Frankenstein And His Horse
20. Every Tiny Molecule
21. Aren't You Hungry?
22. L.A.T.K.C.H.
23. Ballad Of Michael H.
24. Ballad Of Phil H.
25. Moment Of Truth
N.Y.を拠点とするハード・コア・プロジェクトの、14年ぶりになる2nd。バンドのメンバーは、ANTHRAXからSCOTT IAN(G)CHARLIE BENANTE(Dr)、元ANTHRAX〜NUCCLEAR ASSAULT〜BRUTH TRUTHDAN LILKER(B)、元M.O.D.BILLY MILANO(Vo)という面々。

音楽性は前作「SPEAK ENGLISH OR DIE」(凄いタイトルだ)と同様、猛烈なスピードで疾走するブラスト・ビートの上にザクザクとしたギターリフが乗り、怒号型絶叫ヴォーカルが吠えるというハードコア路線に変わりはない。特にBILLY MILANO(Vo)のヴォーカルのテンションの高さは尋常ではない。確かこの人、M.O.D.を辞めた(辞めた理由は「飛行機に乗りたくないから」だそうだ)あとは現役を退いていたと記憶していたのだが、テンション的には1stよりも本作の方が上のような気がする。体型が一回り大きくなり、よりパワーアップしたということだろうか。恐ろしい。

全曲25曲だが、もちろんハードコアだけあって1曲毎の演奏時間は極端に短く、ほとんどが1分台、長くても3分ほど。次から次へと繰り出されるファストナンバーに、聞く方もそれなりの緊張を強いられるが、何しろ展開が早いので飽きることはない。ちなみに最短は12.の4秒。前作では2秒という曲もあった。

ということで復活万万歳なのだが、なんとしても残念なのはギターリフにフックがないこと。元々こういう音楽をやる以上、ギターリフのカッコ良さは曲の命とも言えるべきものなのだが、それがどうにも印象が薄いのである。さしもの天才リフメイカーのSCOTT IANもネタが尽きたのだろうか。

1999/06/20


UNDER A VIOLET MOON [日本盤オビタタキ]
至高の音、至福の時…。待望のセカンド・アルバムは、新たな旅の始まり。
BLACKMORE'S NIGHT

★★★★★


1. Under A Violet Moon
2. Castle And Dreams
3. Past Time With Good Company
4. Morning Star
5. Avalon
6. Possum Goes To Prague
7. Wind In The Willows
8. Gone With The Wind
9. Beyond The Sunset
10. March The Heroes Home
11. Spanish Nights(I Remember It Well
12. Cathrine Howard's Fate
13. Fool's Gold
14. Durch Den Wald Zum Bach Haus
15. Now And Then
16. Self Portrait
御大Ritchie Blackmoreの新章であるBLACKMORE'S NIGHTの2作目となる待望の新作は、やはり期待を裏切ることのない実に素晴らしい出来栄えとなった。

基本的には前作同様のジプシー風アコースティック・ミュージックだが、今回はよりクラシカルかつ牧歌的なアプローチで統一されていて、前作以上に中世の風景が目の前に迫ってくるような仕上がりだ。所々に聞き覚えのあるメロディやアレンジを散りばめながら、終始優美に、暖かく、そして悲壮感さえも漂う哀愁を発散する楽曲は、どことなく初期RAINBOWに通じる大仰で中世的なクラシカルな方向性を見せている。

ハンガリー舞曲を思わせるメロディが印象的な一曲目の"Under a violet moon"に始まり、クラシカルかつ哀愁たっぷりな"Morning star"、Ritchie Blackmoreの官能的なギタープレイが涙腺を熱くさせるインストゥルメンタル"Beyond the suset"、正にスパニッシュな情熱が魂を高揚させる"Spanish nights (I remember it well)"、某ドラマでも使われ、お茶の間にもおなじみのロシア民謡「ポシュカ・ポーレ」をモチーフとした"Gone With The Window"、バッハをモチーフにしたイントロから郷愁に満ちた素晴らしいヴォーカルメロディに酔いしれる "Now and then"、そして RAINBOW 初期の名曲 "Self portrait" の素晴らしいバージョンでの再演などなど、聴き所を挙げればきりがない名曲揃い。

その随所で大胆にフィーチュアされたバロック調のクラシカルなパッセージをはじめ、ピッキングやスライド、プリング、ハマリングに御大独特の指グセ、いわゆる「Ritchie Blackmore 節」に、そのプレイを必死にコピーしたかつてのギター小僧としては狂喜乱舞せざるを得ない。そして本当の主役Candice Nightも、その実直な歌声はどこかほのぼのとしつつも哀愁溢れる清楚なメロディを上手く表現していて、ヴォーカリストとして前作からの確かな進歩がうかがえる。

ということで、本作は中世ヨーロッパ音楽を現代に蘇らせた素晴らしいアコースティック・ミュージックなのだが、それと同時に、これら優美かつ哀感たっぷりの楽曲群が人の心の奥底を優しく癒してくれるヒーリング・ミュージックとしても傑作といっていい。このせち辛い世の中、日々の忙しさやくだらない悩みで荒廃する魂をお持ちの御同胞には、是非。

1999/06/20


WHO ELSE! [日本盤オビタタキ]
JEFF BECK

★★★★


1. What Mama Said
2. Psycho Sam
3. Brush With The Blues
4. Blast From The East
5. Space For The Papa
6. Angel(Footsteps)
7. Thx138
8. Hip-Notica
9. Even Odds
10. Declan
11. Another Place
60年代はかのYERDBIRDSに在籍し、70年代は故COZY POWELLも在籍したJEFF BECK GROUPやわずか一年半ほどの寿命だった伝説のBBAを経て、その後はソロ活動で何枚かのアルバムを発表してきたギター界の大御所が、前作「GUITAR SHOP」から実に10年ぶりとなる新作を発表。

今回のアルバムもかつてのソロ作の大半がそうであったように、前作ヴォーカルなしのインスト。アイリッシュ・フォークを思わせる10.やギター一本での美しい小曲11.、かの名曲「悲しみの恋人達」をちょっとだけ彷彿とさせるブルーズ調の3.など、一聴して彼だと分かる強烈で個性的なギタープレイは健在。独特のビブラートをはじめとしたギタープレイももちろんなのだが、このなんとも枯れた音色というか、実にイタないストラト・サウンドがほんとに気持ちいい。「年季」の一言では済まされない何かがこの人のギターにはあるんだなあ。きっと。

ところでアルバム冒頭の1.と2.でのサンプリングバリバリのダンサンブルな曲調には度肝を抜かれるが、今風なバックの演奏の中でも基本は頑なに自分のスタイルを守りつつ、随所にお遊び的フレーズが挿入されていたりして、現代に通じるセンスも持っているのかと感心した。昔誰かが言っていた「常に成長過程にあるギターリスト」というキャッチコピーは、今もってその通りなのかもしれない。

しかしこの人、今年で54才になるというのにどうしてここまで変わらないんだろうか。いや外見的に。20年ぐらい前から身体的変化がストップしているような気がするのは単なる気のせいだろうか。

1999/06/20


MINDFIELDS [日本盤オビタタキ]
TOTO

★★★★


1. After You've Gone
2. Mysterious Ways
3. Mindfields
4. High Price Of Hate
5. Selfish
6. No Love
7. Caught In The Balance
8. Last Love
9. Mad About You
10.One Road
11.Melanie
12.Cruel
13.Better World
今年4月に来日し、さすがのLIVEを披露したTOTOの13枚目スタジオアルバム。今回のアルバムでは、14年ぶりに帰ってきた初代ヴォーカリストのBOBBY KIMBALLが8曲でリードVo.をとっているのがウリで、初期3作の時と変わらない伸びやかな声を披露している。その他ではギターのSTEVE LUKATHERとキーボードのDAVID PAICHも歌っている。

元々はLAの凄腕スタジオミュージシャン達だった(もちろん現在もスタジオの仕事は多いらしい)の彼らのこと、演奏に関しては文句の付け所がないほど完璧。特に故JEFF PORCAROに代わって加入したドラムのSIMMON PHILLIPSの、抑え目ながらも堅実でセンス溢れるプレイは特筆もの。やっぱり凄いよ、この人。

80年代にグラミー賞を総なめにした4作目以降はどんどんハードロック色が薄れて、普通のロック/AORな作風でアルバムを発表してきたTOTOだが、今作でも若干ハードな曲はあるがブルーズっぽいもの、バラッド、レゲエ風などなどが多勢を占め、実にポップ。しかしそこは名うての敏腕ミュージシャン集団、確かな演奏力と小粋なアレンジで、非常に良質な楽曲が並んでいる。世情もあいまってさすがにかつての勢いはないが、時が時なら大ヒットしただろうなと思わせる。

それにしてもSTEVE LUKATHERのツボを押さえた小気味良いギタープレイはいつ聞いても素晴らしい。体型は(特に横方向に)すっかり変わってしまったが、俺の永遠のギターヒーローであることに変わりはない。

1999/06/20


POWER PLANT [日本盤オビタタキ]
GAMMA RAY

★★★★


1. Anywhere In The Galaxy
2. Razorblade Sigh
3. Send Me A Sign
4. Strangers In The Night
5. Gardens Of The Sinner
6. Short As Hell
7. It's A Sin'
8. Heavy Metal Universe
9. Wings Of Destiny
10.Hand Of Fate
11.Armageddon
ドイツ産メロディック・パワー・メタルの大御所バンドGAMMA RAYの、スタジオアルバムとしては通算6作目となる新作。演奏力ならびに楽曲の構築力を兼ね備えた圧倒的なクオリティを誇るこの新作は、このジャンルの先駆者としての威厳に満ちた作品に仕上がっている。

楽曲の内容は、もう誰もが想像するそのまんまの典型的なジャーマンスピードメタルスタイルが基本なのだが、そこにJUDAS PRIESTIRON MAIDENあたりの伝統的ヘヴィ・メタルのエッセンスをパラパラとふりかけるという、ほんの少しだけ原点回帰的な手法が目新しいといえばそうか。しかしやはりそこはジャーマン・メタルの雄。メロディーとパワーと劇的なドラマ性の波が押し寄せる王道のサウンドは、正にKAI HANSENワールド。

特に前半5曲の有無を言わさぬ突進力は、正直平伏さざるを得ない。往年のIRON MAIDEN を彷彿とさせる"Razorblade Sigh"、劇的な展開と疾走するメロディがおいしい"Strangers in the Night"など、DAN ZIMMERMANNの強力なドラミングとKAI HANSENの円熟とも言える堅実なギタープレイが引っ張る佳曲群は、HEAVY METALとはなんぞやという問いに対して「これがそうだ!」と胸を張って回答できよう。

しかしながらその前半の盛り上がりに対して、中盤から後半にかけては若干地味目な楽曲が並ぶのはいかがなものか。もう少しアレンジを練り直すか、曲構成を考えた方が良かったのでは、と思う。

更に言うと、KAI HANSENのヘボヘボヴォーカルは何とかならんのか。ここはやはり専任のヴォーカリスト(もちろんハイトーン系)を加入させて、バンド・フォーマットをがっちり固めれば完璧なんだけど。

1999/06/20



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